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ジャニーズ問題には別の加害者がいる
私はジャニーズ問題が表面化して以降、加害責任があるのは、ジャニーズ事務所だけではないことに触れてきた。
10月2日記者会見の中身
10月2日、かねてから予定されていたジャニーズ事務所の記者会見が行われ、被害者救済に向けて今後賠償をどうするか?現役タレントの救済をどうするか?経営陣の今後は?などの点で、現時点の方向性が示された。
具体的には、社名変更と代表者の中身くらいしかなく、300名以上参加した各社の記者は、藤島ジュリー氏が同席してない理由や、性加害の中身について追求を繰り返した。
正直に言って、ジャニーズ側が提供できる中身は、現時点では限界があり、それは何度聞き直しても同じことの繰り返しになるだろう。にも関わらず、記者からの質問は決まっていないことを繰り返し聞いたり、散漫な中身に終始した。
その中で話題になったのが、当てられてもいないのに、特定の記者が記者会見で申し合わせたルールを無視した大声での質問を繰り返し、時に怒号が飛び交う会見の場になったことだ。そのような記者に対してジャニーズ側から、注意喚起すると、参加した記者から拍手が起こるなど、異様な雰囲気であった。しかし、参加した記者にしても、申し合わせのルールを無視して好き勝手に大声で詰問する姿勢に辟易していたのも事実だろう。
問題になったのは、政府の官房長官会見で名を馳せた東京新聞の望月衣塑子記者と、Arc Timesの尾形記者のように、申し合わせのルールを無視して大声を張り上げて、さも真相を追求する姿勢のやってる感を見せているところ。
ああやってテレビが入っているところで、大声を張り上げれば、見てる人が、あの人たち、凄い!とでも思うと思ったのだろうか?それなら、今回の問題が浮き彫りになる前から、ジャニーズ問題を追求してたのか?反論できない相手には強気に出るだけなんじゃないのか?と思われても仕方ない。
特にジャニーズによって利益を得てきたNHKをはじめとする地上波キー局の歯切れが悪いのは、自分たちにも加害責任があると自覚しているからだ。
そうではないメディアなら、やってる感満載の追求をしても良いと思っているのだろうか?そうではないだろう。
確かに加害責任の追求は大事だ。世界的にショッキングなニュースとして広がっている事件であり、加えて被害がどこまで拡大するか、まるで先が見えない状況だ。
ジャニーズ側に被害者だと名乗り出ただけで既に450人に上り、ジャニーズが金を渡して口封じをした相手も含めると、どれだけの規模になるか、分からない。
その事件の実態解明を行うことと、記者会見のルールを無視してその場だけやってる感を出すことは、まるで違う問題だ。
頭の悪い記者が騒ぐことが、実は問題の本質を見失わせる可能性もある。
それはジャニーズとジャニーズを擁護する側にとっての、援護射撃でしかない。
当事者を置き去りにするマスコミ
また、被害を訴えている側は、記者会見の場で名前を売りたいだけの記者に騒がせることが目的ではなく、きちんとした形での賠償を求めているに過ぎず、被害者側への配慮も欠けたやり方だった。
本当に実態解明をしたいなら、賠償の問題よりも、刑事告発すべきだろう。
新聞記者は報道に携わる立場だが、警察でもなければ検察でも裁判所でもない。被害者救済を優先するなら、むしろ当事者の会を積極的に取材すべきではないだろうか?
現状では刑事告発もされておらず、おそらく民事訴訟も行われていないだろう。被害者の会はどこまでもジャニーズ側の姿勢に着目しており、仮に当事者の会がその進捗状況やジャニーズ側が提示する賠償条件が噛み合わなければ、民事訴訟の可能性もある。ただ、繰り返すが裁判に持ち込むと長期にわたることも考えられ、それは当事者の会も決して望んではいないだろう。
事実、当事者の会副代表の石丸氏は、現在のところジャニーズ側の対応を評価しているように見える。
これらは当事者間の問題とも言え、マスコミがその中身を追求するには時期尚早だ。
むしろ今の段階でマスコミが追求すべきは、もう一方の加害責任があるメディアであるだろう。
ジャニーズ問題の加害者
表題の通り、風の噂でジャニーズには性加害問題が存在していることを認識しながら、ジャニーズタレントを使い続け、一部マスコミを除き、そのほとんどはジャニーズの性加害問題を追求してこなかった。それを「知らなかった」とか「事実確認ができないから」と言う理由で不問にし、ジャニーズタレントを使い続けることで、性加害が続いてきたことは、メディア側がもう一方の加害責任を有していると断罪されても言い訳できない。
