ジャズの現場で使われる言葉 IMIJAZZ 2024
Version 1.3
2024/10/15 更新
141語
IMIJAZZとは?
普段のジャズライフにおいて「気になる会話」を理解できるようになるため、ジャズの現場でよく耳にする単語やフレーズを集めました。
ここに収録されている語句は直訳ではなく、よりスムーズなコミュニケーションが取れるために意訳を第一としています。
ジャズを演奏していてよく起こる現象や、こういう時はどうすれば良いのか?などをこのIMIJAZZを使って周りの方と感覚共有ができるようになりましょう!
ラーギャ、ドンバ、シースー、ルービーなどのズージャ語は古語ですのでこちらでは扱いません。現代ジャズ用語のみを取り扱います。
イミダスならぬイミジャズ IMIJAZZ📖
[あ]
あーちょうだい
【Aちょうだい】
《比較的年配のベーシストがチューニングのためピアニストに対して使う指示》
A音は世界標準のためベーシストに限らずどの楽器のチューニングにも使われる。
なお「あー」を使うのは年配の方が多いため、くださいとは言わない。
類義語:
えーください
あいていないでしょうか?
【空いていないでしょうか?】
《ライブの詳細を知らせず、相手の予定を確保する時に用いられる便利な言葉》
通常この言葉を使うときは日程と時間を前置詞とする事が多く、うまくいけば共演メンバー、場所、ギャラ、チャージバックなどの詳細を知らせずに相手の予定を確保する事ができる。
「お疲れ様です。○月○日なのですが、夕方から———」
あいずではいります
【合図で入ります】
《X timeから抜け出す時に使う咄嗟のフレーズ》
フロント奏者がひたすら演奏した後、次のセクションに行く時に使う言葉。
この合図を出すタイミングを間違うと格好悪いことになるので、きちんと音楽をわかっていることが必要。
4小節進行の場合、今が1小節目か3小節目かを理解していないと中途半端なところからメロディが始まることになる。この辺りはセンスの問題もある。
関連語:
ちゅうとはんぱなところからはいる
あいりあるにある
【アイリアルにある】
《スマートホンやタブレットのアプリiReal ProのJazz1450に載っているスタンダード》
この言葉で共演者は全員安心する。
類義語:
くろほんにのってる
関連語:
ふめんください
あおほん
【青本】
《黒本の前に使われていたスタンダード曲集》
「くろほん」よりも20年ほど前から存在していた「スタンダードジャズハンドブック」と呼ばれる曲集で、主に古語を使う演奏家によって愛用されていたが今は絶版となっている
曲が複数ページに跨るために見にくい、ジャズではほとんど演奏しないような曲が載っている、そもそもコード進行が酷いなど、割と酷評されていたわりにはみんなが使っていたため、「さけばら」のコード進行が「さまーさんば」と混同されたまま広まったりした。
類義語:
くろほん
ふぇいくぶっく
りあるぶっく
関連語:
こーどおかしい
あたまどこ
【頭どこ?】
《イントロやドラムソロ中に小声で発する質問》
わかりにくいイントロを出された時や、自由奔放なドラムソロが繰り広げられた後に、1拍目がわからなくなってしまう場合に使う。
大抵の場合はわかっている人が振りかぶることが多いが、五分五分の確率でドラマー以外わからなくなっていたり、分からなくなったまま演奏を続行して平行線を辿ることも大いにある。
ごく稀に奇跡が起こることがある。
あっ
【あっ】
《演奏中のインシデントに対して処理できなかったアクシデントから自然に発する言葉》
楽曲演奏には様々なインシデントがあるが、リハーサル回数や共演者の経験年数などでその処理が大抵の場合はうまく行く。
しかし稀にどう対処してもアクシデントとなる場合があり、この場合はどんなプロであったとしても「あっ」が出てしまう事がある。
リハーサル時に起こった場合は「なんとかします」が効果的であるが、本番中には「あっ」は決して使ってはならない。
関連語:
きめで
ぶれいくで
あなざーゆー🆕
【アナザーユー】
《There Will Never Be Another Youの略》
ジャムセッションて非常によく演奏される曲。くろほんなどに書かれているコードは実はオリジナルとは少し違うが、細かい事を言うと面倒な人というレッテルを貼られるので内に秘めておくほうが無難である。
エンディングはラスト3回が定番だが、その場合なぜ2回目に半音上がるのかは謎である。
くろほん、あおほんなどではThereで始まるタイトルが横並びであるため一部のミュージシャンは「ぐれーたーらぶ」と混同している事があり、そのような人にイントロをお願いすると勝手に曲が変わる事がある。
類義語:
ぐれーたーらぶ
関連語:
えんでぃんぐどうするの
あれんじおまかせで
【アレンジおまかせで】
《アレンジのことはよくわからないので、わかるミュージシャンに丸投げすること》
この言葉を使う本人が特にこれといったイメージもないため、この言葉を発動されると共演者は困る場合が多い。
おまかせで演奏される内容についていけない残念な結果になることも多いが、ごく稀に奇跡が起こることもある。
類義語:
てきとうにおねがいします
あんこーる
【アンコール】
《本編に満足できない聴衆が発する謎の言葉》
西洋においては曲の最後にはスタンディングオーベーションをもってごく自然発生的にこれが発動するが、「あんこーぅ」となり、「る」はほとんど発音しないため2拍子である。
これに対して日本においては本編最後の曲前に聴衆が「えーーーー」と伏線を張り、最後の曲が終わって拍手をして頃合いになったらアンコールを発動する。
この時の掛け声は「あん・こー・る・(休)」の4拍で「あん」と「る」の表拍で手拍子をする。時々「あるこーる」とか「あっそれっ」など、くだらない事をいう人がいる。
裏拍が強調されるジャズにおいてなぜ表拍で「あんこーる」をするのかは謎である。
あんこーるなにする
【アンコール何する?】
《アンコールの曲を何にするか相談する時に使う言葉》
