だから、人生には勇気が大切 楽しいことを探そう

 この記事のタイトルをつけたのが3か月前。またこの記事を書き始めたのは、僕が楽しいことに足踏みしているからだ。

 カミングアウトしてから、人と会うのが楽しくなった。その代わり、一人でいる時間がひどくつまらなくなった。もっと人としゃべりたい、話したいと思うようになった。

 そこで、今頑張って彼氏を作ろうと奮闘中なのだが、それもおいそれとはいかない。

 なので、シェアハウスをしたり、もっと友達と電話したりしたい!と思うのだが、なかなかその勇気が出ない。

 ゲイのコミュニティに参加する勇気は出るようになっても、それとこれとは勝手が違う。

 シェアハウスは、自分が他人と暮らせるのかという不安がつきまとうし、友達に連絡をかけるのは、断られるのが怖いのと相手が嫌がっていないかが不安で気になってしょうがないからだ。

 だけど、ここで自分の行動を変えていかないとこの鬱屈さからは抜け出せないし、人生が良い方向に向かないことも分かっている。

 僕は、自分が苦しいと感じている時は、決して悪いことだけではないと思っている。人は、自分の中に明確な「こうありたい」という状態から離れているほど苦しいと感じる。裏を返せば、そのありたい状態とは何かを考え、なるべくそれに近づけるように努力すれば、今よりももっと楽しい人生を歩むことができるはずである。

 しかし、きっとトランスジェンダーの中には、僕と同じように、元の性格に加えて、幼い頃から性別のことで四六時中我慢を強いられる生活に適応してきたせいか、多くのシスジェンダーの人に比べて忍耐強くなりすぎてしまったり、逆に自分が嫌なことにNoと言えなくなってしまっていたり、自分の進みたい方向が分かっていてもそこに向かおうとすることを無意識に抑圧してしまう傾向が強い人が多いのではないだろうか。

そして、その幼い頃から長年しみついてきた行動の癖を変えるのはなかなか容易ではない。だから勇気が必要になる。

でも、僕もいきなり勇敢にはなれない。だから、本当に大事なのは、「小さな小さな第一歩の勇気」だと思う。やりたいことを調べてみる、知っている人に話を聞きに行ってみる。後戻りできるところまではやってみる。信頼できる人にだけ自分の心のうちを話してみる。

もし、この記事を読んでくれた方で小さな小さな勇気が少しでもわいてくれたらうれしい。そして、僕もこの記事を書きながら、自分が現状よりも一歩踏み出せることを信じ祈っている。