「キッズ訴訟」全記録④議員協議会 R5.5
5月22日に開かれた議員協議会で、なとりスーパーキッズ育成事業について2回目の説明が行われました。
前回の指摘を受けて改めて検討した結果と、新しい案の概要が示されました。
まずは資料です。
資料1は個々の議員からの質疑に対し、議員協議会における答弁と対応案を表にまとめたものです。
資料2はドロップアウトプログラムについて。
資料3はメンタルケア体制について。
資料1では、私の質疑が4番と12番に記載されています。
障がい者からの応募にどう答えるのかについては、対応案として、パラスポーツの導入が将来的に可能かどうか調査・研究を進めるほか、教育委員会で策定予定の「スポーツ振興計画」の中で、障がい者のスポーツ振興について検討する予定と聞いている、と示されています。
やはり事業のスタート時点では、障害のある子どもは排除されるということです。
ドロップアウトプログラムとメンタルケア体制は、2番、3番、6番、7番、13番、15番の質疑に対する対応案として示されています。
もし事業を行うとすればそれらの対応が必要だとは思いますが、それ以前の重大な問題があるため、事業そのものに反対していることから、私はそのような質疑を行いませんでした。
資料2の内容をまとめておきます。
ドロップアウトプログラム
ステップ1 競技継続意思の確認
ステップ2 相談員によるきめ細かな相談
(必要に応じて)第三者による審査会の開催
ステップ3 途中退会
会派への説明では「第三者による審査会の開催」がステップ3となっていましたが、議員協議会では必要に応じてと変更されました。
メンタルケア体制について書かれた資料3は、会派への説明の資料と変更はないようです。
ただし、家族への支援体制は資料から削除されています。
議員協議会は午前9時58分に開始され、昼休みをはさんで午後1時38分に終了しました。
障害のある子どもへの対応については、資料で示された対応案で満足したわけではありません。
ただ、それだけにこだわってもいられないため、別の観点から質疑を行いました。
私の質疑の概要を以下にまとめます。
括弧内はこの原稿をまとめるに当たっての補足です。
なお「質疑」とは一般的に使われる「質問」のことです。
議員協議会は「質疑」をして答弁を求める場でありますが、「意見」や「要望」を述べることは認められていません。
「~した方がよい」「~してほしい」とは言えないルールです。
それが出来るのは年4回、本会議における一般質問だけです。
民間が主体となり行政が広報などで支援するなら理解できる。行政が主体となり民間が支援する形で誰が利益を得るのか(市民の利益にはつながらないのではないか)
全ての住民の幸せを底上げするのが行政の仕事であり、格差を埋めることが先ではないか
(教育長が発言した)ギフテッド教育には、本件事業は当たらないのではないか
特定の子どもにお金をかけて育成することで、学校の序列化や過度な競争が生じることにならないか
特定の子どもだけが特別なメンタルケアを受けられ、ほかの子どもは従来の最低限のケアしか受けられないことで、行政サービスに格差が生じるのではないか(いじめや不登校なども含めて、悩みを抱える全ての生徒がより高いケアを受けられる体制をつくるべき)
まるで地域おこし協力隊を子どもにさせるようなものではないか(子どもをプロモーションのようなことに利用すべきではない)
7月から募集を開始するのであれば、委託先の企業が決まっていなければ間に合わないのではないか(すでに決まっていることが疑われる)
ほとんどの住民にとって市のプロモーションは全く必要がない
包括連携協定か業務委託か、企業との連携の形態が見えない
一度スタートすれば、様々な支障が生じたとしても、簡単にやめることはできない
教育機関であっても、私立は別として、公立学校が子どもをオリンピックのために育成するなどということは相当慎重に行わなければならないはずなのに、市民の税金で、市外からの移住者に対し、行政が行うことが理解できない
途中退会は出来たとしても、デジタル上に公開された記録は完全に消去することは不可能であることから、税金を使ったことへの批判を恐れ、本当は退会したいのに出来ないということにならないか
なお、荒川洋平議員(その後県議会議員に選出)が重要な指摘をしています(51ページ)
選手(認定キッズのことと思われます)と本市との契約はどう考えているのか
これに対し執行部からは「取り決めについて募集の際に条件を示し、誓約書や契約書などに記載することで、お互いに勘違いのない形で進めたいと考えている」と答弁がありました。
このことは記憶しておいてください。
この段階での答弁では、到底議案として提出できるものではないと感じました。
違和感を持ったのが、1月の議員協議会で強く反発していた議員の一部が、この時には柔軟な姿勢に変化して見えたことです。
あくまで個人の感想ですが…
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