本来、アンコールは自然発生的なものであるにも関わらず、用意周到にアンコール曲を決めたがる人が一定数いる。
アンコールはライブ会場において、観客がアンコールをするタイミングをするのかどうかを察したり、演者がステージから降りるのかそのままいるのか迷うタイミングであり、非常に間合いの難しい時間である。
アンコールを予定していなかった時にステージ上で「あんこーるなにする」と散々議論されるが、ほぼ「えふぶるーすで」と言う返答になる。
関連語:
えーーーー
えふぶるーすで
[い]
いーぶんえいすで
【イーブンエイスで】
《「ふぃーるは」に対する答えの一つ》
スウィングではなく跳ねないフィール。シンバルが8分音符で刻まれるため「えいとびーとで」を使いがちだが、バックビートがないためそのような音楽は「いーぶんえいすで」と言えば伝わるが、「えいとびーと」と言った後に「いーしーえむけい」と言えば大抵は理解される。
関連語:
ふぃーるは
えいとびーとで
いしょうはてきとうにいいかんじで
【衣装は適当にいい感じで】
《平服でお越しくださいと同義》
これを理解するにはかなりの鍛錬が必要。
類義語:
てきとうにおねがいします
いっぷんください
【1分ください】
《時間稼ぎをする時に使う言葉》
思うような音作りができず演奏者を待たせるが、できるだけ短い時間でやると見せかける時に使うと効果的である。
エフェクターを使う楽器奏者などがよく使う言葉だが、PA卓からも聞こえてくる事が時々ある。
いまどちらですか
【今どちらですか?】
《当日、現場に来ない共演者に投げかける氷属性の魔法》
この言葉が発動した時は誰であれ一瞬にして背筋が凍りつく。リハーサルはできないが、ライブができる確率は五割。
いんすとなにする
【インスト何する?】
《ボーカルとのライブの時に使うフレーズ》
ボーカルとのライブの日、リハーサルが終わった後に投げかけられる「うたまえにいんすとおねがいします」に対して負う責務。
本番が始まるまでの約30分弱で、自分の得意な曲を1曲目のボーカル曲のフィーリングと被らないように、また数少ないメモリーの中から曲を決めなければならないので、大体毎回同じような選曲になる。
関連語:
かれは
さけばら
いんとろおねがいします
【イントロお願いします】
《フロント楽器の人がイントロをお願いする時に使う言葉》
ピアニストやギタリストの負担を増や繝九せ繝医d繧ョ繧ソ繝ェ繧ケ繝医?雋?諡?r蠅励d縺咎ュ疲ウ輔?險?闡。
もとい、この言葉は演奏する楽曲の運命を左右すると言っても過言ではない。テーマにつながるように美しいイントロを演奏するスキルが求められる。
「かうんとおねがいします」と言われて恥ずかしがる人もこの言葉をよく使う。
関連語:
かうんとおねがいします
いんとろるばーとで
【イントロルバートで】
《ボーカルからピアニストやギタリストに対して指示される言葉》
この言葉を受けた共演者は、ボーカルに対して絶対的な信頼をおかなければならない。全神経をボーカルのフレーズに集中させ、ミリ単位での調整を行うテクニックが要求される。
対義語:
てんぽは
関連語:
それでははいれない
るばーと
いんなせんちめんたるむーど
【イン・ア・センチメンタル・ムード】
《バラードでよく演奏される紛らわしい曲》
「さむわんとぅうぉっちおーばーみー」を参照
[う]
うぉーみんぐあっぷした
【ウォーミングアップした?】
《ウォーミングアップをしたかどうかを尋ねる言葉》
共演者の技術不足を感じた時、角が立たないように忠告する便利な言葉。
管楽器やボーカルのピッチが安定しない、ドラムのリズムが安定しない、コード楽器のバッキングが微妙など、数々の「気になる事案」に対して使える。
なお、練習していないことはありえないので「れんしゅうしてきた?」とは聞いてはならない。
関連語:
ぴっち
うたまえにいんすとおねがいします
【歌まえにインストお願いします】
《ボーカルとのライブの時に起こる謎の儀式》
この言葉を言われた場合、本番が始まる約30分前にその日にやるインスト曲を決めなければならない。なぜインスト曲をするのかは謎。
なお、この場合は「いんすとなにする」を参照。
関連語:
いんすとなにする
うたもどりびー
【歌戻りB】
《AABAフォームの曲においてBからテーマに戻ること》
「さびもどり」とも言う
スローなテンポの場合フルサイズでの演奏は非常に冗長的になりやすい。したがって「うたもどりびー」を伝えていない場合、痺れを切らしたボーカルが強引にBセクションから入る場合があり、ソリストがこれから盛り上がろうとするところでテンションが下がってしまうという事象が起こりやすくなる。
うまいですね
【上手いですね】
《プロに対して上手であると言うこと》
「プロ」が上手いのは当然のことなので、プロに対して「上手いですね」と言うのは失礼であるという実例から生まれたスラング。
関連語:
ぷろですから
うらいく
【ウラ行く?】
《裏コードを使うかどうかを聞く時に使われる言葉》
トライトーンサブスティテューションと言うよくわからない正式名称があるが、通称裏コードと呼ばれるコードを使うかと聴く時に使われる。
ベーシストがRoot権限を持っているため、それ以外のメンバーがベーシストにお伺いを立てなければならないが、ドラマーや一部のボーカルにとってはどうでも良い事である。
また、メンバー同士やお店の人といざこざがあった時にもこの言葉が時々使われる。
[え]
えいとびーとで
【8ビートで】
《「ふぃーるは」に対する答えの一つ》
これには二つの意味があり、ポップス調の曲をいわゆる「普通に」演奏する場合とストレート8フィールのジャズを指す場合がある。
上級者になるとどちらの事かがニュアンスでわかるようになる。
関連語:
ふぃーるは
らてんで
じゅうろくびーとで
えーーーー
【えーーーー】
《最後の曲の前に聴衆が発する予定調和》
「本日最後の曲です」に対する聴衆側が行う謎の儀式で、これに対し演奏者は「ありがとうございます」と答えてから最後の曲を演奏する。
