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宗派について

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浄土真宗本願寺派の動き
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教学者懇談会(仮称)設置案

『新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)』に対する総局の対応に関して、1月17日の宗門総合振興計画推進会議において、『新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)に関する教学者懇談会(仮称)設置』が提案されたと中外日報に掲載されています。仏教学、真宗学の有識者から学問的、専門的知見を得るための懇談会としていますが、総長不在の会議でもあり内容への疑義も多く早々に撤回されました。 発布から2年が過ぎ、宗門校や得度習礼をはじめ内部ではかなり常態化されている中、知見を得るとはどういうことなの

総長年頭挨拶、新領解文の話し合い解決を示唆

2025年1月1日、本願寺のホームページには池田行信総長による年頭挨拶が公開されています。そこには以下のように「新しい領解文」に関することが記されています。 池田行信総長は、以前2023年5月から2024年3月までの9ヵ月間総長をつとめていました。その頃の対応は、2023年8月、宗会各会派の会長・幹事会による「混乱を収束をするように」との申し入れを退け、同年10月、宗会運営委員会にて事態を打開する必要があると決議され、園城義孝議長が池田行信総長へ申し入れも総長及び総局は全く

総局の学習会報告

11月20日の宗門総合振興計画推進会議において、学習会の取りまとめが報告されたと中外日報に報じられました。学習会での質問や意見は951件で、肯定的な意見は16件とした上で、今後も理解が深まるように努めていくと総括しました。 総局が示す「理解を深める」とは、法規上、撤回・取下げ・修正は出来ないということの理解を促し、丁寧に説明を聞けば「新しい領解文」に込められたご門主の願いや方向性がわかるはずという2点です。 「新しい領解文」が発布されてもうすぐ2年が経ちます。勧学解説を発

第32回宗門総合振興計画推進会議に関して

奈良教区宗会議員の西光義秀です。 10月18日に「第32回宗門総合振興計画推進会議」がありました。宗会議員全員と本願寺評議会評議員全員および宗派、本願寺、築地本願寺それぞれの関係職員が出席する会議です。諸事項の報告とそれに対する質疑応答はありますが、何かを決める会議ではありません。 開会は10時。終了予定時間は16時でしたが、実際の終了は18時でした。 報告事項 ①850および800年の慶讃法要の総括 ②ビハーラ総合施設の運営状況について ③宗門総合振興計画推進事

得度習礼における暗唱と唱和についての総局見解

現在、得度習礼では願書受理の時に「新しい領解文」を暗唱してくることの通知が届き、再度、入所の20日前に暗唱と課題について通知があるそうです。得度には僧侶となり度牒(得度の証明書)をいただく「得度式」と、それに向けて研修する「得度習礼」がセットです。「得度式」は本願寺の担当のため総局は関与できないとし、宗派が担当する「得度習礼」は、得度式の内容に合わせて研修するというのがこれまでの見解です。 9月10日~11日の「九州組長研修協議会」において、質疑応答で得度に関する質問があり

「新しい領解文」の現在

2023年に発布されたご消息「新しい領解文」は、全寺院100%の推進を掲げていましたが、この1年の騒動を受けて、総局は2024年の基本方針から100%唱和を撤回しました。それによって、この問題が終わったとみる人たちがいます。当会へも、「100%唱和推進が取り下げられたのに、どうしてまだ批判してるの?」という声が入ってきます。そこで、改めて「新しい領解文」の現在と、この問題の根深さを共有します。こちらで把握している限りになりますので、他に詳しくご存じの方や体験談がありましたら情

混乱の原因

総局をはじめ、「八五倶楽部」と「誓真会」の方々に、一部事実誤認しているという情報が入ってきます。 いわく、現在の混乱の原因は、「勧学・司教有志の会」が声明を出したことによって各地に広がっていったという認識です。情報提供をいただいた組報で某議員はこのように記されていました。 有志の会が扇動したごとくの表現になっていますが、実際はどうであったのか改めて発布当時の出来事を時系列で確認します。 1/16 ご消息発布 1/17 [宗派]宗務所の朝礼で唱和がスタート 1/23 [宗

