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【商品考察】NISA&iDeCo(2) ~資産所得倍増へのグランドデザイン~
期待はしていないけれど、少し気になる
政府の「資産所得倍増プラン」
新計画の対象は、
投資による資産所得(資本からの所得)倍増なので、
株式、債券や投資信託の配当所得 、譲渡所得の倍増
と理解した。
中身だけは理解しておこうと考え、
経済財政運営と改革の基本方針 2022(原案)の内容を確認した。
資産所得倍増プラン
我が国の個人金融資産2,000 兆円のうち、その半分以上が預金・現金で保有
されている。投資による資産所得倍増を目指して、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充や、iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の改革、国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設など、政策を総動員し、貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進める。
これらを含めて、本年末に総合的な「資産所得倍増プラン」を策定する。
その際、家計の安定的な資産形成に向けて、金融リテラシーの向上に取り組むとともに、家計がより適切に金融商品の選択を行えるよう、将来受給可能な年金額等の見える化、デジタルツールも活用した情報提供の充実や金融商品取引業者等による適切な助言や勧誘・説明を促すための制度整備を図る。
冒頭から、くだらない。
大部分は、高齢者の資産なのに、
2,000 兆円の半分を、投資へ誘導するような表現は、原案の信用度を大きく下げている。
さらに、やめて欲しいのは、
政策を総動員し、貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進める。
というような、ビックワードの羅列。。。
気を取り直して、要約した。
資産所得倍増プランの3つの軸
本年末に総合的な「資産所得倍増プラン」を3点を軸として策定すると書かれている。
✔ NISAの抜本的拡充
✔ iDeCoの制度の改革
✔ 国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設
”抜本的拡充”、”制度の改革”の何が違うのか?
ニュアンスからは、NISAは、大幅な拡充で、iDeCoは制度を少し改善するということか?
NISAもiDeCoも、これまでも改善されてきてはいるが、根本的に使いにくい。
iDeCoの19年ルールなんて、どうしたらこんな制度にするのか謎だらけ。
噂されているのは、
・NISA:期限廃止、上限拡大
・iDeCo:国民年金の加入期間延長による自営業者へ延長対応も含めた拠出期間延長
これくらいやれば、大胆・抜本的とはいえると思う。
特に国民年金の加入期間が、60歳から65歳まで延長されたら、大胆だと思う。国民年金は、国の税負担も重いので。
この場合、仕組みは、必須ではなく任意加入の制度に乗せれば、いいだろう。
国民年金の加入期間が、65歳まで延長され、受給も70歳に延長されたら、少しつらい。
また65歳まで必須となると、自営業者の負担は重くなる。
個人的には、
・NISAは、他の口座へ出すときの取得価格が、移管日の時価に変更される。
・iDeCoは、受取り方法の最適化が非常に複雑というか、めちゃめちゃ。
の2点が、大きく不満。
どちらも制度改定を確認してから、継続するかどうか、継続するするなら金融機関を変更するかどうかを決めることにした。
3点目の”資産運用に誘導する新たな仕組み”は、少し楽しみ。
何らかの税控除や、投資一任フィーへの補助金制度など新設されたらうれしい。
基本方針 2022(原案)の後半には、「資産所得倍増プラン」を補足する施策が書かれている。
補足施策
・安定的な資産形成に向けた金融リテラシーの向上
・適切な金融商品の選択
-将来受給可能な年金額等の見える化
-デジタルツールも活用した情報提供の充実
-金融商品取引業者等による適切な助言や勧誘・説明を促すための制
度整備
うーん。
iDeCoの受取りは、超複雑なのでツール化されたらうれしい。
適切な助言や勧誘・説明の制度整備は、
IFA等を活用して、歯科検診の義務化のように、ライフプランの定期無料診断とか??
これらが、軸の3点目の”資産運用に誘導する新たな仕組み”だとしたら悲しい。
原案に、資産所得倍増の目的や狙いが、記載されていないので、どの方向にいくのか予想しにくいが、
とにかく期待しないで、年末まで待つしかない。
とにかく政府のやることは、すべて遅いので。。。
何か参考にならないかと考え、有名な勝間さんの本をサラっと読み返してみた。
2007年出版の本だが、今も状況は、ぼぼ同じ。
金融リテラシー教育も15年遅れで、今年やっと始まった。
資産所得倍増は、
『お金を銀行に預けるな!』といった方がわかりやすいかも?
(補足)
2022年6月7日に『新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画』(P8 に記載)として内容が更新されたので追記した。
(3)貯蓄から投資のための「資産所得倍増プラン」の策定
我が国個人の金融資産2,000兆円のうち、その半分以上が預金・現金で保有されている。この結果、米国では20年間で家計金融資産が3倍、英国では2.3倍になっているが、我が国では1.4倍である。家計が豊かになるために家計の預金が投資にも向かい、持続的な企業価値向上の恩恵が家計に及ぶ好循環を作る必要がある。
このため、個人金融資産を全世代的に貯蓄から投資にシフトさせるべく、NISA (少額投資非課税制度) の抜本的な拡充を図る。また、現預金の過半を保有している高齢者に向けて、就業機会確保の努力義務が70歳まで伸びていることに留意し、iDeCo(個人型確定拠出年金) 制度の改革やその子供世代が資産形成を行いやすい環境整備等を図る。
これらも含めて、高校生や一般の方に対し、金融リテラシー向上に資する授業やセミナーの実施等による情報発信を行う。働き方の変化に応じて、将来受給可能な年金額を試算できる公的年金シミュレーターを本年4月に導入したが、民間アプリとの連携を図り、私的年金や民間の保険等を合わせた全体の見える化を進める。
追記された部分で、
日本国民の平均ポートフォリオが、無リスク資産50%でも、20年間で家計金融資産を1.4倍にできたというのは、ある意味すごく堅実で、すばらしいと感じてしまう。
取らなくて良いリスクをとる必要ない。
平均では意味がなく、多数が1.0倍以下だと明記しないとロジックが成り立たない。
全体の内容は、
方針 2022(原案)より具体化され、洗練されている。
が、トーンダウンしている。
なんか、NISAの上限を倍にして終わりという感じか?
はじめから、やっとけよ!という感じ、
むしろ、
なぜ来年からのNISA制度変更で、やらなかったのかの説明が必要になる。
岸田内閣のお手柄として、上限を倍にするのは良いが、
資産所得と税収入の増減を、どのように試算したかだけは、しっかり説明責任を果たして欲しい。
それにしても、
新しい資本主義実現会議に検討の場を設け、本年末に総合的な「資産所得倍増プラン」を策定する。
には、あきれる。
会議で検討するといったレベルの話をおおげさに言わないで欲しい。NISAとiDeCoの改善も、金融教育も既にこれまでやっていることなのに。
知らなかった公的年金シミュレーターを確認したが、まだiDeCoは配慮していない簡易的なものだった。残念。これでは使えない。
まとめ
預貯金の資金を、
社債や国債等へ移すだけで、
あるいは、ネット銀行の金利0.2%の普通預金へ振り込みするだけで、
資産所得は簡単に倍増できるものの、
富裕層の資産所得だけが、
更に優遇されるような施策にならないことを祈る。
【今日のひとこと】
「探検に出かけて何か良いことがあるのか?」
私にそう尋ねるのは、食べることしか考えられない連中だ!
(ノルウェーの探検家:ロアルド・アムンゼン)
「投資して、何か良いことがあるのか?」
疑問があるなら、インベスト・イン岸田さんに聞いてみよう!
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