さらに曲が終わった後は、ステージから降りるふりをしなければならない。
なお、この間合いは日本人にしかできないと言われる。
関連語:
あんこーる
えーください
【Aください】
《チューニングをする時に使う言葉》
ピアニストに対して使われることが多い。なお、ベーシストにおいては「じーください」も使われることが多い。
関連語:
あーちょうだい
じーください
えっくすたいむ
【Xタイム】
《合図が出るまで繰り返す》
演奏者にとって都合の良い演奏法で、特に回数を決めないので好きなだけ演奏できる。
関連語:
あいずではいります
えふぶるーすで
【Fブルースで】
《Fキーのブルースを演奏する時に使う言葉》
この言葉で共演者は全員安堵する。
なお、Fキーのブルースを指定する理由はCよりも難しいからである。
アンコール曲を決めていない時に、予期せぬアンコールがあった場合にも使われる。
関連語:
あんこーるなにする
いんすとなにする
えんでいんぐどうするの
【エンディングどうするの?】
《楽曲の終わりをどのようにするのか》
ピアニストやギタリストの負担を増や繝九せ繝医d繧ョ繧ソ繝ェ繧ケ繝医?雋?諡?r蠅励d縺咎ュ疲ウ輔?險?闡。
リハーサルをきちんとせずに演奏する場合、この言葉を使っていないと最悪の場合演奏が止まってしまうが、ごく稀に奇跡が起こることもある。
経験を積むと、ボーカルやフロント奏者の背中の動きだけでエンディングがどうなるかを予測する事ができるようになる。
関連語:
ぎゃくじゅんさんかい
[お]
おりじなる
【オリジナル】
《どこかで聴いた事がある曲》
「じゃすらっく」に登録されていない曲はすべて「おりじなる」という曲名で著作権料を払わずに演奏する事ができる。
ジャズの「おりじなる」とは一体何が「おりじなる」かがわからないためにパラドックスが起こり、アドリブの演奏は「おりじなる」か否か、そもそも「おりじなる」とは何か?と言う哲学も生まれている。
関連語:
じゃすらっく
おるたーど
【オルタード】
《オルタードテンションを含むコードまたはスケール》
安直な教則本などでは使うだけでジャズっぽくなる便利なスケールと紹介されるため「おるたーど」を覚えたての学生はドミナント7コードが出てくると脊髄反射で使う。
「こんでぃみ」や「ほーるとーん」スケールと混同している人が多い。
類義語:
こんでぃみ
ほーるとーん
おんげんきかせて
【音源聴かせて】
《リハーサル時に音源を聞かせて欲しい時に使う言葉》
一定の割合で「特殊な譜面の書き方」をする人がいるが、そのような譜面を渡された場合は音源を聴いた方が早い。
なお、この言葉を言われた人は「ゆーちゅーぶ」で音源を即座に探し、その音源を共演者に聴かせなくてはならない。また、フロント奏者のマイクに携帯のスピーカーを近づけて鳴らすことが義務付けられている。
おんげんください
【音源ください】
《リハーサルまでに楽曲を理解するために必要な音源を要求すること》
近年、サブスクでないと聴けない音源もあるので注意が必要。
関連語:
でーたびんでおくります
おんげんどおりです
【音源通りです】
《事前に配布された音源通りに演奏すること》
ジャズの場合音源通りと言うのは一字一句間違わずに演奏することではなく、キメやお決まりフレーズをきちんと演奏すること。
音源を聴くことで何が必要かと言うのはすぐにわかるが、聞かずにリハーサルに挑んだ場合、冷たい視線を送られることになる。
関連語:
とうじつまでにおぼえてきます
[か]
かうんとおねがいします
【カウントお願いします】
《曲に入るためのカウントを頼むときに使うフレーズ》
ピアニストがイントロを弾くなど、どのように曲に入るかは様々な方法があるが、いきなりテーマから入る場合は通常ドラマーがカウントすることが多い。
この言葉を投げかけられると一定の割合で恥ずかしがりながらフィンガースナップをする人がいるが、それはカウントの取り方がわからないからだと推測される。
そのような人はピアニスト、もしくはギタリストに「いんとろおねがいします」と言えば全て解決する。間違ってもベーシストに言ってはならない。
関連語:
いんとろおねがいします
それでははいれない
かみでください
【紙でください】
《譜面を紙で欲しい時に使うフレーズ》
近年タブレットの普及に伴いジャズ界隈でも紙ではなくデータでのやり取りが一般的になったため、これに対応していない共演者が使う言葉。
ズージャ語を話す人たちが多いかというとそうでもなく、その世代の人たちでもタブレットを使う人は多く、どちらが良いかという論議が頻繁に行われるが、今の時点ではどちらでも良い。
かりで
【仮で】
《仮で予定を押さえる時に使う言葉》
仮押さえの仕事に関しては、押さえている仕事よりも良い条件の仕事があればそちらを優先させても良い。
ただし、いつの間にか「かりで」決めていたライブが本決定している事があり、ダブルブッキングする可能性があるので「かりで」を多用することには注意を要する。
万が一ダブルブッキングしてしまった場合、条件の悪い方の仕事には「とら」をたてるが、「とら」として条件の悪い仕事に行ってもらった人には「かり」ができる。
かれは
【枯葉】
《ジャズスタンダードの筆頭曲》
ジャズをやる上で避けて通れない曲なので、この曲を演奏する時は譜面を見てはならない。
どのような局面でもこの言葉を使うことができるが、具体的には以下の通り
「———は絶対に弾けるように」
「とりあえず———」
「一曲目———」
「アンコールは———」
なおジャズを勉強中の学生は、やたらと早く演奏したがる傾向にある。
関連語:
いんすとなにする
[き]
きいたことある
【聞いたことある】
《知っていることにする言葉》
「この曲知ってる?」と聞かれたときに、知らないことを悟られないようにするときに使う言葉。
知らなくても恥ずかしくないのに、プライドが許さない場合はこの言葉を使うと良いが、後で必ずその曲を聞かなければならない。
きーかえられますか
【キー変えられますか?】
《ボーカルの人が時々使う言葉》
