走り続けた先にあった答え
2022年11月8日
ソニックフロンティアが発売!
ソニックシリーズとしては、完全新作。
今までは、メガドライブ版等のリメイクや、ファンゲームのリマスター等で
2Dソニック(横スクロールで進むソニック)が好きな人は特に困っていない商品ラインナップだったが3Dソニック(奥行きがあるソニック)が好きな人には待望のソフトだったことに違いない。
公式のPVを見ると広大なフィールド!オープンワールド!謎解き!等「今まであった」と「今まで無かった」が融合した最高傑作になるだろう!
と考え予約した一人である。
がしかしプレイをすればするほど、ソニックが生み出す爽快感や清涼感からはかけ離れていってしまう作品となった。
「走り続けなければ、その“想い”には辿り着けない。」
その先にある答えを徒然なるままに書いていこうと思う。
※ゲームのネタバレが含まれています。
ゲームの概要
ソニックがなんやかんやあって降り立った島から物語は始まる。
はぐれてしまった仲間を、謎の声を頼りに持前のスピードと今までの
経験を活かして解決をする。
ソニックを知っている人であれば、「あ、この仕掛けは~」と気づく部分も多いだろう。
ゲームの流れとしては、
1:仲間を見つける。
2:各地に散らばった必要アイテムを集める。
3:中ボスを倒し特定アイテムをゲットする。
4:特定アイテムを使いステージを解放、ステージクリアをし、そこで得られるアイテムをゲットする。
5:ステージクリアで得たアイテムを必要数集めるとソニックの力を飛躍的に向上するアイテムをゲットする。
6:3~5を6回やる。
7:大ボスから5でゲットできるアイテムをゲットし、スーパーソニックとして大ボスを撃破する。
8:次の島へ行く。
・・・
これを見てどう感じるだろうか。
文章だけ見たら「なんかめんどくさそう。」と思うであろう。
実際その通りである。
面白かった所
広大なフィールドで爆走!
・・・上記に尽きる。
音速を越えるハリネズミ(ソニックのこと)を広大なフィールドで走る。 実際これだけで面白い。
経験者ではないけど、ミニ四駆は自分の家の小さいコースより、家じゃ到底やれないような大きいコースの方が楽しい理論と同じだと思う。
悲しいけれど本当にこれくらいしかフォローが出来ない。
こういう所がってある人は是非コメントを残してほしい。
面白くなかった所
1:キャラの扱いが雑
キャラクターの扱いがあまりにも雑すぎた点である。
今回出てきたキャラクターは、ソニック、テイルス、エミー、ナックルズ、エッグマン、セージとなる。
一番雑に感じたのは、テイルスである。
テイルスはソニックのように表立って活躍はしないが参謀であり、
強大な敵に対して必要な機械を作ったりとソニックシリーズには欠かせない重要なキャラクターとなる。
内向的な性格故、「自分はソニックみたいに強くない。」や「自分はだめな存在なんだ。」と思う所があったが、音速のヒーローソニックは、
「自分にしかやれないこと、できないことを突き詰めるべきだ。」と話をして解決をする。
のだが
この話はもう何回も前の作品からずっと言っており、
既に解決してる話なのである。
性格もリセットされるってどういうことなのか不明なのである。
例えば、仲間が連れ去られた所で記憶が失われているとか、
性格が成長する前のままになるとかなら百歩譲っていいのですが、
ナックルズやエミーのストーリーを見ていると記憶がリセットされていることはありませんでした。
ストーリー以前に、キャラクターの扱いが雑と感じた部分でした。
2:スキルが戦闘だけ
ゲームを進めていく上でモチベーションの支えとなるのがスキル。
今までちょっとめんどくさかったことが簡便化されたり(例えば、物を集めて弾薬等作る際に、必要数が少なくなったり自動で作られたり等)攻撃の方法が増えたりとマンネリ化を軽減する仕組みでもある。
のだが
移動のスピードや所持出来るリング(他ゲームで言えば体力)は、他の
アイテムで能力が上がるためスキルは全て戦闘関連になりました。
攻撃スキルは、攻撃ボタンと特定ボタンや、行動で攻撃方法を変化させるのだが、序盤で攻撃力が少し下がる代わりに、攻撃ボタン連打で自動でスキルが出せるオートコンボというスキルが手に入るので、敵の動きを見て行動や攻撃は必要無いのである。
もちろん中ボスを倒さないと特定アイテムがゲット出来ないので、必要なことであるのは間違い無いのだが、中ボスを倒すこと自体が、そもそも必要なアイテムをゲットするという理由だし、戦闘も中ボスくらいであれば戦わなくて良い選択肢も取れる。
