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「伝える伝道」から「伝わる伝道」へ


浄土真宗本願寺派では近年、「伝える伝道」から「伝わる伝道」への転換が示されるようになりました。宗報2021年10月号にはこのように記されています。

浄土真宗本願寺派総合研究所では、現代伝道のあり方について調査・研究を行っています。2017年・2018年に実施された「浄土真宗に関する実態把握調査」(真宗教団連合)によれば、浄土真宗で重要な言葉の認知度や理解度が低く、知っていたとしても誤って認識している場合があるという厳しい結果が示されています。特に将来を担う若い世代への伝道に大きな課題があるということができます。宗門では、2023(令和5)年に親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要をお迎えいたします。このご縁を前に、より多くの方にみ教えを届けるためにも、「伝える伝道」から「伝わる伝道」へと本質的に転換し、親鸞聖人のみ教えを正しく、わかりやすく、ありがたく伝えることが求められています。

以下、宗派が示した実例を紹介します。

インスタグラムによる伝わる伝道

インスタグラムでは、2020年8月より「伝わる伝道」の具体的取り組みの一つとしてスタートしました。当時の総長、総合研究所の所長、勧学和上方が先頭に立って実例を示しています。

浄土真宗本願寺派(西本願寺)公式インスタグラム on Instagram: ". 「ご縁の中の私」 皆さん、頭に一つの円を浮かべてください。その中心に私を置きます。そして、円周をさまざまなご縁だと考えてみてください。 私たちは、常に自分を中心に、自分の方から円周の方を見ているわけですが、この方向性というのは逆ではないかと思います。私の方からのご縁という方向ではなくて、ご縁が先にあって、さまざまなご縁によって私という存在があるということです。 すべてのものに支えられて生きている、ご縁によって生かされている、そういう方向性に気付かせていただきながら、お互いご縁を大切に生きてまいりたいと思います。 話し手:大田利生(浄土真宗本願寺派 勧学) Surrounded by go-en Imagine a circle with yourself in the center. Then consider the circumference of this circle as the incidents you have encountered or experienced. They are called go-en, or ‘causes and conditions,’ in Buddhist context. Normally, we tend to see ourselves in the center of things, but the way of viewing them may be incorrect. The direction of seeing things should be reversed, because we exist as a result of various causes and conditions. We are enabled to be here now due to the countless elements that allow us to be, and we should awaken to this truth. Let us cherish every encounter and live with appreciation for them. #浄土真宗本願寺派 #西本願寺 #南無阿弥陀仏 #親鸞 #京都 #世界遺産 #法話 #仏教メッセージ #ご縁の中の私 #大田利生 #縁 #方向性が逆 #支えられて生きている #jodoshinshuhongwanji_ha #nishihongwanji #Kyoto #worldheritage #kyototemple #kyotophoto #Surrounded_by_go_en" 809 likes, 0 comments - nishi.hongwanji on July 14, 2023: ". www.instagram.com
浄土真宗本願寺派(西本願寺)公式インスタグラム on Instagram: ".                                            明けましておめでとうございます。 ウクライナやパレスチナなど、世界の各地で紛争が続いています。 さらに、地震や大規模火災などの災害も発生し、多くの方が被害にあわれ、苦しみの中におられます。 私たち一人ひとりの力は微力ですが、「世のなか安穏なれ」の願いの下、すべての人が、心豊かに生きることのできる社会の実現に向け、歩んでまいりたいと思います。 (浄土真宗本願寺派 総長 池田行信) I wish you a happy new year.  Wars continue to take place throughout the world in regions including Ukraine and Palestine. Furthermore, disasters such as earthquakes and wildfires have also brought about calamities causing suffering. Although individually each one of us can only play a small part, together, let us wish for “peace and tranquility to prevail throughout the world” and take a step towards the realization of a society in which everyone is able to live life to the utmost. (Governor General IKEDA Gyoshin, Jodo Shinshu Hongwanji-ha) #浄土真宗本願寺派 #西本願寺 #南無阿弥陀仏 #親鸞 #京都 #世界遺産 #法話 #仏教メッセージ #西本願寺より新年のごあいさつ #浄土真宗本願寺派総長 #池田行信 #世の中安穏なれ #jodoshinshuhongwanji_ha #nishihongwanji #Kyoto #worldheritage #kyototemple #kyotophoto #peace_and_tranquility_to_prevail_throughout_the_world" 1,137 likes, 0 comments - nishi.hongwanji on December 31, 202 www.instagram.com