ボーカルが当日の喉の調子によってどうしても声が出ない場合、キーを変える場合に使われる。
なお、そちらの方が結果的に良かった場合はボーカリストは譜面を書き換えなければならないが、面倒になり次回も同じ譜面を持っていった場合は再度「きーかえられますか」を使うことになる。
このフレーズを使うこと自体はなんら問題ないが、ピアニストに対して使うときは少し遠慮気味にいう方が良い。
きせき
【奇跡】
《なぜか本番でうまく行くこと》
譜面の不備や打ち合わせ不足などの不安要素があったにも関わらず、本番が成功した場合に自然と発する言葉。
関連語:
なんとかします
きのうねてない
【昨日寝てない】
《本番やリハーサル日の前日に寝ていなかった時に使うフレーズ》
共演者の中には誰も聞いていないのに突然この言葉を発する人が一定数いるが、これは寝ていないと言う事が言いたいのではなく、何か別の伝えたい事がある場合が多い。
この辺りは共演者とのコミュニケーション度合いによってある程度察する事ができるようになる。
関連語:
れんしゅうぶそくですみません
きめで
【キメで】
《楽曲内であらかじめ決められたリズムに対する注意喚起》
たった3文字しかないため、リハーサル後の空き時間どうするかなど別のことに気を取られていると聞き漏らしてしまうため特に注意が必要。
ドラムとベースがキマっていれば多少の事があってもそれなりに聞こえるため、両者はこの言葉を決して聞き漏らしてはならない。
上級者になるとこの言葉を聞かなくてもきちんと演奏できるようになる。
関連語:
あっ
対義語:
ぶれいくで
ぎゃくじゅんさんかい
【逆循3回】
《逆循環進行を3回演奏すること》
リハーサルでこれを言っていない場合、曲の終わりごろに突然フロント奏者が極端な動きをすることになるが、これが「ぎゃくじゅんさんかい」の合図である。ベーシストは特にこれにいち早く気づかなくてはならない。
関連語:
えんでぃんぐどうするの
[く]
くださ〜い
【〜〜くださ〜い】
《PA卓にいる人にお願いする言葉》
ステージ上の演者は自分たちの出音が全てPA握られていると言う事を自覚してなければならないので、PA卓に座っている人に間違っても命令口調で言ってはならない。
例)
「ピアノにピアノのかえし———」
「ボーカルにリバーブ———」
くりすます🎄
【クリスマス】
《様々なトラップを乗り越える繁忙期》
一般的には世間が浮かれる時期であり世の中の経済が回る頃である。ジャズミュージシャンはこの頃に各地で行われる各界の「ぱーてぃー」に呼ばれ、その経済の一端を担うことになる。
各界の「ぱーてぃー」に呼ばれると、女性はドレス、男性はスーツもしくは黒タキシード(通称黒タキ)に身を包み、16:00ごろから各地のホテルの宴会場において形だけの「りは」が行われる。
ジャズミュージシャンにとって「くりすます」のシーズンは演奏の機会が増えるため一般的に繁忙期となる。しかしこの時期は様々なトラップが仕掛けられているため特に注意が必要な時期となっている。
トラップに躓きやすい例は以下の通り
The Christmas Songは最初2小節を順次進行にするかⅠ-Ⅳにとどめるか迷う。
We Wish A Merry Christmasを演奏すると間がもたない
White Christmasの冒頭4小節をスイングでやると色々迷う。
そしてI'm dreaming of aの歌詞を一つずつコードを当てないと気が済まないので忙しくなる。その続きのwhite christmas の歌詞の時christmasの時にG7だと嫌だ。「くりすます」の曲全般、Bセクションの転調に面食らう。そして最後のAに戻るときにキーを間違う。
曲の最後にジングルベルを入れるか否か。
「きよしこのよる」のイントロなのに「てねしーわるつ」のフレーズを弾いてしまう。
このような数々のトラップを乗り越えるとプロのミュージシャンとして認められるため、若手ミュージシャンにとって「くりすます」は自動車学校の「みきわめ」と同じである。
関連語:
ぱーてぃー
ぐるーゔ
【グルーヴ】
《様々な局面で使える便利な用語》
ニュアンスが全てのジャズにおいては非常に便利な言葉である。
「高揚感」や「感覚的な素晴らしさ」と言うのが本来の意味であり、転じてリズムに関する感覚で用いられる事が多いため、ジャズの現場においては多用されるがその実態は誰一人として分かっていない。
くろほん
【黒本】
《ジャズスタンダードバイブル》
様々な演奏家がいくつものコード進行やメロディフェイクを行うためジャズにおいて正しい譜面は存在しないに等しい。
アメリカではそれらをできるだけ簡潔にまとめた「りあるぶっく」「ふぇいくぶっく」と言うものがあるが、法律にも触れているため過度な使用は危険である。
また、個人の思い込みや価値観が存在するためそれらの譜面は正しいとは限らない。
ゆえに、ジャズのアンサンブルにおいて譜面はコード進行の共有という意味で存在するが、使用者の価値観がぶつかる事が多々ある。
類義語:
あおほん
りあるぶっく
ふぇいくぶっく
関連語:
そこつーふぁいぶ
うらいく
こーどおかしい
くろほんにのってる
【黒本に載ってる】
《ジャズスタンダードバイブルに載っている曲》
この言葉を使うだけで共演者が安堵する。
類義語:
あいりあるにある
くろほんのににのってる
【黒本の2に載ってる】
《ジャズスタンダードバイブル2に載っている曲》
セッションにおいてこの言葉を使うと「あ〜、そっちか〜」と返答される事が多い。
黒本を全て覚えている上級者が新たな曲を覚える時や、セロニアスモンクなどの通ぶった曲を演奏したい時に使う。
類義語:
あいりあるにある
[こ]
こーだどこ
【コーダどこ?】
《行方不明になりがちなコーダを探す》
リハーサル時、譜面にあるはずのコーダが見当たらない謎の現象を表現する時に使うフレーズ。
一定の割合でコーダが書かれていない場合もある。
また、小節の頭にto CODAが書かれた譜面でもこのフレーズが頻発する。
こーどおかしい
【コードおかしい】
《譜面に書かれたコードが違う時に発する言葉》