例えば、特定スキルを使うことで今まで行けなかった道が開かれてアイテム収集が出来たり探索が出来たりするという方法でも良かったのではないか?と考えてしまう。
3:やってしまったミニゲーム
私は、ここを一番やらかしてしまったのではないかと思う。
ゲームの概要にて、ゲームの流れを説明したが、ストーリーの進行として、ミニゲームが必須の場面が出てくる。メタ的な考え方になるが、ゲームがあまりにも単調すぎて誰かが入れたんじゃないかなとか考えてしまう。最初の方は、ソニックを動かしてパズル要素があるゲームをするのだが、
2つ問題のミニゲームがある。
ピンボールと斑鳩だ。
ピンボールは、ソニックとの親和性が高く、メガドライブの時代からカジノをモチーフにして、球状になれるソニックを活かして、ピンボールみたいに動いたりする仕掛けがあったりするし、
さらに、ソニックを題材としたピンボールゲームが、
メガドライブとGBAにも出て発売している。
つまり、今回もピンボール自体がミニゲームとして出てきてもおかしくはないし、私自身も違和感は感じなかった。
がしかし
難易度がクリア必須にする割にはあまりにも高い。
左右のフリッパーと呼ばれる羽板を操作し、盤面上仕掛けに当たると得点を得ることができ、一定の得点を取って、最後画面上部にソニックを弾いてゲームクリアなのだが、一定の得点が500万点取らないといけない。
ゲーム性としては、盤面の仕掛けに連続して当てると、得点取得の倍率が上がりクリアをしやすくするというものなのだが、ミスをすると倍率が1倍になってしまう為、ゲーム初心者であればある程鬼畜な仕様なのだ。
2回ミスをしたら最初からやり直しになるのだが、正直どのように操作をしてもミスになってしまうということがある。
ピンボールゲームであれば、台揺らし(実際のピンボールゲームでも認められているテクニック)で球の軌道を変えて、自分にとって有利な場面を作ったり、ミスを回避するという方法があるのだが、実装はされていない。
単純に、左右のフリッパーを操作するだけで、
攻略サイトにも「運の要素が強い」と書かれる始末である。
ちなみに、得点に応じてボールの個数が増えることもない。
ゲームでのあるあるだが、ストーリーで必須のミニゲームであれば、
ノルマを下げて、クリアした後にチャレンジモードということで高得点を取れたらアイテムがゲットできるという風にすることが多いのだが、最初から500万点のノルマを課したのか、私には理解できなかった。
次に、斑鳩について説明したいと思う。
「ピンボールは聞いたことがあるけど斑鳩ってなんだよ。」と思う人が多いだろう。 こちらを見て欲しい。
そう、斑鳩とはシューティングゲームなのである。
動画を見ただけの人では、どんなゲームか分からないと思うので、
軽く説明だけさせてほしい。(知っている人は読み飛ばして下さい。)
1:プレイヤーが操作する戦闘機(自機)から弾を出して、敵戦闘機を倒すゲーム。
2:自機は、白色と黒色にいつでも変化することができ、相手の弾と自機が同じであれば、弾を吸収できる。(自機と敵の弾が異なればミスとなる。)
3:一定量相手の弾を吸収すると、画面上の敵戦闘機を全てに攻撃する特殊な弾が出せる。
上記が斑鳩の説明である。(スコアの事とか諸々は端折りました。)
んでもって、斑鳩のほぼそのまんまのゲームがミニゲームとしての登場しました。 私は度肝を抜かれました。 「え?斑鳩がなんでソニックのゲームに?」と
もちろんゲーム会社は別ですし、ピンボールみたいに親和性が高くて~みたいなことは一切ありません。
普通のシューティングゲームならまだしも、シューティングゲームの中でも
(良い意味で)異端とされている斑鳩を「相手の防衛プログラムが発動したからこっちも対抗するぜ!」って話で出していいゲームではない。
私の中で、3Dのアクションゲームで、ミニゲームとしてシューティングゲームが出てくる作品としては、キングダムハーツがパッと思い浮かぶ。
あれは、今いる世界から新しい世界へ行く為の移動手段なので、
ミニゲームであるが作業感は薄いし、オリジナルの自機が作れたり強くできたりとするので、クリア難易度も変えられるであろう。(それでも難しくて苦しめられた人もいると思うけど。)
