個人的には好きです。まったくオススメはしません~映画『シン・デレラ』~
最近流行している、おとぎ話ホラーの一本。
こういうB級テイストが大好きな人間としては、劇場でフライヤーを見た時点で鑑賞することは決定していました。
たとえほぼ100%面白くないだろう、と思っていても、観たいものは観たいんですよ。
で、実際に鑑賞した感想ですが。
まあ、ひどかったです。
最初からわかりきっていたことですが。
基本ストーリーはおとぎ話のシンデレラと同じですね。
継母と義姉ふたりに毎日いじめられ、使用人としてこき使われているシンデレラ。
そんなシンデレラが王子様に見初められ、舞踏会へ……という流れです。
ただ継母と義姉たちの残酷さは、並大抵ではありません。
ケガをして働きが悪くなった使用人の女性を、拷問して虫の息にした挙句、あっさり殺してしまいます。
まさに鬼畜です。
このあたりは、継母たち悪人っぷりを印象付けるため、悪くない印象でしたね。
でもほかのシーンはねぇ。
まず国王と王妃、そして王子が、なんかしょぼい馬車と少数の護衛でシンデレラたちが住む屋敷に訪ねてくる時点で、頭に「?」が浮かびます。
近所の親戚の家に遊びに来た、みたいなテンションで、王族ってそんなにヒマなのか?と思ってしまいます。
国王と王妃は威厳がないし、王子は売れないホストみたいだし。
で、いろいろあってシンデレラは舞踏会に出席するんですけど、それは王子&実は王子とデキていた長姉の罠だったのです、わぁひどい!
舞踏会出席者たちによって、嬲り者にされてしまうシンデレラ。
絶望したシンデレラは、フェアリーゴッドマザー(日本で言うところの魔法使いのおばあさん)に、自分をバカにした奴らへの復讐をするための力を望み、大虐殺を開始するわけですね。
しかしまさか、ガラスの靴を凶器にして暴れ回るとは思っていませんでしたが。
両手に構えたガラスの靴のヒール部分を人体に突き立て、切り裂いていくシンデレラの姿には、思わず苦笑いが浮かびました。
「ハイヒールのかかとで踏まれると激痛」と聞いたことがありますが、ヒールはガチで殺人レベルの威力を持つんですね。
あとちょっと残念な部分としては、継母にもっと抵抗してほしかった、ってところがありますね。
義姉や王子はけっこうあっさりやられてしまったので、継母くらいは少しでいいから互角にシンデレラと渡り合ってほしかったな、と。
ムチで使用人を拷問してたんで、ムチを使ってガラスの靴と戦う、くらいのアクションシーンが見たかったです。
実は私、殺戮シーンにメリハリがなかったせいか、長姉を殺そうとしているシーンくらいでけっこう飽きちゃったんですよね。
で、飽きたまんまエンディングになっちゃったので、すごくその点が残念で。
継母にはラスボスっぽく、もうちょっと頑張ってほしかった、と。
最後のオチも予想の範囲内でしたし、正直に言って他人にはオススメできない作品であることは間違いないです。
そういう意味では、わざわざお金と時間を使ってこの映画を映画館で観るのは、セレブな遊びなのかもしれません。
あ、そう言えば忘れてました。
最初に殺された使用人の女性には息子がいて、その息子もそのあと継母に拷問された?みたいな描写があったんですけど。
あの息子、そのあとどうなったんだろう。
生きてはいたけど拘束されてたみたいだし、あのままじゃ誰にも存在に気付かれず、飢えと渇きで死んじゃうと思うんですが……。
この映画で一番ヒドイ目にあったのは、シンデレラでも継母でも義姉たちでも王子でもなく、この使用人母子だったのかもしれませんね。
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