吉田 良(名取市議会議員)

仙台南高、東京音大卒業。県内の中・高等学校に勤務、平成26年まで学習塾経営。現在名取市…

吉田 良(名取市議会議員)

仙台南高、東京音大卒業。県内の中・高等学校に勤務、平成26年まで学習塾経営。現在名取市議会議員(3期)、仙台市・名取市広域行政協議会常任委員、名取市民合唱祭実行委員会顧問など。名取駅西口で朝よく見かける黄色いメガホンの人。著書に『神話は現代につながるのか』『日本列島修復論』

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「キッズ訴訟」全記録①目次

「なとりスーパーキッズ育成事業」をめぐって、市長に住民訴訟を提起することになりました。 ※令和6年(行ウ)第1号 公金支出等差止請求事件 調べた範囲ではこれまでに前例のない、法律の解釈をめぐる裁判です。 事業の内容、訴訟の争点はもとより、訴訟を起こす必要があったのか、訴訟を回避する方法はなかったのかなど、全記録を公開することで、多くの方に一緒に考えていただきたいと思います。 第1章 市の内部における争議 ① 目次 ② 議員協議会(令和5年1月) ③ 市長から会派への

    • 「キッズ訴訟」全記録Ⅱ④デジ田交付金の申請に係る事前相談

      デジ田交付金の申請について宮城県復興局からの助言は、主に電子メールで行われていたようです。 11月11日、名取市政策企画課から宮城復興局参事官に宛てて、次年度の地方創生推進交付金の申請に向けた相談を進めたい旨のメールが送られました。 このメールに添付されたという「事業概要の資料等」が、Ⅱ③で参事官から送付を求められた「別添資料」のことでしょう。 次に参事官から返信があったのが、12月8日と思われます。 この電子メールで、内閣府本府から宮城復興局へ送られたコメントを名取市と共

      • 「キッズ訴訟」全記録Ⅱ③デジ田交付金に係る打合せ

        令和4年11月9日、翌年度の「デジタル田園都市国家構想推進交付金(地方創生推進交付金)」に係る打合せが行われました。 名取市からはDX推進室、なとりの魅力創生課、政策企画課の職員が出席しました。 DX推進室は地域のDX化事業、なとりの魅力創生課はスーパーキッズ育成事業を所管する部署です。 政策企画課は、総合的なまちづくりに関する施策の企画立案や総合調整を行うほか、交付金申請手続きに係る業務を担当しています。 国からは、宮城復興局の職員が出席しました。 「東日本大震災からの復

        • 「キッズ訴訟」全記録Ⅱ②R4サマーレビュー

          キッズ事業は中堅職員研修において、本市職員が企画・立案した内容が優秀賞を受賞したのが始まりでした。 このことは大いに評価したいと思います。 研修のレポートには、東洋大学客員教授である講師からのコメントが寄せられています。 東北自治88号(全記録②)をご参照ください。 そこには、こう書かれています。 政策立案にあたって重要なことは、課題の発見と原因を把握することにあります。 本研修では、(略)一人では気づかない視点、多様で柔軟な発想、議論を通じての分析と政策作成へ昇華できるこ

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        「キッズ訴訟」全記録①目次

          「キッズ訴訟」全記録Ⅱ①名取市組織機構改革 H22~25

          これまでに「なとりスーパーキッズ育成事業」が事業化された経緯と内容の違法性、そして住民監査請求から住民訴訟へと進む過程について、説明してきました。 ここまでを第1章とし、住民訴訟における主張の応酬へと移る前に、これまでに行われた各種手続きを検証する第2章を書きたいと思います。 大きくは、名取市における組織機構の見直し、デジタル田園都市国家構想交付金の申請、そしてプロポーザルの審査についてです。 まずは組織機構の見直しについて見ることにします。 キッズ事業が違法であるとする理

          「キッズ訴訟」全記録Ⅱ①名取市組織機構改革 H22~25

          「キッズ訴訟」全記録⑪再度の監査請求

          住民監査請求が却下されたことで、次の手をどう打つべきか考えました。 監査請求の結果を受け入れて、キッズ事業は適法であると認めるのは、論外です。 今後、市長による職務権限の逸脱がますますエスカレートした場合にも、止める術がなくなってしまいます。 悪い前例を作ったことで、取り返しのつかないことになります。 市民にお詫びしても許されるものではありません。 このまま住民訴訟に進むことは可能です。 制度上、適法である監査請求を不適法であるとして却下された場合でも、請求人は適法な監査

          「キッズ訴訟」全記録⑪再度の監査請求

          「キッズ訴訟」全記録⑩令和5年度議会懇談会・住民監査請求却下

          名取市議会では毎年11月に、議会懇談会を開催しています。 議会懇談会は、名取市議会基本条例において、議会活動に関する説明責任を果たすとともに市民との意見交換を積極的に進めるため、毎年1回以上開催することが定められています。 議会懇談会の詳細は、議会運営委員会の委員で構成される実施委員会によって協議・決定されます。 令和5年度は、共通テーマとして、①なとりん号・なとりんくるについて、②なとりスーパーキッズ育成事業について、説明を行い質疑にお答えすることになりました。 ただしキッ

