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探究している高校生に、この時点で何を伝えるか考えた話-高鍋高校探究科学科の探究の中間発表会に言ってきました。-

先日、高鍋高校探究科学科にお伺いして、探究の中間発表会に参加しました。

探究科学科の1年生は、1学期を通して、高鍋町をフィールドに自分たちで決めたテーマで探究をしています。その探究に関する発表を7分間にまとめてしてくれました。
全部で8グループの発表でした。

中間発表会。まだ、高校生の探究結果もしっかりとまとまっていない部分もあります。まとまっていないからこそ、まだまだ調べたいこと、挑戦したいこともあるタイミング。発表を聞きながら、どのようにフィードバックをするか、考えながら聞いていました。

その中で、主にフィードバックしたことは次のとおりです。彼らにコメントを返したものに沿って記録しておきます。

1:総じて、みんなの発表は面白かった。

3年間、この発表を関わっていますが、本当に今回も面白かったです。皆さんそれぞれの観点が、盛り込まれていたし、君たちならではの視点が入っていて、とても良かったと思います。普段なら1年生にはしないような指摘やアドバイス、質問をしてしまうほど、みなさんの取り組みは良いものだったと認識しています。
(余談)
ちなみに、近くにいた人には聞こえたかも知れませんが、皆さんの話を聞きながら、結構声が漏れるほど感心する部分、面白がってしまう部分が多かったです。こういう時間をご一緒させてもらって嬉しい限りです。

2:その上で、今後に向けての中山視点でのアドバイス。(3つ)

ア:発表タイトルをもう一度見つめ直そう
全体を通してなのですが、高鍋町内のフィールドワークに行く前に立てた問いやテーマがタイトルになっているように感じます。いくつかの班はそれだと、探究している内容(発表したい内容)より非常に広いことを取り扱っているように感じてしまいます。いくつかの班には、直接コメントもしましたが、再度、何をテーマに扱っている探究か見つめ直して、的確なタイトルを創ることをおすすめします。
なお、私もタイトルは非常に悩みます。色々な場所で講演したりプレゼンしたりをしますが、付け方としては、

・言いたいことを最初に決めて、それに沿うタイトルを最初に決めるパターン
・発表内容をある程度筋道立てて考えた上で、それに合うタイトルは何かを最後に決めるパターン

があると思います。
昨日話した通り、探究はやればやるだけ、精度が上がっていきます。(問いがシャープになる、という感じでしょうか?)なので、タイトルが変わっても、内容が洗練されても然るべきだと考えています。ぜひ必要に応じて見直してみてくださいね。

イ:言葉の定義をしよう
言葉の定義をしっかりとしておきましょう。辞書的な定義、というより、「この発表、この探究ではこのように定義します」という形でも構いません。言葉の曖昧さは、聞き手も話し手も混乱したり、無用な質問につながるときがあります。ぜひ、班の中でもよいですし、周りの人に聞いてもらって曖昧なところを整理することも大事です。

ウ:最終的に何を伝えたいか、もう一度考えよう。
発表は、集大成の場です。だからこそ、やってきたことをすべて盛り込みたくなる!それは分かります。ただ、言いたいこと、主張したいことを精選した方が相手には伝わります。あれだけ素晴らしい発表ができる皆さんだからこそ、今一度、内容を見渡して、本当に伝えたいことを伝えるために何を言って、何を言わないべきか、考えてみると良いと思います。その中で、もっともっとみなさんが伝えたいことを伝えられると思います。

3:最後に

今時点で、完璧に答えなくてもよいのが「探究」だと思っています。むしろ完璧に答えられないものを、答えに近づけていく楽しさが探究だと思います。もちろん、山あり谷ありで良いこともそうでないこともあると思いますが、ぜひ、そこも今後の糧になると信じてやり続けてほしいと思います。もちろん、今後もサポートします。

というようなことを伝えました。
大学院生でもある私が1学期、ある種、苦しかったところ、難しさを感じたところも鑑みたときに、伝えたくなったことかなとも思ったところです。

大人も子供も探究している。探究は、世代を超えて学び合うこと、高め合うことができるものかなと思ったところでした。


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