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人工衛星

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人工衛星をめぐるルールを3分で解説しています。
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2019年9月の記事一覧

3分でわかる衛星同士の衝突回避



SpaceXの衛星とESA(欧州宇宙機関)の衛星が衝突しそうになったため、ESA側で衛星の回避行動をとったという記事です。

ESAの衛星はaeolusという気象衛星で、昨年8月に打ち上げられました。
一方、SpaceXの衛星はStarlinkという通信衛星で、今年の5月に打ち上げられた衛星群の一部です。Starlinkは1基で運用しているわけではなく、複数、具体的には計画ベースで12000基

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3分でわかるコスモス954事件

3分でわかるコスモス954事件



宇宙損害責任条約は本当に使われているのか人工衛星が地球上に落下した場合に備えたルールはいくつかあります。
しかし、そのようなルールが活用された事故はこれまで起きているのでしょうか?
今回は、宇宙損害責任条約が活用された唯一のケースであるコスモス954事件を取り上げます。

どんな事件か?ー放射能に汚染された人工衛星部品が散乱1978年1月24日、ソ連が登録する人工衛星「コスモス954」がカナダ

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3分でわかるIntelsat vs. OneWeb, Softbank



9月10日、アメリカの衛星事業者Intelsatが、同じくアメリカの衛星通信事業者OneWebとSoftBankを相手取り、ニューヨーク最高裁判所に訴訟を起こしたというニュースです。

Intelsatは、OneWebがIntelsatの機密情報を不適切に利用した等の主張をしており、損害賠償とOneWeb・SoftBankによる契約違反行為の差止めを求めています。

世界を代表する通信事業者と

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3分でわかるリモートセンシング原則



地形、気温の変化、氷河や石油タンクまで、広く地表の情報を取得することが可能な衛星リモートセンシングが注目されています。
日本では2017年11月に衛星リモセン法が施行され、リモセンデータの取扱いについてのルールが整備されました。
しかし、それよりもずっと前に、リモートセンシングの基本的な在り方について世界で議論され、ルールが作られています。

1986年に採択された「リモートセンシング原則」は

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