メッセージポスターによる伝わる伝道

2020年、コロナウィルスの感染拡大に伴いメッセージポスターが発表されました。「新しい領解文」と類似する言葉が出てきます。

2020年5月1日
2020年6月1日
2020年7月1日
2020年8月1日
2020年11月27日

唱和推奨の文章による伝わる伝道

2018年11月23日「私たちのちかい」
2021年4月15日「浄土真宗のみ教え」
2023年1月16日「新しい領解文」

書籍による伝わる伝道

2023年3月21日
2023年4月20日

-番外-

2023年3月2日 安永雄彦執行長監修

「手書きでなぞる『歎異抄』/高森顕徹著」(2019年発行)と同じコンセプトの書を後追いで出版し、内容にも本願寺派では聞き慣れない高森氏(親鸞会会長)が多用する言葉「絶対の幸福者」を使用していることから各所で疑問の声が上がっている。


実態把握調査(真宗教団連合)

「伝わる伝道」のキッカケにもなっている実態把握調査は、2017年と2018年の2回行われました。当時の真宗教団連合理事長は石上智康氏です。2018年の調査ではオリジナル設問に「浄土真宗の救いのよろこび」が調査されており、全8ページにわたって取り上げられています。その翌年に「浄土真宗の救いのよろこび」が「拝読 浄土真宗のみ教え」から削除されました。

この調査はどこが主導で行ったのか。なぜ本願寺派に限った設問に大きく紙面を割いたのか。実態を把握する以外の目的があったのではないか。いずれ調査委員会が設けられた折には、このあたりをしっかりと調査する必要があると思います。


伝わる伝道の研究と実践プロジェクトチーム

伝わる伝道の研究と実践プロジェクトチーム設置条例
令和4年3月30日 宗達第4号
(設置)
第1条 宗務部門組織規程(平成24年宗則第12号)第39条の規定に基づき、時代に即応した実効性のある宗務を推進するうえで、時代の状況や人びとの意識に応じた伝道方法についての研究と実践を行い、「伝える伝道」から「伝わる伝道」へと本質的な転換を図るため、伝わる伝道の研究と実践プロジェクトチーム(以下「プロジェクトチーム」という。)を設置する。
(所掌事項)
第2条 プロジェクトチームは、次の各号に掲げる事項をつかさどる。
一 現代人に他力念仏と信心の行者の生き方が伝わる教学の構築に関すること。
二 「伝わる言葉」の創出に関すること。
三 電子データ、印刷物、掲示物その他の発信手段を利用した「伝わる言葉」の発信に関すること。
四 伝統的布教方法のさらなる深化と時代に即応した新たな布教方法の確立に関すること。
五 「伝わる伝道」推進のための外部専門家との協働及び人材育成に関すること。
六 「伝わる伝道」推進に関する現場調査に関すること。
七 前各号のほか、「伝わる伝道」に必要なこと。
(組織)
第3条 プロジェクトチームは、統括責任者及び実務統括各1人並びにメンバー若干人で組織する。
2 統括責任者は、浄土真宗本願寺派総合研究所副所長のうちから総長が指名する者をもって充て、プロジェクトチームを代表し、その業務を統理する。
3 実務統括は、浄土真宗本願寺派総合研究所の研究職員のうちから総長が指名する者をもって充て、統括責任者の指示に従い、所掌事項の推進にかかる実務を分掌する。
4 メンバーは、専門的知識を有する者及び学識経験のある者のうちから総長が委嘱する。
5 メンバーの任期は、2会計年度とし、再任されることができる。
(顧問)
第4条 プロジェクトチームに、顧問1人を置く。
2 顧問は、浄土真宗本願寺派総合研究所所長をもって充て、「伝わる伝道」の推進に必要な助言を行うものとする。
(ワーキングチーム)
第5条 プロジェクトチームに、必要に応じて、ワーキングチームを置くことができる。
2 ワーキングチームは、統括責任者及び実務統括並びにメンバーのうちから統括責任者が指名した者をもって組織する。
(意見の聴取)
第6条 プロジェクトチーム及びワーキングチームは、必要に応じて、専門的知識を有する者その他宗務関係者を招致し、意見を聴取することができる。
(事務所管)
第7条 プロジェクトチームに関する事務は、統合企画室及び浄土真宗本願寺派総合研究所の共管とする。
(補則)
第8条 この宗達の施行について必要な事項は、総局が定める。
附則
1 この宗達は、令和4年4月1日から施行する。
2 前項の規定にかかわらず、総局は、あらかじめ必要な準備措置を講じることができるものとする。

伝わる伝道の研究と実践プロジェクトチーム設置条例

2021年より、ひきたよしあき氏がプロジェクトチームに参加

統括責任者は満井秀城氏

宗報2022年6月号



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