疲れた友。
自分という存在がどこから来たのか。
本当に存在しているのか。
大学受験の時期に、受験勉強に疲弊しきった友人がこの質問と共に、こう言った。
『もし仮に俺が死んだら。俺は世界を認識できなくなる。つまりそれはみんなも死んでいる事と同じだ。自分に意識があることを認識出るのは自分のみ。つまりこの世界は俺の世界で、俺が死んだら世界は閉じてくんだよ。』
言いたいことは理解できた。
つまり自分以外は人形のような存在。あらかじめセットアップされたコンピューター。まるでゲームのように進む世界だということだろう。
こんな会話をしていた当時のことを考えれば、意味の分からないくらいの羞恥心の波が彼を襲うだろうな。
皮肉にもおそらくこの問いに答えはないと思う。
そこにあるのは、壮大な妄想力だけだ。
今、彼に同じ問いをしたらどうだろうか。
自分は自分。相手は相手。
なんて常識という鎖で縛られたような回答をした時には
何も言わずこの話を掘り返してあげよう。