「りあるぶっく」や「くろほん」を使用していると時々コード進行に違和感を覚える事がある。その時にはこの言葉で「みなさんはお気づきではないだろうが、自分はこの響きに違和感がある」と主張してマウントを取ることができる。
ただし、ジャズの演奏には個人の価値観や思い込みが大いに含まれるため、安易にこの言葉を使いすぎるのは「神経質」のレッテルを貼られるため注意が必要である。
上級者はこの言葉を使わず、演奏だけで表現するようになる。
ここでなげて
【ここで投げて】
《楽曲の最後の一歩手前で止まる事》
関西地方では「ここでほって」とも言う。
音楽記号フェルマータで表されるが、その後どうなるかは誰にも分からないため、初心者はあまり使うべきではないフレーズ。
ここはくいで
【ここは食いで】
《8分音符や16分音符などの所謂ウラから入ること》
「はちうら」「じゅうろくうら」と言うこともある。16分音符の場合、16分の2つ目か4つ目が分からないため、どのウラかを伝えなければならない。
類義語:
きめで
こんでぃみ
【コンディミ】
《コンビネーション・オブ・ディミニッシュト・スケールの略称》
これを使うとどんな曲でもジャズになるため、中級者からプロまで誰もが使うスケールとなっている。
入門者、初心者はこれを練習してジャズのイディオムを演奏できるようにすべきである。
「コンビニエンスストア」のように非常に便利なスケールであるため、親しみを持って「こんでぃみ」と呼ぶようになった。
類義語:
おるたーど
ほーるとーん
こんふぁめ
【コンファメ】
《チャーリー・パーカーの名曲コンファメーションの略》
ビバップの代表曲であるこの曲を演奏する時は「こんふぁめ」と言う。テーマがすでにアドリブのようであり、ジャズを志す人は必ずこのフレーズを覚えなくてはならない。特にピアニストやギタリストにとっては大きな関門である。
譜面によってフレーズが違うため、ユニゾンで演奏する時は確認が必要である。特にBセクションの5小節目は速すぎて誰も本当のメロディを知らない。
「分かっちゃいるけどできないコンファメーション」などのくだらない替え歌を歌っている暇があったら練習すべき曲である。
関連語:
ばっぷやれ
類義語:
どなりー
[さ]
さけばら
【酒バラ】
《酒とバラの日々》
非常によく演奏されるスタンダード。枕詞には「とりあえず」が使われ「ぼさで」を修飾語に使うことが多い。
歌詞の内容はアル中夫婦が破綻する様子を歌っているのに、なぜか結婚式の乾杯で演奏される。
なお、「あおほん」世代の演奏家は12小節目と13小節目のコードを「さまーさんば」と混同している人が多い。
関連語:
いんすとなにする
さうんどちぇっく
【サウンドチェック】
《リハーサル前に行うPAへのご機嫌伺い》
その日のサウンドの全てを握るPAへのご機嫌を伺うとともに、自分の音環境をざっと確認する時間。
この時に余計な音を出すとPAから無言の圧力をかけられたりするため、この間はチューニングやウォーミングアップをしてはならない。
関連語:
りばーぶもうちょいふかく
さむわんとぅうぉっちおーばーみー
【サムワン・トゥ・ウォッチ・オーバー・ミー】
《バラードでよく演奏される曲》
「いんなせんちめんたるむーど」を参照
さんばで
【サンバで】
《らてんみたいにしてくださいと同義》
ラテンとサンバの区別がついていない場合に発せられるフレーズ。
このニュアンスをキャッチするには相当の鍛錬が必要。
関連語:
ふぃーるは
類義語:
ぼさで
らてんで
[し]
じーください
【Gください】
《ベーシストがチューニングのためピアニストに投げかける言葉》
「じー」は世代や地方によって「えー」または「あー」になることもある。
しっといん
【シットイン】
《飛び入りでライブに参加すること》
通常のライブに出演者の知り合いのミュージシャンが見にきた場合や、演奏の仕事帰りにライブに立ち寄った場合などはせっかくなので一緒に演奏することがあるが、これをシットインという。
稀にいつの間にか知らない人がステージにいる場合があるが、彼らは演奏の仕事でもないのになぜか他人のライブでたまたま楽器を持っていた人たちである。
類義語:
せっしょんあります
じゃいあんとすてっぷす
【ジャイアント・ステップス】
《ジャズスタンダードの難関曲》
ジョン・コルトレーンが最後までビバップの保守派だったことの証明。
目まぐるしくコードが変わり、瞬間的に起こる転調をいかにハーモニックでスムーズに演奏できるかが問われる曲であるため、きちんとコード進行の意味を理解していないと決してクリアすることはできない。
この曲ができたからと言ってプロになれるわけではない。
じゃすらっく
【ジャスラック】
《日本における楽曲の著作権管理局》
ジャズに限らず日本で演奏されているすべての音楽はこの唯一絶対的な管理局による監視が24時間365日体制で行われている。
ライブ会場、「ぱーてぃー」会場、音楽学校や音楽教室、鼻歌など、音楽が演奏されたり流れたりする場所では必ず管理局による著作権料の徴収が行われる。
5分以上な演奏は2曲分に換算されるため、ジャズにおいて冗長的なソロを演奏すると主催者側からクレームが起こる事がある。
また日頃から管理局による覆面調査が頻繁に行われているため、不当に著作権料の支払いを逃れようとすると即刻裁判を起こされるので、著作権料の支払いは絶対的なものである。
著作権料を払わずに音楽を楽しむ唯一の方法は「おりじなる」を演奏することである。また、ライブ会場などでは「おりじなる」しか演奏していないことを証明するため「らいぶはいしん」をする事が義務付けられている。
関連語:
おりじなる
らいぶはいしん
しゃーぷきーで
【シャープキーで】
《A,E,Bなどシャープの微妙に多いキーを指定すること》
ジャズの演奏家はなぜかこれらのキーが非常に苦手なため、できれば半音あげたり下げたりする方が好ましい。
ジャムセッションでこの言葉を発するとよそ者というレッテルを貼られるため、注意して使うべき言葉であるが、唯一、ギタリストからは仲間として見られる。
