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(新卒・中途向け)作業スピードに自信がない人はコンサルにならない方がいい理由【コンサル全体で業務効率が改善されない限りは絶対に辞めた方がいい】

1. はじめに

各大学でのアンケート結果から分かるように、コンサルティング業界を志望する人は非常に多いです。

高い年収、成長できる環境、周りからの羨望の眼差しなど、志望理由には事欠きません。

しかし、激しい競争を勝ち抜いて入社しても、様々な壁にぶつかります。

ロジカルシンキング・ドキュメンテーション・ファシリテーションなどのコンサルスキルに対する要求の高さ、上司からのプレッシャーなど多岐に渡りますが、その中にこれだけはどうにもならないというものが存在します。

それは作業スピードです。

他の要素は最初は低かったとしても、徐々にレベルアップしていきます。

そのため、やる気さえあればなんとかなることが多いです。

しかし、作業スピードだけは最初からないとどうにもなりません。

ここでいう作業スピードには、考えたことを資料に落とす指の動きというよりは
「大量に高速に頭を使っても焼ききれない脳みそ」
「50m走のペースで走り続ける体力」
が必要になります。

この記事では、作業スピードが平均以下だと、いかにコンサルタントとして生き残るのが厳しいかをお伝えします。

そして、コンサルティングファーム全体で業務効率が改善されない限り、この環境で働き続けるのがいかにリスキーかを詳しく解説します。

この記事を読んだ上で問題なさそうであれば、ぜひコンサルにチャレンジしてください。

あとは「なんとかする」という強い覚悟さえあれば「なんとかなる」と思います。

それでは始めていきますね。


2. コンサルは価格競争に巻き込まれがち

コンサルティング業界は、表面的には「高額な料金で高度な専門サービスを提供している」というイメージが強いかもしれませんが、実際の現場では激しい価格競争が存在しています。

特に総合コンサルティングファームや大手ファームは、日々複数のクライアントと商談を行い、各社から「どのコンサルが最もコストパフォーマンスが高いか?」を厳しく比較されています。

これにより、案件獲得のために価格を大幅に下げるという事態が多々発生します。

コンサルタントの提供するサービスは、基本的には人的リソースを時間単位で提供するビジネスモデルです。

つまり、クライアントに見積もられた作業時間に基づいて請求される料金が決まり、その時間内で最大限の価値を提供しなければなりません。

しかし、クライアントが予算の都合や他社との競争により「この案件、もう少し安くしてほしい」と要求することがよくあります。

クライアントの期待に応えるために、コンサルファームは割引交渉に応じることが多いのです。

2.1 案件獲得のための価格競争の現実

例えば、本来なら300時間の作業が必要なプロジェクトがあったとします。

通常であれば、その作業に見合った料金を請求すべきですが、他のコンサルファームとの競争が激化すると、160時間での契約に合意せざるを得ない状況が生まれることも少なくありません。

これは、本来の約半分の労力で同じ品質のアウトプットを出さなければならないという過酷な状況を意味します。

こうした背景には、特に大手クライアントからの強いプレッシャーがあります。

彼らは数々のプロジェクトを発注しており、競争力を保つために多くのコンサルタントに声をかけて比較的安いオファーを出してきたファームに仕事を依頼します。

各ファームは売上を確保するため、利益率を下げてでも仕事を取りに行きます。

その結果、本来であれば収益性の高いプロジェクトが、コストに見合わない低料金で引き受けられることが常態化しています。

2.2 割引の影響と作業スピードへの圧力

コンサルタント一人ひとりにとって、こうした割引交渉の結果、作業時間の短縮が現場に大きな影響を与えます。

先述した例で言えば、300時間かけて本来行うべき作業が、160時間に圧縮されるということは、約2倍のスピードで仕事を進めなければならないということです。

つまり、通常であれば十分な準備期間を設けて慎重に行うはずのタスクが、過密なスケジュールで無理やり完了させられることになります。

また、実際のプロジェクトでは、多くの場合で追加の作業や予期しない問題が発生します。

それにもかかわらず、クライアントとの契約に基づく時間枠内で完了しなければならないため、コンサルタントたちは毎日長時間残業や土日出勤を強いられることになります。

これが、コンサルタントの長時間労働が常態化している理由の一つです。

2.3 「効率化」の名の下に積み重なる負担

コンサルファームは、コストを削減しながらクライアントに満足してもらうために、常に業務効率化を推進しています。

しかし、効率化といっても、実際には限られた時間内で、より多くのタスクをこなすことを求められる場面が多いです。

例えば、従来は1日かけて行っていた報告書作成やクライアントとの打ち合わせも、時間の圧縮により半日や数時間で完了させることが当たり前になっています。

効率化の圧力が強くなるほど、コンサルタント個人にかかる負担は大きくなり、その結果、心身の疲労が蓄積していくのです。

プロジェクトの進行が滞ると、クライアントの期待に応えられなくなるリスクが高まり、結果としてチーム全体の士気にも悪影響を及ぼします。

本来の品質を確保しながら、いかに時間を短縮して成果を出すかというプレッシャーが、コンサルタントたちを追い詰める要因となっています。

2.4 割り引かれた案件の負の連鎖

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