リスクについて考える
昨今、リスクという言葉をよく聞くようになった。
政治の世界でもビジネスの世界でも、医療の現場でも、そして人間関係や日常的な会話においてさえも、リスクという言葉が日常的に使われている。
このリスクという言葉は、総じて人を不安にさせてしまう。時には、明らかに恐怖心を煽るためだけに使う場面もあって、不快感を覚えることもある。
ビジネスの場面でよくあるのは、何か新しいことを提案したり、他社と違うことをやろうとしたら、「リスク」「リスク」の大合唱が始まる光景である。その声は、現状と変えたくない既得権益を持つ組織や、保守的な考えの人たちから発せられる。リスクがあると言えば、反対意見が通りやすいという風潮があるかごとく。
また自らの行ったことを正当化するための弁明や言い訳の際にも使われる。「リスクを避けるために私はこういう処置を行ったのだ」と。間違った使い方もある。当然起こりえる事象に対しても、リスクがあると言うのだ。リスクとは、本来起きるか起きないか不確定な事象のことなのだが・・・。
リスクという言葉はネガティブに聞こえがちだが、もとはポジティブなケースに使われる用語だ。本来は、物事を前に進めるための有効な思考手段である。あまりにも残念な使われ方をされすぎているので、この場でリスクという言葉の意味を正確に理解していきたいと思う。その上で、ビジネスの世界におけるリスクの捉え方と考え方について考察していくこととしたい。
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