じゃっじゃーー
【ジャッジャー】
《ボサノバのキメ》
ボサノバの曲を演奏すると必ず起こる現象で、1拍目に四分音符、2拍目に付点二分音符を演奏すること。
日本人はなぜかこのキメをやりたがる。
類義語:
じゃーじゃっ
じゃーじゃっ
【ジャージャッ】
《汎用性のあるスウィングのキメ》
「かれは」「さけばら」「すてら」などをスウィングで演奏する時の3・4拍目にこのキメを用いることが非常に多いが、理由は謎である。
類義語:
じゃっじゃーー
じゅうろくびーとで
【16ビートで】
《本来の意味は16分音符が基調となった楽曲のこと》
早い曲のことをこのように言うシンガーが一定数いるため、ニュアンスを掴むには鍛錬が必要になってくる。
なお、「『えいと』びーと」と言うのになぜ「『じゅうろく』びーと」と言うのかは謎である。
関連語:
ふぃーるは
類義語:
えいとびーとで
しゅうきゃく
【集客】
《ライブにお客を集めること》
音楽は聴く人がいてこそ成り立つものであり、ライブをする上で必ず「しゅうきゃく」をするという問題がある。
この「しゅうきゃく」を誰がするのかというのが随分と以前からの課題であり、様々な立場に立って数多くの意見が交わされるが、いまだに問題は解決しようとしていないと言うことは、もしかしたら解決したくないのかもしれない。
類義語:
よやくありますか
しょうこしゃしん
【証拠写真】
《ライブが終わった後にメンバーでとる集合写真》
SNSの普及により様々な主張がなされるようになった現代において、自分がどこで誰と演奏したのか、月に何回ライブをやったのかということは非常に重要なことになってきたが、その証拠として写真を撮りSNSで発表するということが増加するようになった。
通常、出演者のみで写真に写ることが多いが、なぜか知らない人が一緒に写る事もある。
知らない人が写真を撮る場合もあるが、その場合は数々のトラブルを未然に防ぐため、出演者に対して「ふぇいすぶっくにあげていいですか」と必ず聞かなければならない。これは本来そこにいてはならない人が写ってしまう可能性があるからである。
なお、並ぶ順番は、ボーカルなどのフロント楽器は最前列の真ん中、ドラマーとベーシストは後列、ギタリストとピアニストは左右の端と決まっている。
関連語:
とら
ふぇいすぶっく
しょけんで
【初見で】
《プロの現場では当たり前に行われる譜面閲覧方法》
19:00スタートのライブで18:00過ぎ入りの時、大してリハーサルができない時に使う言葉。
事前に譜面が配布されていたのにも関わらず「忙し」くて「練習でき」なかった場合にも起こる。
また、自分は譜面に強いと周囲にマウントを取る時にも使われる。
なお、古語においては若手を鼓舞するためのフレーズであったが、最近は古語を話す世代が「譜面が見づらくなった」と言うこともあり、比較的寛容になったとも言われている。
関連語:
でたとこしょうぶ
ふめんみえない
[す]
すうぃんぐ
【スウィング】
《ジャズにおいて必要なリズム感》
1930年ごろにジャズは「すうぃんぐ」しないと意味がないと言われ、意味のない「すうぃんぐ」はジャズではないと声高々に叫ばれている。
また、ある日本人は「意味がなければすうぃんぐはない」と断言しており、結局のところ一体何が正しい「すうぃんぐ」なのかは誰一人としてわかっていない。
日本人は特に「すうぃんぐの意味」を考えがちだが、ドゥワドゥワ言うよりも「すうぃんぐする意味」を考えるほうが大切である。
関連語:
ふぃーるは
類義語:
はねけいで
すきゃっとします
【スキャットします】
《ボーカルがスキャットをする事を伝える》
上級者はあまり使うことはないが、ジャズボーカルをはじめたての頃はなぜか「すきゃっとします」を使いたがる人が多い。理由は謎である。
すたんだーどさいきんやってない
【スタンダード最近やってない】
《最近スタンダード曲を演奏していないと言うことを伝えるフレーズ》
コンテンポラリー系のジャズを好む演奏家にとっては昔のシンプルな曲は簡単すぎて面白みにかけるため、あまりスタンダードをやりたがらない。そのような人がよく発するフレーズ。
百戦錬磨のプロでも知らないスタンダードがあった時はこのフレーズで予防線を張ることができる。
本当はスタンダードを知っているのに、あまりにも簡単なスタンダード曲で乗り気のしない時「あ〜、その曲か〜、———からなぁ〜」(仕方ないからやってやるか)
となぜか上からの物言い的に言うと効果的である。
関連語:
いんすとなにする
すてら
【ステラ】
《星影のステラ》
「かれは」を演奏し飽きた演奏家はこちらを好むことが多い。「シ♭ラー」の後に「じゃーじゃっ」と演奏するがなぜそのキメがあるのかは誰も何も考えていない。
関連語:
いんすとなにする
じゃーじゃっ
すとれーとこーだ
【ストレートコーダ】
《譜面上のリピートなどをせずにコーダへすぐ飛ぶ事》
「とりあえずやってみる」時に使う事が多い。
19:00スタートのライブで18:00過ぎ入りの時、大してリハーサルができない時に使う言葉。
類義語:
でたとこしょうぶ
[せ]
せっしょんあります
【セッションあります】
《ライブの後にセッションがあると言う意味》
ライブ告知に使うとなぜか集客率が上がる魔法。
ただし、「ライブには間に合いませんがセッションは参加します」と言われる事も大いにある。
なぜライブの後にセッションをすると集客率が上がるのかは謎である。
類義語:
しっといん
せっとりすと🆕
【セットリスト】
《ライブの曲順》
曲順を決めておく事はスムーズにライブを進めるために必要不可欠な事である。
事前のリハーサルまでにきちんと決めている几帳面な演奏家も多いが、ライブ当日の状況で差し替えなどが発生するため、あまり細かく決め過ぎると融通の効かない人と言うレッテルを貼られる事もある。
また、19:00スタートのライブで18:00過ぎ入りの時はライブ会場へ向かう電車の中で曲を決めたり、とりあえず得意な曲を数曲選んでおき、「てきとうにおねがいします」を使えば何とかなる場合が多い。
