SHOGUN 第1話&第2話-外国人が作った時代劇-
アメリカでエミー賞を総ナメしたと聞き、映画館での上演を待って観ました。
ストーリーの設定は面白いです。戦国時代を舞台とし、豊臣秀吉のように天下人となった武将の没後に5人の有力武将たちの争いと、背景として、キリスト教の布教を名目に日本での利権を独占するポルトガル(背後にスペインも)に挑むイギリス・オランダの対立が絡み合います。この時代の歴史に詳しくはないのですが、戦国時代は西欧の列強諸国が日本に武器を大量に売って利益を上げ、世界的にもホットゾーンだったと聞いていますが、そういう史実をベースにしたリアリティのある脚本と思います。
衣装やセットにコリに凝ったと聞いていただけあって、映像には違和感のあるところはほぼありませんでした。
侍が気に入らないことがあると百姓たちをいとも簡単に首を斬り捨てますが、生々しい映像をはっきりとは見せない手法で新しさを感じさせます。
真田広之演ずる虎永は徳永家康をイメージさせる主人公ですが、威厳を感じさせます。これがアメリカの制作によると思うと、すごい演出だと思います。
一つだけ違和感があったのは、浅野忠信が演ずる武将(本多正信)が、大して縁もない外国人を救うために崖の下に降りて行って、波にのまれて死にそうになった時に、いきなり切腹しようとした場面でした。アメリカ人に、侍が潔く命を断つという侍文化を表現しようとしたのだと思いますが、日本人にとっては理解し難い場面でした。地位のある武士が、縁もない人のために命をかけることがあるのかな?
アンナ・サワイ演ずる細川ガラシャも、切れ長の目で魅力的です。
全体としての感想は、日本人には作れないちょっと違うテイストの時代劇です。外国文化が入ることによって、新たな時代劇ができたのは新鮮でした。