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エピソード④:「やめとけ」と言われたのに‥世界を変えた大失敗

人類の歴史は、数々の「発見」と「発明」によって進化してきました。しかし、その中には「やらなければよかった」と思われた出来事が、結果として世界を変えたこともあります。その最たる例が、ペニシリンの発見です。

1928年、イギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミングは、まったくの偶然から世界を救う薬を発見しました。しかし、彼がその発見をした時、周囲の反応は「それ、ただのカビだから捨てたほうがいい」というものだったのです。

フレミングは、風邪やインフルエンザの治療法を研究していました。ある日、彼が実験に使っていたシャーレ(培養皿)を、うっかり放置してしまいます。数日後、それを見てみると、シャーレの中で奇妙なことが起こっていました。ある特定の場所だけ、細菌がまったく繁殖していなかったのです。

普通なら「汚れたから捨てよう」となるでしょう。しかし、フレミングは違いました。「何かが細菌の増殖を防いでいるのでは?」と考え、詳細に調べたのです。その結果、彼が見つけたのが「ペニシリン」という抗生物質でした。

この発見により、人類は初めて「細菌を殺す薬」を手に入れました。これがのちに抗生物質として発展し、結核や肺炎といった多くの病気から人々を救うことになります。現在でも、ペニシリンは医療の基礎として世界中で使われています。

しかし、この偉大な発見は「うっかりシャーレを放置したミス」から生まれたものだったのです。そして、もしフレミングが「カビが生えたから捨てよう」と判断していたら、世界は今とはまったく違うものになっていたかもしれません。

歴史を動かしたのは、英雄だけではありません。時には「やめとけ」と言われたことが、世界を救う結果になることもある一例でした。

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ryu
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