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Ryra Vineyard & Wines Vol.12 - 裏ラベルで表現する(2025.02)
法人を立ち上げてから4年。2024年秋に初めて製品化に十分な量のぶどうを収穫することができました。今後の製品化に向けてネーミングやラベルの検討を進めています。
私は常々「シャンパーニュとは違う、この地ならではのスパークリングワインをつくりたい」と言っています。
シャンパーニュは素晴らしいスパークリングワインを生み出す産地です。気候土壌が違うこの場所で、私たちは王者シャンパーニュと同じものをつくることはできません。また、もし多少似たようなものをつくれたとしても、私はそれに存在価値を感じません。
「シャンパーニュみたいで美味しい」ではなく、「シャンパーニュと全然違うけど美味しい」と言われるものをつくりたい。シャンパーニュの製造方法を単に真似るのではなく、自分たちの気候風土に向き合い、それを愛し、その良さを生かすためのやり方を模索していきたい。と思っています。
そのための取り組みの一つが、収穫を遅くし、ぶどう由来のフレーバーを最大限生かしたベースワイン(瓶内二次発酵前、泡をつける前のワイン)をつくることです。収穫量が制限された、しっかり熟したぶどうからつくる私たちのベースワインは、厚みがあり複雑で、特に後味に香りと余韻が続くものとなるはずです。そして、その味を、できるだけ余計な雑味をつけずにストレートに表現したい。イメージしているのは、ふくよかで丸みを帯びた、硬さがなく、味の途切れを全く感じさせないスパークリングワイン。心地よく喉を通り身体にしみこむようなスパークリングワインです。
その為に、もう一つ挑戦するのが、亜硫酸の添加量をできる限り少なくすること。酸化防止剤である亜硫酸は、ローマ時代からワインに使われていたと言われています。そして近代に入ってからはその働きが科学的に解明され、ワインにおける効果的な使用方法が確立。現在では亜硫酸はワイン造りに欠かせない添加物として、世界中で広く使用されています。亜硫酸を使う事で欠点臭の発生を抑え、奇麗で、テロワールや品種の特徴を明確に映し出すワインをつくることが容易になりました。しかし私は、現代醸造学をきちんと学び、高い技能を持ち合わせれば、亜硫酸はほとんど使わなくても高品質なスパークリングワインはつくれると考えています。頭の中で、つくり方、味わいのイメージが湧いているのです。昨年収穫した2024年産のワインでは、それを実践しています。
裏ラベルの、限られた文字数でどうやって私たちの想いと取り組みを伝えるかを考えました。下の画像が、現時点での案になります。日本語訳にすると、このようになります。
「このスパークリングワインは、厳選された、低収量のブドウを完熟期に収穫し、複雑で奥深いアロマを確かなものにしました。私たちのテロワールの真髄を表現するために、亜硫酸の使用を最小限に抑え、シャンパーニュで一般的な砂糖添加の最終工程(ドザージュ)を省きました。
これはシャンパーニュの模倣品ではありません。U.S.U.(Usuzan Sparkling wine Union)は、北海道の独自のテロワールを最大限に活かし、真に記憶に残る味わいを提供する“世界レベルのスパークリングワイン産地”をアジアで確立することを目指しています。」
挑戦は続きます。早ければ2026年のクリスマスに、Ryra Club(ファンディング支援者)の皆さんには一本目のワインを届けられるかもしれません。
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