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「夢の実現への道――パイロットを選んだ理由と歩んだ道のり」

高校時代、文理選択の時期に差しかかり、将来について考え始めた僕に母親が言いました。
「自分の名前で世の中に勝負したら面白いよ」と。
しかし、進学校に入学した僕は燃え尽き症候群のような状態で自信を失っており、漠然とした不安だけが頭をよぎっていました。
そんな僕に母はさらに言いました。「会社員でもいいけど、だったら医者か弁護士かパイロットね」と。

選択肢を3つ提示されても、当時の僕にとって「これだ!」と思えるものは正直ありませんでした。医者はオペなどで患者の生死に向き合うのが仕事というイメージで、気が進まず、弁護士も人の暗い部分にフォーカスする仕事だと感じていたので選ぶ気になれませんでした。そんな中で唯一、パイロットという職業だけが「楽しそうだな」と感じられ、自然と「パイロット」を目指す道を選びました。消去法のような形ではあったものの、今ではあのときの決断が正しかったと確信しています。

大学に入学した僕は、「パイロットになる」という目標を強く意識し、毎日のように口に出して周りに話していました。何か本気で成し遂げたい夢があるなら、それを言葉にすることが大切だと感じます。
そのおかげで、ある日先輩が「お前、本気でパイロットを目指しているなら、話を聞いてみたら?」と、ある人を紹介してくれました。
その方は航空会社にパイロット枠で内定していた人で、通常では出会えないような人物でした。こうして、僕の夢は具体的な形を見せ始めました。



1. 夢を口に出すことで道が開ける

 パイロットという夢を追い始めたとき、僕が学んだ最初の教訓は「夢を口に出すことの大切さ」でした。どれほど大きな夢でも、周りに話すことでサポートしてくれる人が現れることがあります。僕も「パイロットになりたい」と宣言していたからこそ、先輩が航空業界に関する貴重なアドバイスや知識をくれる方を紹介してくれました。この方の助言やサポートがなければ、僕の夢はただの空想に終わっていたかもしれません。

 人は心の中にしまい込んでいる夢を応援することはできません。だからこそ、夢を周囲に話すことで、思わぬ形でサポートが得られる可能性が広がるのです。僕にとっても、「パイロットになる」という言葉を口にし続けていたことが、夢への道を開いてくれる大切な一歩となりました。

2. チャンスをつかむ準備と覚悟を持つ

 パイロットになるための情報を得て、夢への道筋が少しずつ見えてきましたが、紹介されたご縁だけでは夢を実現できません。夢を叶えるには、自分の努力と覚悟が欠かせません。

 多くの大学生が遊びやサークル活動に明け暮れる中、僕はパイロットになることだけに集中しました。友人からの誘いも断り、目標に向かって没頭する覚悟を持ちました。どんな大きな夢にも、誘惑に流されず、他の選択肢を選ばない強い意思が求められます。僕にとって、その覚悟こそが自分の夢を叶えるための欠かせない要素だったと感じています。

3. 諦めない努力が結果を変える

 訓練に入ってからは、想像を超える試練が待っていました。僕が入学したクラスは18人で、2年間の寮生活を通じて訓練を共にしましたが、全員が無事に卒業するのは稀です。厳しい訓練と、毎回の試験のプレッシャーの中で、2回不合格なら即退学というルールが重くのしかかりました。

 そんな環境で僕が学んだのは「諦めない強い意志」でした。同期18人全員で「絶対に全員で卒業しよう」と励まし合い、つらい時期も支え合いました。結果として僕たちのクラスは18人全員揃って卒業することができました。これを通して、「決して諦めない」という意志が、どれだけ大きな力を持つかを実感しました。


まとめ

 パイロットという夢を叶えるまでの道のりは平坦なものではありませんでしたが、この経験を通じて学んだのは、夢を実現するための3つのステップでした。まず「夢を口に出すこと」、次に「覚悟を持って準備すること」、そして「諦めないこと」。どんな目標にも困難はつきものですが、これらを意識して進むことで道は必ず拓けると信じています。

 僕の経験が、誰かの夢に向かうためのヒントやきっかけになれば嬉しいです。どんなに大きな目標でも、夢を持つ人ならば、同じステップを経て実現できると心から信じています。

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