碁盤斬り
「孤狼の血」の白石和弥監督で、落語の名作を映画化したということで、映画館で観たいと思っていたのに見逃がしていたところ、アマゾンプライムで発見し、早速観ました。
素晴らしいの一言。日本映画の魅力満載。
キャストが皆、魅力的。主役の草彅剛も、静かな前半の演技と後半の激高する演技の両方が印象的。清原果邪もさすがの安定感だし、相手役の中川大志も情けない役柄を上手に演じています。敵役の斎藤工も、最近、悪役ややくざ役が多い気がしますが、迫力がありました。国村隼や市村正規といった大物俳優も、出るだけで画面が引き締まります。また、主人公の後輩格の侍の左門役を演ずる役者、よくやくざのチンピラ役で見るなと思っていたら、奥野瑛太という俳優と初めて知りましたが、実直な藩士役を演じていて好感です。小泉今日子も、吉原の女郎屋の女将を、二重顎も隠さずに迫力ある演技で、新たな顔を見せてくれました。
ストーリーがすごいです。これが落語の人情噺の真骨頂なのだろうと思います。こんな劇的な展開があるなんて!これを機会に人情噺を他にも読んでみたいと思いました。
碁の世界も奥深いのでしょうね。昔からやってみたいと思っていましたが、その思いがますます強まりました。
また、江戸の町人文化、武士の行動規範とか、名誉、恥をかくこと、敵討ちなどの考え方、吉原の世界などなど、色々と勉強になりました。吉原の門は、「ダイモン」ではなく、「オオモン」だったんですね(笑)
真田広之が「ショーグン」でエミー賞をとったことですし、碁盤斬りも海外で売れる余地はあると思うのだけど、ちょっとむずかしい話ですかね。しかし、シェークスピアに匹敵するくらいの劇的な物語です。