          「キッズ訴訟」全記録⑩令和5年度議会懇談会・住民監査請求却下

          「キッズ訴訟」全記録⑨住民監査請求

          地教行法が教育委員会と首長との職務権限を厳格に分けているのは、権力者である首長が地方教育行政に不当に介入することを防ぐためと考えられます。 教育の力は非常に大きなものです。 その大きな力を悪用して、自分の選挙を有利に戦おうとしたり、自分の政策を通すために世論をコントロールしようとする権力者の企みを封じるため、独立した行政機関である教育委員会に、教育に関する権限の多くを持たせました。 なお、戦後すぐに制度化された教育委員会は委員を公選制としたところ、首長と教育委員会の方向性の違

          「キッズ訴訟」全記録⑨住民監査請求

          「キッズ訴訟」全記録⑧質疑書に対する回答・優先交渉権者決定

          プロポーザル実施要領に「2.3 スケジュール(予定)」が示されています。 公告・実施要領の公表   8月23日 質疑書の受付期限     8月29日 質疑書に対する回答期限  9月 1日 参加申込書提出期限    9月 6日 参加資格確認通知     9月 8日 企画提案書提出期限    9月22日 プレゼンテーション審査会 9月29日 審査結果通知・公表   10月 2日 このスケジュールにも重大な問題があることについては、改めて検証したいと思います。 こ

          「キッズ訴訟」全記録⑧質疑書に対する回答・優先交渉権者決定

          「キッズ訴訟」全記録⑦業務委託プロポーザル実施要領公表

          キッズ事業の違法性に気づいたのは、9月定例会の一般質問を準備している8月のことでした。 9月定例会の招集予定日は9月6日と通知されていました。 招集が告示されるのが、その1週間前の8月30日となります。 一般質問通告の提出は、告示から翌日正午までというルールです。 宮城県のホームページで、令和5年度の全国学力・学習状況調査の報告書と集計結果が公表されたことを受け、9月定例会で児童生徒の学力向上について一般質問を行うべく、8月から資料を集めるなどの準備を進めていました。 8

          「キッズ訴訟」全記録⑦業務委託プロポーザル実施要領公表

          「キッズ訴訟」全記録⑥補正予算可決・予算執行留保の附帯決議否決

          6月定例会の最終日、6月21日となりました。 朝の時点で、附帯決議に賛成する議員は6名が確実となっており、5名から確認が取れていませんでした。 この5名が賛成すれば、附帯決議は可決します。 最後の望みを賭けて、交渉に当たりました。 3名からなる会派には、議員個人としてキッズ事業には反対だという声もありましたが、会派として賛成することに決まったと知らされました。 これで附帯決議が可決することはなくなりました。 しかし、2名の議長会派が反対の意思表示をすることが決まり、全部で8名

          「キッズ訴訟」全記録⑥補正予算可決・予算執行留保の附帯決議否決

          「キッズ訴訟」全記録⑤6月定例会開会・補正予算上程

          6月8日、名取市議会6月定例会が開会しました。 会期は、開会日から6月21日までの14日間に決定しました。 一般市政報告と、それ対する質疑が終わり、市長から議案提案理由の説明が行われました。 上程された「議案第56号 令和5年度名取市一般会計補正予算(第4号)」に、キッズ事業の予算が含まれています。 これら資料からだけでは、令和5年度にキッズ事業に充てられる正確な額は読み取れません。 事項別明細書13ページの地方創生事業、3,002万円の一部であることを読むのが精いっぱい

          「キッズ訴訟」全記録⑤6月定例会開会・補正予算上程

          「キッズ訴訟」全記録④議員協議会 R5.5

          5月22日に開かれた議員協議会で、なとりスーパーキッズ育成事業について2回目の説明が行われました。 前回の指摘を受けて改めて検討した結果と、新しい案の概要が示されました。 まずは資料です。 資料1は個々の議員からの質疑に対し、議員協議会における答弁と対応案を表にまとめたものです。 資料2はドロップアウトプログラムについて。 資料3はメンタルケア体制について。 資料1では、私の質疑が4番と12番に記載されています。 障がい者からの応募にどう答えるのかについては、対応案として

          「キッズ訴訟」全記録④議員協議会 R5.5

          「キッズ訴訟」全記録③市長から会派への説明

          4月25日、1月の議員協議会における懸案事項に対する説明が、市長から会派に対し行われました。 会派とは、政策を中心とした同一の理念を有する複数の議員が、議会活動を行うために結成する集団のことで、私が所属する「名和会」は4人で構成されます。 市長から会派への直接説明は、経験した限りではその例は少なく、任意の打ち合わせに位置づけられると思われます。 非公開で行われ、会議録も残されません。 したがって、公開するのは資料の内容のみとなります。 1 一般財源の軽減 地方創生交付金(

          「キッズ訴訟」全記録③市長から会派への説明

          「キッズ訴訟」全記録②議員協議会 R5.1

          令和5年1月12日、名取市議会議員協議会で、公式には初めて「なとりスーパーキッズ育成事業」について説明が行われました。 まずは、配布された資料です。 資料に基づいて説明が行われ、議員からの質疑に執行部が答弁します。 要点をまとめると 1 導入の背景と目的 令和3年度、東北六県中堅職員研修において企画・立案された事業で、本市における導入の可能性について職員から提案があった 名取市の総人口は増加傾向にあるが、年少人口及び生産年齢人口が計画値に対してマイナスの乖離が拡大傾

          「キッズ訴訟」全記録②議員協議会 R5.1