アロマと香害
わたくし、アニマルアロマの講師などをしていたこともありまして。
アロマといっても使わないことを推奨するほうのアロマです。
猫にアロマは厳禁なので。
私は獣医師さんから、猫の解剖学的知見を踏まえた上で、アロマセラピーで使う精油が猫の肉体にどのような影響を及ぼすのか、を学びました。
ものすごく簡単に言うと、猫の肝臓は精油成分を分解できません。
毒素がそのまま蓄積され残り続けるということ。
犬や馬、人間は分解できます。
精油というのは化学物質なので、鼻から匂いを嗅いだだけでも香りの成分が血液に入って、肉体は薬を飲んだ時と同じように反応します。
猫にとっては毒と同じなのです。
ただ、どれくらいの量が蓄積されたら死に至るのかは、個体差が大きいです。
今のところ、猫を用いた動物実験はされていません。
現在動物実験は実施するのがものすごく厳しくなっています。
本当に必要な実験なのかどうか厳しく審査されます。
だけど猫の肝臓がどのような物質を分解できないのか、は分かっています。
そして精油はそれに該当します。
これを学んで私はすべての精油を捨てました。
よく聞くのが
「うちで扱ってる精油は新鮮で、添加物が含まれていないから飲んでも安全だし、猫にだって安心して使えます」
という言葉。
しかしちょっと考えてみてください。
「この原油は今ここから採掘したばかりでとても新鮮です。添加物ももちろん含まれていませんよ、採れたてですから。さあどうぞ召し上がれ!」
と言われたとして、あなたは原油を飲みますか…?
新鮮であること・添加物が含まれていないことと、飲めること・どんな動物種にも使えることは、決して決してイコールではありません。
精油は化学物質です。
時には希釈して体に塗ったりもできますが、飲む用に製造されたものではありません。
飲めるとしたらそれは精油ではありません。
加工された食品ということになるのだと思います。
売りたいだけの人たちが、こっちの健康お構い無しで売り付けようとしてくるので、私たちは充分見極めなければなりません。
私がアニマルアロマを学んだのは20年近く前。
その時、先生は
「精油成分を粉にする技術が開発された。
今後はとんでもない世の中になる」
とおっしゃっていました。
そして今、ありとあらゆる洗剤にその技術が活用され、香害という問題が起きています。
本当にとんでもない世の中になってしまいました。
人間でさえ、柔軟剤や洗剤の強い香りで具合が悪くなる人がいるのです。
人間よりも鼻が敏感な犬や猫にとってはどのような影響を及ぼすのか、少し考えてみたら分かるのではないかと思います。
実際、動物たちとコミュニケーションができる方で、そういった「香り」に苦しむ動物たちの声を聞いている方たちもいます。
動物とコミュニケーションが取れる、と言いながら、猫にもアロマを勧めているような人たちは色々な意味で要注意だと思います。