見出し画像

Report_4 NorwayStudyTour 日本の高校の先生たちはsustainableでしょうか?

Report_4 NorwayStudyTour 日本の高校の先生たちはsustainableでしょうか?

Norwayの学校を見た先生方にもたくさんの気づきがあったようです。あまりにも仕組みが日本とNorwayでは違いすぎるらしい。

日本の先生たちの働き方はsustainableとは言い難い。朝早くから学生の補講をし、授業が終わったら部活の指導。学生が下校するのが18時から19時くらい。その後、授業の準備をして帰ると20時、21時を過ぎる。土日も部活の引率があったら、一体先生たちはいつ休むのだろう。働き方改革よろしく、残業は80時間までと規則はできた。でも、その時間内に仕事を終わらせることはできない。上司には時間内の残業で報告しつつ、実際のところは今まで通り仕事をし続ける。給料もそこそこ、でも仕事は増えていく。本当に大変そう。。

では、Norwayの先生たちの役割や働き方はどうなっているのか?印象的だったことを箇条書きでまとめてみた。

・いじめへの対応

Norwayの高校でもやっぱりいじめはある。昨年、法律が変わり、いじめへの対応は校長が責任を負うことになったそう。いじめが続けば、いじめられている方は転校したり、いじめた方は法律で裁かれてしまう。いじめの予兆がある段階から、いじめられてい学生、いじめている学生の両方にカウンセラーをつけて、これからいじめられないように被害者へ話をし、いじめることがないように加害者とは話し合いをするそう。

・ランチを1人にしない

昼休みを学生はカフェテリアで食べる。弁当を持ってくる人もいれば、バイキング形式のビュッフェを購入する人もいる。先生の役割として、1人でランチをしている学生がいれば、隣に座って一緒に食べるというルールがある。学校というコミュニティで自分の居場所を見つけられるよう、周りの学生も巻き込んで取り組むそう。

・14時30分に学校の鍵が閉まる

下校時刻になると、自動で学校の入り口に鍵がかかる。14時30分には学生全員が学校を出なければならない。バレー部があって、所属している学生もいたけど、入っているのは3割くらい?

・先生は部活を持たない

日本と違うところ。部活を先生は担当していない。学生がいるときにはしっかりとコミュニケーションをとって、下校時間後は次の授業のためにしっかり時間をあてることができる。日本の学校の場合は、部活の指導を終えて、学生が帰ったあとに準備をするそう。だから20時、21時はざらにあるそうですね。。

・17時には先生も帰る

学校の仕事は学校でする。先生一人ひとりに家庭があって家族がいる。17時には学校を出て帰っていました。授業が終わった後の使い方は自由みたいで、早めに帰る先生も多かったです。

・放課後の高校生はChill

高校生たちは放課後をどう過ごしているのだろう?ありさに連れていってもらったフィヨルド公園に、放課後高校生たちが集まって、音楽を流しながら景色を眺めてながらおしゃべりしているそう。宿題もあるけど、日本ほど多くはないみたい。美しい景色をみながら、ゆっくりChillしているそうだ。このChillする時間が、自分の感情に気づき、取り組みたいことを自ら選び取ることを可能にしている気がする。

私が高校生のときは、学校と家の往復。常に時間に追われていて、部活が終われば学校の宿題をしたらすぐ寝るだけで、ゆっくりする時間なんてなかった。つねにやることに追われている生活。それは、働き方もそうだ。つねにやることが追ってくるような状況。でも、Norwayの高校生たちには、ゆっくりする時間がある。部活も宿題も限られ、自ら時間の過ごし方を決めている。働き方もそうかもしれない。17時には仕事を終えて、日が沈む20時すぎまで、仕事に追われることなく、時間の使い方を自分で決めることができる。学生と社会人で時間の使い方は変わっていない。

ありさ曰く、Norway人のメンタルはタフだそうだ。メンタルを崩している人に会ったことがないそう。それは、余白の時間で感情の扱い方を訓練してきたからかもしれない。

---ここから私の意見---

今回のTourでの日本の高校の先生たちを取り巻く環境の過酷さについてたくさん話を聴く機会があった。授業の質を上げたいけど、それには仕事が多すぎて時間がない。一人ひとりに家族がいるのに、土日も含めて時間がとれない。地域内単身赴任だと先生は苦笑いしてた。

これでは、先生も日本の教育もsustainableではない。続けば続くほど、事態は悪化していくように感じる。

仕事が多いなかで授業の質を上げる対処法は、まず先生を増やすこと、ないしインセンティブとして給料をあげることではないか。しかし、先生を新たに雇用する予算も給料をあげることもできないらしい。できないならば、仕事減らすしかない。部活の担当を辞める、多々ある事務作業を簡易化するなどがありうる。現状は真逆に進んでいるようだ。仕事は増えているのに、先生は減って給料は変わらない。それでは先生の肉体も精神も破滅してしまう。

多分、私にはどうしようもない課題な気がする。そして、取り組むには重すぎて私にはできない。Norwayの学校運営を見ていると、これからも質はどんどんあがるし、先生方も幸せに暮らしていけるイメージがある。でも、日本においては先生の多大なる犠牲の上になりたっている。これでは、先生たちも先生になることを勧められないのではないか。

教育に関わる仕事は尊い。でも、それを先生の犠牲の上に成り立つ仕組みにしてはいけない。

まったく教育のプロでもないし、実態に詳しい訳でもありませんが、心から日本の高校の先生たちが、幸せに暮らし、かつ授業の質をあげることで高校生に素晴らしい教育を提供し続けることが可能な環境になってほしいと、ずっとNorwayの滞在以来思っています。

いいなと思ったら応援しよう!

柳澤龍
あなたも変わりものね!サポートは町のこどもたちの探究心を育むものに使います。ありがとう!