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【商品考察】iDeCo(3)~金融屋さんの資産所得倍増プラン~

倍増計画案、政府から進捗状況などのアナウンスがないなあと、
だいじょぶかなあ、という不安感が漂うなか、

日本証券業協会さんが、提言を出してきた。

そもそも日本証券業協会さんって、どんな組織か理解できていない。
金融関係の組織は、天下り先の会社のような(???)あやしい組織がいっぱいあってわからん。

中間層の資産所得拡大に向けて ~資産所得倍増プランへの提言~

なんと199ページ!

熱い金融屋さんの情熱を感じる。
よっぽど言いたいことが、たまっていたのだろう!

スラスラ読み始めたものの、50ページぐらいでギブアップ。


NISA、iDeCo以外にも興味深いテーマを提言されているが、今はiDeCoの改革しか興味がないので、iDeCoの部分で、なるほどと思えた箇所を抜粋した。

iDeCo以外で、驚愕したのが、

P68の個人金融資産(約2,023兆円)の内訳で、
全体の54%が、現預金で、そのうち90%以上が、45歳以降の資産であり、
55歳以上なら、75%を占める。

よくもまあ、こんな分布で、
個人金融資産の半分の現預金を、投資に回すなんていえるなあと
あきれはてる。

この分布で、どのお金が投資に回せるかというと、

これから得る現役世代の収入の1部と、親世代からの相続しかないのでは?

75歳以上の現預金の1/4が現金で相続されて、それを100%投資に回すとしても、100兆円くらいで、政府のシナリオの1/10だ。
現預金以外もうまく相続したら多少増える程度。

政府の視点が、まったく理解できない。

確定拠出年金制度への提言


日本証券業協会さんの
iDeCoの提言部分を以下に抜粋した。

共感した部分は太字にしてみた。

4.確定拠出年金制度(企業型DC、iDeCo)

(1)老後の私的年金水準の実質的な確保
①生涯拠出枠と自由度の高い年間拠出限度額の導入
②退職準備世代に対して追加の拠出枠(キャッチアップ拠出)を設けること
③iDeCo等の拠出限度額の引上げ
(2)より多くの国民が私的年金に加入するための仕組み
①確定拠出年金への拠出可能額をねんきん定期便等に見える化
②確定拠出年金への自動加入・オプトアウトの仕組み
③高年齢者就業確保措置等を踏まえた環境整備(iDeCoの加入可能年齢を65歳から70歳へ)
④iDeCoの加入拡大に向けた事務手続の簡素化
(3)長期的な資産形成に適した仕組みの構築
①指定運用方法の実績にもとづく検証と見直し(長期的な運用に資するデフォルト商品の提供)
②運営管理機関による加入者への個別の投資アドバイスを可能とすること
③資産の取崩しと運用を両立するための投資教育、制度整備等を行うこと(老齢給付金を年金ではなく一時金で受け取り、
現預金で保有されることが多いことから、資産の取崩しと運用の継続の重要性が認識されるための投資教育を行うこと
また、「一時金」として受け取る場合には、個人別管理資産を有価証券のまま引き出すことを認めること
④運用指図者(掛金の拠出を行わず、運用の指図のみを行う者:元本確保型商品の割合が高い)や自動移換者(企業型DCの元加入
者で移換手続等をしなかった者:現金で管理されている)への投資アドバイス、教育の方策を検討すること

・生涯拠出枠と自由度の高い年間拠出限度額の導入
これは、いいと思う。
私は、住宅ローン返済を優先したので、401Kは、少し遅れて加入した。
年間拠出限度額が調整できていたなら、はじめから加入したと思う。

・確定拠出年金への拠出可能額をねんきん定期便等に見える化
受け取り時の税負担の目安も見える化されたら、さらにすばらしい。

・iDeCoの加入拡大に向けた事務手続の簡素化
現状は、紙だらけの手続で、なんでも処理に1ケ月はかかる。30年くらい前の仕組みの印象。何とかして欲しい。

運営管理機関による加入者への個別の投資アドバイスを可能とすること
現在の投資アドバイスは、ないに等しい。受け取り時の基本的な税制の質問も、税務署で確認して欲しいといわれる。

「一時金」として受け取る場合には、個人別管理資産を有価証券のまま引き出すことを認める
あきらめていたので、これができたらすごい。元本割れでも気軽に出せる。ただ税金や取得価格の評価をどうするのか、難しい気がする。

iDeCoへの提言で気になった点


・金融屋さんだけでは、狭い視野で案ができてしまうから、他業種のメンバーも検討に参画させて欲しい。アーキテクト的な人材が、全体のデザインを整えてから、細部を決めて欲しい。
・iDeCoの制度上の課題と、金融リテラシー不足による課題は、分けて検討して欲しい。論点が分かりにくくなる。
・金融屋さんの提言なので、自分たちの商売とは関係ない税制まで踏み込んでいない。iDeCoの受け取り時の税制も何とかして欲しい。
・語尾が、スッキリしない。提言であっても、言い切って欲しい。
語尾が、~検討すべきではないか?、~してはどうか?では、主張として弱い。

まとめ


退職済みのアラカンともなれば、自営業者でもiDeCoが、70歳ぐらいまで期間延長されないのであれば、あまり関係ないが、

7月末の時点で、これくらいのものが出てくると、
少しは良くなりそうな感じがあり、期待できる。

他の組織の提言も楽しみ。。。


【今日のひとこと】


20代の頃より、10倍金持ちになったという60代の人間を見つけることは簡単だ。だが、そのうちのだれもが10倍幸せになったとは言わないはずだ。

(アイルランドの劇作家 バーナード・ショー)


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逢坂リュウ
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