関連語:
てきとうにおねがいします
[そ]
そこつーふぁいぶ
【そこツーファイブ】
《譜面に書かれていないツーファイブを指定する時に使う言葉》
ジャズではツーファイブが多用されるが、リードシートに書かれていない箇所にもツーファイブを入れる事がよくある。ビバップ時代の演奏家は特にこの言葉を多用したと思われる。
ツーファイブを入れる事で躍動感が出るためそれが「ジャズらしさ」に繋がるが、このツーファイブに対応するフレーズをきちんと演奏できていないと、「ばっぷやれ」が発動することになる。
関連語:
ばっぷやれ
それでははいれない
【それでは入れない】
《テンポを出す人のリズム感が著しく悪い場合に投げかけるフレーズ》
ジャムセッションやライブで頻繁に使われる言葉で、経験者が初心者に対して使うことが多い。なお、古語においては若手を鼓舞するためのフレーズであったが、現代においてこの言葉は非常にセンシティブであるため、使用には注意が必要。
関連語:
かうんとおねがいします
そんなかんじで
【そんな感じで】
《リハの最後に発せられる言葉》
本番ではどんな感じか忘れられていることが多い。
関連語:
どんなかんじですか
そんなきがする
【そんな気がする】
《様々な局面で使える便利な言葉》
リハーサル時、フロント奏者が「りばーぶもうちょいふかく」とPAに指示した場合のレスポンスとして使ったり、演奏後に共演者(特にピアニスト)から「♭5がぶつかっていた」などの細か邏ー縺九>繧、繝√Ε繝「繝ウ、、と言われた時に使うと良い。
[た]
たいむかん
【タイム感】
《結局よくわからない表現》
タイム感を鍛えることは音楽を演奏する上で非常に重要な事であるが、タイム感をきちんと説明できる人はいない。したがってこの説明も幻想である。
類似語:
ぐるーゔ
[ち]
ちゅうとはんぱなところからはいる
【中途半端なところから入る】
《イントロやソロからテーマへ入る時、本来入るべきでないところから入ってしまう現象》
イントロを2コードでバンプにした時などは大抵の場合4小節進行で捉えていることが多いが、この辺りをよくわかっていない一部の人々は大体3小節めから入ってしまう。
また、ソロなどでもよくこれが起こる。特に盛り上がっているソロの時に盛大にこれをやってしまうと、音楽をきちんと理解していないと言うレッテルを貼られてしまう。
ちきん
【チキン】
《ジャコ・パストリアスの名曲》
セッションで頻繁に演奏される曲。ベーシストの采配で全てが決まり、12小節目のキメを演奏することが喜びである。
キメを演奏した後にテンションが上がり、最後の4小節を演奏し忘れることが多発するため注意が必要。
通はソウルイントロからやりたがる。
[つ]
つーいんつーあうと
【ツーインツーアウト】
《テーマとバックテーマどちらも2回ずつ演奏すること》
ごく稀にツーインツーアウトが演奏中に「わんあうと」になることがある。
共演者が野球ファンの場合、少し動揺する。
[て]
ていくふぁいぶ
【テイク・ファイブ】
《ポール・デズモンド作曲で5拍子のジャズスタンダード曲》
団塊世代、団塊ジュニア世代の人がこの曲をリクエストすることが多いため、必ず演奏できなくてはならない。
いわゆる「へんびょうし」と呼ばれるリズムではあるが、なぜかこの曲は演奏できることが多い。
アドリブはAセクションのみで演奏すると言うと初心者は安心する。
関連語:
へんびょうし
てきとうにおねがいします
【適当にお願いします】
《サウンドを的確に表現することと、やる気なく適当な演奏をする二つの意味がある》
前者の意味を表す場合、ダブルクォーテーション””を表すジェスチャーをすると効果的。
後者の意味の場合、特に感情をこめずに言えば良い。
ごく稀に奇跡が起こることもある。
でたとこしょうぶ
【出たとこ勝負】
《何も決めずに演奏すること》
19:00スタートのライブで18:00過ぎ入りの時、大してリハーサルができない時に使う言葉。
最初に音を出した人によって大体のフィールが決定される。なお、どのように曲を終わるかについては『えんでぃんぐどうするの』を参照。
ごく稀に奇跡が起こることもある。
関連語:
えんでぃんぐどうするの
てねしーわるつ
【テネシー・ワルツ】
《3拍子の定番曲》
一定年代以上の人は全員知っているため、歌詞は必ず覚えなければならない。
英語はよくわからないと言われることもあるのでサビからは日本語で歌えることが望ましい。そのような時の曲紹介時のキーワードは「えりちえみ」である。
クリスマス時期にはピアニストが「きよしこのよる」のイントロと間違うため、二つとも歌うときは同じステージで歌ってはならない。
でーたびんでおくります
【データ便で送ります】
《参考音源や譜面などをデータ便で送ること》
音楽ファイルなどの大きなデータはメールでは送る事ができないため、データ便などが使用される。
この手のサービスはデータ保管期限が設けられているため、期限内にダウンロードして保存しないと閲覧できなくなってしまう問題がある。
「忙し」い時はデータを「確認する」ことを忘れてしまい、結局再度送ってもらうことを申し訳なく言わないといけないので、このフレーズを見たり聞いたりした場合は注意が必要。
類似語:
どろっぷぼっくすにあげてます
でーたでください
【データでください】
《譜面を紙ではなくデータで欲しい時に使う言葉》
近年、紙の譜面よりもデータでのやり取りが便利になり、タブレットを持ち歩く演奏家が急増したためこの言葉が非常によく使われるようになった。
この場合の「でーた」とは通常はPDFであり、緊急時にはタブレットの表示内容を別のスマートホンで写真に撮るなどしてJPGを使うことも許される。
なお、データ便などで送られてきた場合は期限までにダウンロードしていないと、共演者が白目を向く事になるので注意が必要。
関連語:
どろっぷぼっくすにあげてます
てんぽは
【テンポは?】
《シンガーに課される最も重要な儀式》
これを聞かれた人は共演者に的確に自分の歌いたいテンポを伝えなければならない。
