悪は存在しない
はっきり言って、面白くなってきたぞ、と思っていた矢先に、ええ〜っと終わり、唖然。
たまたま、職場の同僚が同じレイトショーを観ていたので、その足で居酒屋へ。
もちろん、お互い分からん、分からんでしたが、色んな人のコメントを読んで、段々と自分なりのイメージが出来てきたように思います。
他の方のコメントでも、監督が結論もなく投げ出してるとか、不快だとか、厳しめの言葉で批評しているものをいくつかみましたが、私個人は、濱口竜介監督はそうは考えていないのではと思っています。
鑑賞直後は確かにムカつく気持ちは分かりますが、公の空間に言葉を発する以上、頭を冷やしてから、慎重に言葉を選んで発言するのがいいのでは?
私も、監督が大筋さえ示さず、大半を解釈に任せますという映画には腹立ちを覚えたこともありますが、この作品は複数の解釈を許しつつ、考えや議論の契機となることを意図したものと考えています。
見終わった後、人と話したくなるのは、良い映画なんだと思います。
キネマ旬報2月号の「映画批評を考える」を読んで改めて感じましたが、批評の目的は、読んだ人がとにかく映画館に足を運んでみようと思わせることと、自分で好き嫌いを判断する権利を奪わないということだろうと思っています。なので、私としてもそれを守りつつコメントを書いていきたいと思います。
前置きが長くなりましたが、鑑賞後4日して頭を冷やすと、やっぱり色んなことを考えさせ、奥深い映画だなと思います。
偶然と想像では、途中でのドンデン返しの後また新たな状況での物語が進むという流れにびっくりして、膝を打つ思いでしたが、本作もこのエンディングの後の展開があるのでしょう。もしかしたら次回作で示唆されるかもしれないし、されないかもしれないし。
これだけ語れる映画はやっぱりすごいんじゃないかと思います。
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