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#2 「伝統を守る」という表現があるけれど、「伝統」は必ずしも守る必要はない。
先人たちが残してきた知識やら技術やらの蓄積が「伝統」という形で表現されると思うけれど、必ずしもそれを守る必要はないと思うのです。ようはそれを知っているか、そしてそれを咀嚼し、自分の中で昇華させることが大切ではないでしょうか。
もちろん技術なんかは、先人から学ぶことも多く、特に「◯◯道」というような「道」に関するものは、先人の残したものを学び、自分の中に落とし込んではじめて意味のあるものになると思うのです。
「書道」もその1つです。
筆と墨を使えば「書道」ではない。
古典を無視して好き勝手書いているだけでは、それは「筆と墨を用いたモノ」です。
前回の記事で作品例として挙げたものは、中国は六朝時代の碑を基に「趙之謙」が礎を創り、それを「西川 寧(にしかわ やすし)」という人が、現在の書道界でいうところの「(六朝)楷書(または猗園の楷書)」へと昇華させ、更に我が師「樽本 樹邨」が確立したものを手習して書いたものです。
それでは今回の作品「翼」です。
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