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五ヶ瀬で見つけた「学びの生態系」ー五ヶ瀬中等教育学校に訪問しましたー

先日、五ヶ瀬中等教育学校に伺った。

先日、宮崎県にある五ヶ瀬中等教育学校に伺った。

今、微力ながら運営指導委員を仰せつかっており、その委員会の仕事のため、訪問。昨年3月ぶりの訪問。この1年間、五ヶ瀬中等教育学校は、「新時代に対応した高等学校改革推進事業(創造的教育方法実践プログラム)」というものに取り組んでいる。当日は、午前中2時間みっちり使って、一年間の実施報告と委員(私も含めて4名)との意見交換が行われ、その後、授業見学をさせていただくことになった。1時間程度の見学という予定だったが、あまりにも面白くて、2時間もいてしまった。一体何が面白いと感じたのか。

五ヶ瀬中等教育学校で見つけた「学びの生態系」

五ヶ瀬中等教育学校は、「学びの森」と銘打っている。五ヶ瀬町の自然の中で、子どもたちが6年間という大事な時間を過ごす。見学した時間は「フォレストピア探究」という時間。1〜5年生(中等教育学校なのでいわゆる中学生段階は「1〜3年」、いわゆる高校生段階は「4〜6年」となる)が午後の時間3コマ分を使ってそれぞれの探究活動を個人、グループで行っていた。私は、じっくり見ながら、また、生徒の皆さん、関わっていらっしゃる先生方とお話をしながら、この場は学びの生態系があり、個々はもちろん、学校として学びの連鎖を作っているような印象を持った。こういう学校はあまり見ない。見ないからこそ面白い。

学びの生態系①:じっくり考えられる、「時間」が十分にある〜思考するモードになる〜

1〜5年生まで隔週とはいえ3時間の探究の時間を、用意するというのはなかなか難しいと思う。しかし、その用意をされていることによって子どもたちも先生たちもゆっくり、しかし、しっかりと思考をするための「余裕」があるように感じた。余裕というと時間があればよいのか?という意見もありそうだが、このようなゆったりとした時間の流れを探究活動で見たことがないため、もしかしたら十分な時間の用意は探究活動を行う上でかなり有効ではないかとすら感じさせるものだった。

学びの生態系②:学年を横断した学び〜思考を拡げる〜

授業の中で、グループ活動をしている高校生たちだと思い見学していたところ、どうも違うようだった。なんと、2年生が5年生に自分のテーマについて相談をしていたとのことだった。軽くインタビューすると、「2年生は同じテーマを扱っている先輩がいると聞いて、話を聞いたとのこと。」「聞く中で自分自身が考えていなかった内容もあって考えが拡がったので良かった」と教えてくれた。身近な先輩たちからも学べる環境は、作ろうと思えば作れるのだろうけど、普段なかなか作れない学校もあるのではないだろうか?そういう中で、自然にこういう場があるというのは、生徒同士、または、学び同士のつながりがその場にいる人々には意識的、無意識的にも見えているのだろうなと感じた。

学びの生態系③:すぐしよう〜試行錯誤の中でどんどん成長する〜

授業を見ながら、いくつかの生徒さんと話をしながら、「こんなのもあるんじゃない」、「こういうの読んでみたら」「こういうのやってみなよ」というような会話をいくつかした。1時間目に話をしたらすぐその場や次の2時間目にはその行動をしている生徒さんが何人もいた。なるほど、数コマ一気に用意したら、「明日しよう」「来週しよう」「いつかしよう」ではなく「それくらいなら、このあとすぐしよう」ということになるんだろうなと感じた。なるほど、こういう中で、どんどんと成長していくのかということ、もっというと、やってみたら気づくことあるじゃんというプチ成功体験が生まれてくるのかもなと思ったところだった。

まとめ 外部も内部も内面も拡がり続ける学びの森

五ヶ瀬中等教育学校は、たくさん挑戦をしている。先生はもちろん、生徒さんたちの感想を見てもそう感じた。ただ、たくさん挑戦している、新しいことをやっているからこの学校や先生や生徒さんがスゴイ、だけではなく、新しいものやコト、人を自分たちの学びの森に迎え入れて、それをさらに学びの森の中に溶け込ませているところだと思った。本当に、1時間だけ見ても、一日行っただけでもわかるようでわからない。(もちろんまだまだ私も分かっていないと思う)でも、なにか自分もこの学びの森で学んでみたい、むしろ学んで変化したなと文章にしながら改めて感じています。


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