#0「いらないノート」
ぼくはムカついていた。
ぼく、岩山竜秋は、高校生でフリーの男女コンビのお笑い芸人として活動している。
単独ライブが近く、喫茶店でネタ作りをしていた。
その喫茶店に居合わせたバカな女が叫んでた。
「ふられたー!まじむかつく!あいつなんもしゃべらん!ほんとになんもしゃべらん!あんな喋らん男こっちから願い下げ!でもなんであいつあんなに静かなんやろ!」
お前がうるさすぎるだけだろ。
なんだこいつイライラすんな。
全然集中できん。
そういえば今日の朝のこと。
「竜秋ー!これこれ!」
お母さんがぼくにくれたのは1枚のノートだった。
「なにこれ?」
「あれ?竜秋、ノートが欲しいって言ってなかったっけ?」
「え…言ってないけど...」
「あ、そうだっけ、ごめんね」
「あ、いや、うん。でも、ありがとう、何かに使うよ」
ぼくは、そんな会話を残し、家を出た。
ぼくは、ふと、バックの中を覗いた。
そこには、お母さんが買ってくれた1枚のノート。
ふふっ、そうだ。
妄想の中ならぼくだってなんだって出来る。
そうだ、決めた。
ムカつくことがあったら、このノートに僕の妄想の世界の話を書くんだ!
ぼくの世界。そう、このノートの上では
ぼくだけの世界なんだ。
ぼくの妄想通りの世界。
よし、決めた最初のヒロインは
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