JERA脱炭素支援(5/22)
(要約)
発電大手JERAは使った電力が再生可能エネルギー由来かどうか判別するサービスを展開する。脱炭素に向けての取組を各企業が実施しているが、月や年単位の電力使用量からCO2排出量を計上しており、その電力の発電由来までは把握していない。再生可能エネルギーの大部分を占める太陽光発電は建設費が安いが、夜間発電が出来ない。夜間に電力を使用している場合、CO2排出量は昼に比べ最大2倍である。JERAが展開する本サービスは時間単位で発電側と利用側の電力の流れを見える化するシステムであり、再エネ由来の電力の使用や太陽光以外の再エネ発電(地熱や洋上風力)増進に寄与する。現状発電の70%は火力である。このうち20%が再エネで9%が太陽光。国際的に再エネ取組の強化は進んでおり、米Googleは20年に今後10年でオフィスやデータセンターで使用する電力を脱炭素電力だけで賄う方針を発表している。米マイクロソフトもデータセンターの使用電力を時間単位での算出する仕組みを本格導入している。
(考察)
素晴らしいシステムだと思う。脱炭素には発電方式のスイッチが必要だが、そもそもAIやEV、データセンターなど電力需要が高まっている。安定的に電力を生み出せるのは火力発電である為、脱炭素への取組は難しい局面にある。各社が取組む姿勢は良いが中身が伴ってない可能性がある。そこにメスを入れ、脱炭素への「姿勢」と「質」を高めていく。ペロブスカイト型太陽光と共に、JERAの本システムが国際的なモデルとなれば、日本は脱炭素産業の中心を担う事ができる。スピードを上げて国内へ展開する事を期待したい。