これは噂の域を出ないが、ジャニーズはメディアに圧力をかけ、タレントを起用させないことを繰り返していたという。それでも放送法に準拠して公共性、公平性を担保する報道をすべきが地上波の役割であるに関わらず、地上波各局はそれを怠ってきたし、それは新聞各社もそうだろう。つまり、偽りのジャニーズの世界をメディアが加担して作り上げてきたのだ。少なくともその点に間違いがあるとは言えないだろう。
そして、これを加害責任とまでは言わないが、ジャニーズには熱狂的なファンが存在する。現在の騒ぎの中で、現役のタレントを擁護し、今のジャニーズ事務所に罪は無いと擁護する人たちだ。これらの人たちは問題の本質とその根深さを理解していない。
今、社会が問題視しているのは、明らかに事実であるジャニー喜多川氏の性加害を、まるで知らぬぞんぜぬで通してきた日本の芸能界に関わる闇の部分なのだ。ファンは個人の好みやタレントを擁護したい気持ちは分かるが、一方で、世界にも例を見ない性加害事件を引き起こした事務所に対して、どう日本社会が落とし前をつけるのか?が問われているのである。
そして、その加害責任はジャニー喜多川氏本人や藤島メリー氏、藤島ジュリー氏のみならず、ジャニーズ事務所全体の責任が追求されているのであり、噂レベルとは言え、その真相を追求することなく、国民の財産である電波に乗せてジャニーズタレントを起用し続け、ジャニーズ事務所を儲けさせてきたメディアの責任が問われているのである。
ジャニーズが作り上げてきた日本の男性アイドル界の功績を評価したとしても、性加害問題はそれらを否定して余りある大事件なのだ。
その意味で、今般の記者会見に見られるように、あたかもジャニーズ事務所ひとりを悪者に仕立て上げようとするメディアの姿勢こそが、本来、問われるべき問題だ。
こういった事件の場合、ジャニーズのタレントに罪はないと言う「お可哀想論」が出るのは容易に想像がつくが、その感情論とジャニーズ事務所が起こした罪、それを放置して知らん顔をしてジャニーズタレントを起用し続けてきたメディアの責任は、感情論を度外視するほどの重みがあることを、ジャニーズ擁護派は自覚すべきだ。
そしてここが最も重要なのだが、先に例を揚げた望月衣塑子記者が所属する東京新聞が、まるで状況証拠を作るかのような弁明のコメントを出したが、それで望月記者が追求していることの免罪符になるとは言えないだろう。
百歩譲って、東京新聞がマスコミの矜持としてこれまでの姿勢を反省すると言うなら、ジャニーズ事務所の今後を担う人たちを糾弾する前に、もう一方の加害責任があるメディアを糾弾すべきなのだ。
それをマスコミ自身が行うことが、同様の問題を再び起こさない為の責任の果たし方、ケジメの付け方と言えるのではないだろうか?
マスコミを動かしたのはガーシーとBBC
それは当然だが東京新聞に限った話ではない。
社会問題を追求するマスコミ全般に言えることであり、この問題を本当に重大な問題だと捉えるなら、ジャニーズ事務所が行なっているような記者会見を、少なくとも地上波のキー局全てに対して行うよう要請すべきなのだ。
中でも大きな責任があると言えるのがNHKだ。
国民がスポンサーであるNHKこそが、真っ先にこの問題を取材し、取り上げ、NHKがこれまでジャニーズのタレントを起用してきたことへの責任を、受信料を払っている全ての国民に対して果たすべきだ。
何故、ここまで地上波テレビ局を問題視するかは、地上波が持つ公益性、公共性、公平性の観点が全てと言っていい。これまでも再三、問題視されてきた放送法第四条に起因する、地上波電波の持つ重大さへの認識の問題なのだ。
地上波は放送を一方的に発信する以上、情報が一方通行になる。つまり、提供する情報が一方通行であるからこそ、そこに公益性、公共性、公平性が求められる。仮にNHKをはじめとする地上波キー局が、自身の自己都合で発信する情報を選択しているとすれば、それは重大な放送法違反なのだ。
ジャニーズ問題を皮切りに政府に問題意識を追求し、放送法自体の改正にまで踏み込むとするなら、追求すべきはそこにある。
つまり、今、マスコミがやるべきはジャニーズを起用し続けてきたメディアへの責任追求と、放送法改正に踏み込むことだ。
そして、その2点の核心にいるのが総務省とNHKだ。これははっきりしすぎるほどはっきりしている。
いみじくもその2点を浮き彫りにしたのが、NHKから国民を守る党から出馬したガーシー前参議院議員だった。彼は犯した罪への反省の日々を送っているが、彼が先鞭をつけたこの問題は、それ以前から取材を続けていたBBCの功績と合わせ、日本社会に日本の芸能界が抱える最も闇の部分に光を当てたと言っていい。これは紛れもない事実だ。
そして、問題の本質を深掘りすればするほど、NHKが持つ地上波利権の根幹である放送法にまで踏み込まなければならない問題であり、国会議員が追求するとするなら、放送法を所轄する総務省であり、NHK自身だ。
この2点を突きつけられているのが、ジャニーズ問題の本質ではないだろうか?