Report_11[NorwayStudyTour] -政策で国の形を描く|自動車とエネルギーの話-
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ベルゲン空港に深夜に到着し、タクシーでホテルに向かう。時差ボケと少しなまったノルウェー語に戸惑いながら、ノルウェーの車事情を聞いてみた。
ノルウェーでも日本車は人気。ベンツ、Audi、FiatとEUの自動車にならんで、日産、三菱、トヨタ、スバルと日本車もあった。タクシーはガソリン車だったけど、運転手の自家用車は日産のiLeaf。
「軽で小回りが聞いて、かつ充電も短いから街乗りに重宝しているよ。」
そう、ノルウェーでは電気自動車が大人気。理由は簡単で、政府が電気自動車を普及しているから。
例えば、ベンツがガソリン車と電気自動車で同じ車種を販売したとする。輸入前の販売価格で考えれば、電気自動車のほうが高い。でも、国の関税によって電気自動車のほうが安くなるくらいの傾斜をつけているらしい。それだったら安い電気自動車を買いますよね。自動車税も電気自動車には課税しないのでお得。なので、町中で走っている車の静かなこと。
エネルギー事情も面白い。産油国として知られるノルウェー。発電の主要エネルギーはもちろん火力?と思っていた。すると、99%が水力を中心とした再生可能エネルギーで賄っているとのこと。自らはエネルギーである石油を販売し、自国のエネルギーは水力で対応する。たしかにフィヨルドにはたくさんの水面下に設置した水力発電所があった。水に恵まれた土地だからできること。
訪問した高校でもたくさんの電気自動車があった。印象的だったのは、Fusa高校の校長がTeslaに乗っていたこと。ベルゲン市内でも何台ものTeslaに出会った。もうここまで普及しているんだって驚いた。
地域経営の観点からみて、ノルウェーは当たり前のことをやっている。地域を豊かにするには、出費を抑えて、入るものを増やすことだ。今まで、ガソリン車で使っていた石油を、海外で販売し、電気自動車のエネルギーは自国の再生可能エネルギーでまかなう。シンプルであり、インパクトがある方法だ。
日本に石油はでない。風力、太陽光、水力もろもろあるけど、人口が大きすぎて自然エネルギーだけではまだ対応できそうにない。蓄電などの技術が発展すれば状況は変わってくる。そのときに、日本も石油を買わない、海外にお金を出さない方向にシフトできたらいいなって思う。