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はじめ



神奈川県ベスト29

客観的にみて、
自慢できるような結果では無いのかもしれない。

でも、

私はこの結果を誇りに思う。

そして、

この物語を、
私のこれからの人生の自信にしたいとも思うのだ。


簡単に私のこれまでのサッカー歴を。
小学校3年生でサッカーを始め、(色々あって)5年生の頃に退団。
その後は地元中学校の部活へ。

謙遜とかなく、まア弱い。
練習試合含め勝った記憶は数回。
大会では1回戦を勝ち上がればいいとこ。

そんな、

試合に勝てば奇跡の中学生が神奈川県ベスト29

この3年間で得たものを特別誰にという訳では無いが
伝えていきたいと思い、書き記す。


ここからは1年前からメモしていた
当時のリアルな感情と共に書き記していく。

感情



私の高校サッカーが始まって数週間が経った頃、
先輩達のグループに呼ばれ、練習していた。
(当時は先輩達+上手な1年生、それ以外の1年生と2グループに別れていた。)

なぜ自分が先輩グループに呼ばれたか詳しいことは分からない。

が、多分引くほど声を出していたからだと思う。笑
引くほど声を出していた理由も分からない。笑

多分、少しでも上手いと思わせたかったのだろう。
下手なのが恥であると思っていた。

下位カテゴリーにいることが恥である思っていた。

ただのカテゴリー分けを、
1種の権力、ブランドだと思い、
そのブランドを手放すことを怖がっていた。

実に醜い。
Aチームにいることが目的になっていた。

サッカーが楽しいか、やり甲斐を感じるかは、
プレーする環境にあるのではなく、
私のサッカーへの向き合い方にあるのだ。
と、今になり気づかされた。



2つ上が引退し1つ上の代。
初めてのTRM。
主力の怪我も重なり私はスタメン出場。
キラキラ輝く私を想像していた。

だが、
そう現実は甘くない。ボロボロにやられた。

相手チーム、先輩、監督や観ていた人。
全てが敵のように思えた。

試合後、1年生CBコンビは泣いた。
(当時の相方は泣いてないと今でも言い張ってるが。笑)

悔しい

今まで恥をかきたくないと思っていた自分の中に
悔しいという思いが芽生えた。

この辺りから自分が試合に出て、
勝ちたいと思えるようになった。


関東予選。
私達の代になって初めての大きな大会。

初めて感じた無力さ。
真剣勝負をしたからこそ得られる

悔しさ

という感情。

中学生時代には感じることが出来なかった感情。


勝利の喜び知ることで、
初めて敗北の悔しさを知る。

この経験ができただけで、
私はあの試合に負けた意味がある。
と、今なら言える。

敗戦直後は現実を受け入れることは出来なかった。

どれだけ逃げていても明日はやってくる。

だったら、

現実から目を背けるのではなく、
向き合うべき現実と正面から正々堂々と向き合うべきであった。



選手権二次予選前。
沢山の愛情を目に見える形で受け取った。

横断幕に寄せられた沢山のメッセージ。
それは部活内を越え、同級生、先生、OBやコーチなど様々な所から寄せられた。

この時初めて、

応援されている。私達の事を気にかけている人がいる。

という実感を得た。
それは何にも代えることのできない不思議な感情であった。

この時初めて、私達の為だけでなく、

支えてくれる、応援してくれる、少しでも気にかけてくれる、
あなたのために勝ちたい。

と、思った。
これは嘘偽りのない感情である。

だからこそ、
試合後の観客挨拶の時に込み上げてくるものがあったのだと思う。

一方的に愛を受け取ってしまった。
何も返すことが出来なかった。

悔しさより申し訳なさが勝った上の涙だった。



終わった。
私の高校サッカーは県ベスト29で幕を閉じた。

正直な話、悔いは一切無い。
完敗すぎたのだからだ。

それ以上に、
県ベスト29という結果に満足していた。

試合に勝てば奇跡の中学生が神奈川県ベスト29

十分すぎる結果であろう。
中学生時代に自分より何倍も優れた結果を残した選手を相手に勝ち進み掴んだベスト29。

そして、

大敗で終わる辺り、
自分は変わっていなかったんだ
と、思わされた。

3年という年月が経ち、
身長は伸び、身体は成長した。
サッカーをする環境も仲間も変わった。

だけれど、

サッカーをする世界自体は変わっておらず、
身の丈に合った世界でしかサッカーをしていなかったのだと思う。

そして最後に少し背伸びをしてみて、別世界の相手と試合をしてみる。
だけれど、ボコボコにやられる。

自分にはちっぽけな世界でプレーするサッカーが似合っているみたいだ。

でも、
そんなちっぽけな世界でプレーするサッカーに今は恥ずかしさも、悔しさも一切ない。

そこにあるのは
楽しかったという気持ち。

それだけ。


おわり


解団式。
後輩たちへ伝えたいこと。と言われた。

決して私は美しい、エリートなサッカー人生を送ってきた訳では無い。
そんな自分から後輩達へ伝えられる事。


今を大事にしてください。

中学生時代に私より何倍も優れた結果を出した選手を相手に何度も勝ってきた。
私1人だけの力ではないし、
なにか特別な意識をして試合をしていた訳では無い。

しかし、事実として、
私より何倍も優れた結果を出した選手を相手に何度も勝ってきたことは変わらない。

過去の話に囚われる必要などない。

大事なのは今、あなたが何をするか。

1秒前の過去は変えることはできない。

ならば、

1秒先の未来をより良いものにするために、
過去に囚われるのではなく、
今に囚われて欲しい。

今に囚われ続けたその先にある未来で、
その過去のことまで笑ってやろう。

だからは私はこうして書き記す。




涼斗

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