ご消息発布時の宗会だより

第6号宗会だより(2023年3月発行)によると、ご消息発布の年に「新しい領解文」に関する通告質問をしたのは7名でした。翌2024年の宗会ではそれに関する質問は13名です。今年の宗会だよりはこちらをご覧ください。 本来、「宗会会議規則」の第79条の3「議事録は、印刷して、議員及び関係者に配布し、一般に公開する。」とあるとおり、議事録を公開・共有されていれば宗会の様子は伺えるのですが、いまだ2023年の宗会議事録は各別院等に届いておらず、それどころか、某別院に問い合わせたところ

「新しい領解文」に対する宗会議員の反応

今年、任期満了に伴い年内に宗会議員選挙が行われます。改めて、本願寺派の宗務を担う宗会議員の「新しい領解文」に対する反応を振り返ります。 唱和推進の慎重性を求める請願書「新しい領解文」に対する各議員の対応の有り様が見られるようになったのは、2023年3月において「唱和推進の慎重性を求める請願書」を採択するか否かの採決がなされた時です。この時、請願書に賛成したのは、僧侶議員14名、門徒議員3名の計17名。反対は僧侶議員30名、門徒議員27名の計57名。圧倒的多数で請願書は否決さ

組織内の見えない悲痛

当会には、本願寺につとめる職員(宗務員)や宗門校の関係者などから時折り匿名のメールが届きます。中でも、宗務員からは職場の環境悪化に対する嘆きの声が絶えず、様々な問題のしわ寄せに苦しんでいる様子が伺えます。 昨年度の宗会では、松野尾議員がこのような通告質問をされています。 宗務所の労働環境悪化について/松野尾慈音議員 令和2年度から持続可能な組織として、5年間で90人の宗務所員削減は順調ですが、令和4年8月労働基準監督署の査察で、残業手当未払いの指摘があり、3千万円余の人

第7号宗会だより

第7号宗会だよりに第323回定期宗会の通告質問が掲載されています。ここでは、「新しい領解文」に関する質問を抜粋して転載します。一部宗会議員の報告書も添付しました。宗会だよりは発行側の要約なので合わせてご確認ください。全文は末尾のPDFよりご覧ください。 第7号2024年3月発行 宗会だより ※「通告質問ダイジェスト」より新領解文の問答を抜粋 那須英信議員(備後・八五倶楽部) ①勧学寮と学階有階者の関係性 ②現況の解決策 問  ①新しい「領解文」発布には勧学寮の同意もされ

「伝える伝道」から「伝わる伝道」へ

浄土真宗本願寺派では近年、「伝える伝道」から「伝わる伝道」への転換が示されるようになりました。2020年3月の定期宗会にて、石上智康総長が執務方針演説でこのように述べています。 また、宗報2021年10月号にはこのように記されています。 以下、宗派が示した実例を紹介します。 SNSによる伝わる伝道インスタグラムでは、2020年8月より「伝わる伝道」の具体的取り組みの一つとしてスタートしました。当時の総長や総合研究所所長、勧学和上方が先頭に立って実例を示しています。

定期宗会報告/渡邊幸司議員

渡邉幸司通告質問新しい「領解文」について  新しい「領解文」が発布されて後、わが宗門は大変な混乱に陥りました。それは、これまで私たちが大切にしてきた他力のお救いが、覆い隠されるのではないかという不安からおこったものでした。これまではご消息が発布されたら、解説書の発行や学習会を開催するという手続きではなくて、各教区において布教使がそのお心をお話しするという場が持たれていたと記憶しております。なぜこの度はそのような流れを経ずに、今までとは違う、「解説」と「学習会開催」という方

定期宗会報告/竹中了哲議員

第323回定期宗会報告/竹中了哲議員(富山教区) 池田行信総長(70)が突如、辞任しました。表向きの理由は、予算、宗務の基本方針が可決、承認されてその職責を果たしたというものですが、実際には、新しい「領解文」を巡る宗門の混乱が原因です。池田総局は、各教区での新しい「領解文」の学習会を強行開催し、新しい「領解文」に対する不信、不満をさらに拡大させました。また、新しい「領解文」に反対し、その取り下げを要求している勧学・司教有志の会の代表である深川宣暢勧学ら勧学2人を監正局に申告