私は、シューティングゲームが好きで、斑鳩も知っているので理解はできたが、爽快アクションのソニックを求めてお金出して買いました!からゲーム進行に必須でよくわからないシューティングゲームを出されたらどんな気持ちになるのか。斑鳩入れようぜ!って言った誰かには考えてほしいものだった。この記事を書く上で、攻略情報を参考にしていたのですが、高難易度でラスボスを倒すと真のラスボスと戦えるようです。
とても高難易度な斑鳩でした! 何考えてるんだよ。
4:後半の水増し感
今回のソニックの舞台は、スターフォール諸島である。
諸島というくらいなので、様々な島を走破していくのだが、
島の数は5つである。
1~3個目は、仲間を救出するのだが、4個目の島がとても面白く無い。
4個目の島だけは、ゲームの進行を無視して、アクションにてタワーと呼ばれる場所に上って行き、スイッチを押す。これを6回繰り返す。
この時点で制作予算が尽きたのか?と疑ってしまうくらい手抜きなのだ。
ただでさえ単調なアイテム集めと難しいがクリア必須のミニゲームをしている所で、ミニゲームすらない単調さのみを押し付けられるという苦行。
そして5個目の島は、今まで通りのゲーム進行になるのだが、必要アイテムの必要数がアホみたいに多い。
3個目の島では、80個アイテムが必要だったが5個目の島では190個必要となる。 本気で何を考えているのか分からない。
ただでさえ今まで単調だったアイテム集めも、190個がノルマとなると本当にうんざりとする。
一応、救済措置として、先ほど紹介しなかったミニゲームに釣りがある。
フィールドに散らばっている必要アイテムを集め、アイテムを餌に変えてタイミングよくボタンを押して、釣った獲物によってポイントが貰えてポイントに応じてアイテムと交換ができるものである。
この交換の中に190個集めないといけないアイテムがある。
今までは、やらなくても良いくらい必要アイテムが集まったが、この5個目の島だけは全力で釣りをして、アイテム交換を行った。
(ちなみに、もしもこの救済措置が無ければ初めてやったゲームは、セガサターンのソニックジャムで、ソニックが好きで好きで仕方がないこの私でもクソゲーとして認定し、ソニックのゲームの歴史から記憶を抹消しようと考えました。)
感想
過激派なオタクで申し訳ないのだが、私は、ソニックシリーズとして肩を並べるには実力不足と感じる。
「ソニックフロンティアのPV見たんだけどソニックって面白そうだよね!買おうかな?」って言われたら、両肩を掴んで絶対やめた方が良いと言い、コスパを重視するのではあればセールで1000円台になるソニックフォースや値段をそこまで気にしないのであれば、最近リマスターされたソニックカラーズをオススメしてしまう。
ソニックが好きで実際にゲームクリアまでプレイして、シリーズ最新作を勧めることが出来ないことがどれだけ辛くてどれだけ悲しいことか企画や開発に対して大きく叫びたい。
と思ったその矢先、モンスターハンターとのコラボでスキンを解放して肉焼きができる!みたいな情報も出た。 それが出来るならゲーム内でスキンのシステムを作って水中に有利~とか体力が低くなるけどスピードが上がるとか色々やれただろ。と叫んでしまった。
また、ソニックフロンティアは広報にもかなり力を入れていてVtuberコラボ(特典がむしろVtuberファン向けみたいなのがある)やコアなSEGAネタが有名なアニメの異世界おじさんとの案件動画がある。
そんだけ広報に力を入れるなら(以下ゲーム内容をちゃんとして欲しいという叫び)
過去の作品のリマスターも悪くはないが、アニメや漫画の展開もしないソニックにおいては、やはり新作を出してほしいというのがファンの心理だ。
「前回はここに行ってこんな冒険をしたな~次はどんな場所でどんな冒険をするんだろう。」とワクワクとした気持ちを持っていきたいのだが、今回の一件で、ソニック作品に手が伸びにくくなった。
もちろん今回以外でも、ソニックと名前が付く作品には失敗作もある。
しかし、最初はとても面白そうだけど段々とつまらなくなっていく。
案件動画やプレイ動画を見ても「面白そう!後は自分でプレイしたから動画を見るのをやめて買ってプレイしよう!」って思うと掴まされるのは爽快感が炭酸が完全に抜けきったサイダーを作るのは、ある意味ではプレイ動画でゲームの売り上げが左右される昨今、商売は上手いが信用は急転直下なのはいかがなものだろうか。
次の新作が出るかは分からないが、次回の作品は、今回のような内容を繰り返さないでほしいという祈りを込めて、筆を置きたいと思う。
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