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感想『強運の持ち主』瀬尾まいこ
少し前に体調を崩した結果、本を読む元気が無くなってしまっていた最近。
また読みたいから、ライトなところから始めたいなーと思っていた時に出会ったのがこちら。
「背中をポンっと押してくれる」と書いてある帯にも惹かれて買ってみました。
あらすじ
占い師の主人公と4人の珍しいお客さんとの話。仕事とプライベートの悩みや葛藤に向き合いながら成長していく日常系ほのぼの話。
感想
瀬尾まいこさんの小説はちゃんと読んだことがなかったのですが、表現が柔らかくて優しい世界だなあと感じた。登場人物に嫌な人が出てこないのも、そういう世界観だからなのかも。
小説のタイトルが、「強運の持ち主」となってるのも意味ありげだなあと思う。運が強い=いいことがたくさんあるとか、宝くじに当たるとか、ラッキーなイメージが一般的だと思う。
だけれども、この本に出てくる「強運の持ち主」は、そのようなラッキーがない。むしろどこにでもいる平凡な感じで、日常がきらきらしているイメージとは程遠い。
運がいいから何もネガティブなことが起こらない!という捉え方もできそうだけど、私は自分次第 という意味に聞こえている。
主人公のアシストは、急いで結婚した方が占い結果的には運気がよいはずなのに、子どもの希望に沿って急いだ結婚をしない。また、強運なはずの主人公の彼氏は、物事が願ったように進まない。
主人公からしてみれば、運気が良ければより幸せなはず。なのに、あえて別の選択肢を取る人もいるし、強運なだけでは上手くいかない。
これって、結局その人の人生を切り開くのは自分の意思次第ってことなんじゃないだろうか?急いだ結婚よりも、子どもを尊重することが幸せだったり、運が良いからといって受け身で待ってても幸せになれなかったりすることじゃないだろうか?
と、思ったりした。
竹子さんの結婚、通道の話→決めるのは自分
小説は階段の上がるところの前後だけを取り出しがちだから、成長のスピードを早く感じる。
実際はもっとたくさんの時間を要することから、書かれていない主人公の生活を妄想すると楽しい。
たぶん、彼氏のトリッキーな料理に驚いてそう。