特に裏拍が取れていないと、残念なレッテルを貼られる可能性がある。
類義語:
ふぃーるは
関連語:
それでははいれない
てんちょうあります
【転調あります】
《曲の後半で転調がある場合の共演者への伝達事項》
特にピアニストにこれが伝えられた場合、ピアニストは転調先のⅤ7を探す責務が生じる。
関連語:
ふめんどおりです
[と]
どういくの
【どう行くの?】
《譜面を見ただけではわからない時に使う》
一定の割合で「特殊な譜面の書き方」をする人がおり、そのような譜面と対峙した場合に発する。
セーニョマークやコーダマークが抜けていたりするものはすぐに確認して修正できるが、小節数を間違えたり譜面そのものの骨格が歪んでいる事があり、その際にはピアニストから厳しい意見が飛ぶことも少なくない。
とうじつまでにおぼえてきます
【当日までに覚えてきます】
《音源を聴いていない状態でリハーサルに挑んだ時に使う》
「忙し」かったため、リハーサルまでに音源を「聴け」なかった場合に使える非常手段。
なお、当日に譜面が配られて音源通りと言われた場合は音源通りと言った人がスマートホンのスピーカーをマイクにつけて音源を鳴らさなくてはならない。
対義語:
おんげんください
どなりー
【ドナリー】
《チャーリーパーカーの名曲、ドナ・リー》
「こんふぁめ」よりも難易度が高く、意識の高い学生がやたらと早く演奏しようとするビバップのもう一つの名曲。
ピアニストやギタリストにとっては嫌がらせ以外の何者でもない、迷惑この上ない曲である。
類義語:
こんふぁめ
とら
【トラ】
《エキストラの略で、古代から使われる隠語》
ライブや演奏の仕事をダブルブッキングしたり、体調不良などで休まなければならない時に代わりの人を立てるために「とら」をお願いし、これを「とらをたてる」と表現する
自分よりも下手な人を立てると、共演者・お店・お客さんなどから苦情が来る可能性がある。また自分より上手い人を「とら」に立てると、その人に次回から仕事を持っていかれる可能性があるので、通常は自分と同じぐらいの技量を持った人にお願いすることが多い。
既に決まっている仕事よりも好条件の仕事が入った場合にも「とら」を立てることができるが、この時にミュージシャンとしてのコミュニケーションスキルが試される。この場合、出演後の「しょうこしゃしん」に写ってはいけない。
関連語:
しょうこしゃしん
どらむのふめんありません
【ドラムの譜面ありません】
《セッションでよく使われる用語》
なぜかドラムの譜面だけない事が起きるが、その原因はドラムはメロディやコードが必要ないと思う人がいるためである。
関連語:
ふめんください
どろっぷぼっくすにあげてます
【ドロップボックスに上げてます】
《Dropboxに譜面や音源をまとめてアップロードすること》
オンラインストレージサービスのDropboxへ自分の音源や譜面のデータをアップしておくことで、「でーたでください」に対応することが出来るようになる。したがって、「でーたびんでおくります」は前時代的なものになりつつある。
「どろっぷぼっくす」以外にも「ぐーぐるどらいぶ」「あいくらうど」など多種多様なサービスがあるが、演奏家がなぜ「どろっぷぼっくす」を好むのかは謎である。
どんなかんじでしますか
【どんな感じでしますか?】
《共演者の音楽ボキャブラリーを見抜くために使う必殺技》
この言葉をかけられた人は共演者に対してどのような音楽にしたいのかを的確に答えなければならない。
なお、この言葉を投げかけた人にきちんと答えられ、その感じが分からなかった場合は逆に自分のボキャブラリーのなさを露呈することになるので使う人とタイミングを考えるべきである。
類義語:
てんぽは
ふぃーるは
[な]
なげせん
【投げ銭】
《チャージを設けず行うライブで、現在あちらこちらで賛否両論となっている徴収法》
チップ制とも言い、本来の意味は「自分たちの演奏に見合った金額を客側が納得して気持ちで払うもの」である。
なお「なげせん」をする場合、専用の「透明なアクリルのバケツ」を用意しなければならない。これは投げ銭をする側も受ける側も不正がないようにするためである。
過去には投げ銭ライブを行った店がみかじめ料として投げ銭の一部を徴収したことも表面化したため、これらは「ぷろとあま」同様、慎重に検討すべき事柄である。
関連語:
ぷろとあま
なんかいやるの
【何回でやるの?】
《特定の小節を何度繰り返すのかを確認する時に使う》
主にフロント奏者がイントロを抜けてテーマに行くタイミングを確認する時や、エンディング前の逆循環コードの繰り返しを何回演奏するかの指示をもらう時に出てくるフレーズで、リハーサル中に確認の意味として使われる事が多い。
演奏中においてはこの言葉が直接使われることはないが、エンディング付近で稀にボーカルが指で「3」の などのハンドサインを出す事がある。
これはあと3回で次へ行くという意味であるが、今を含めて3回なのか次から3回なのかが分からず結局のところ賭けになる事が多い。
関連語:
えっくすたいむ
類義語:
あいずではいります
なんかちがう
【何か違う】
《演奏中に違和感を覚えた時に発する言葉》
自分の思っているフィーリングを共演者が理解できない時、この言葉を使うことで自己主張することができる。この時に「何がどのように違うのか」を的確に説明できることで相手との円滑なコミュニケーションをとることができるが、いわゆる古語を使う世代の人は「なんかちがう」と言うだけでコミュニケーションを図ろうとすることが多いため、ジャズの社会においてもジェネレーションギャップが起きている。
なんとかします
【何とかします】
《リハーサルでうまくいかない時に使う魔法》
様々な不安要素がありギリギリのリハーサルであっても、この言葉を使うことにより大抵の場合は何とかなる。
19:00スタートのライブで18:00過ぎ入りの時、大して「りは」ができない時にもよく使う言葉。
なお、似た言葉の「なんとかなる」という言葉は他力本願のため、プロの演奏家は決して使わない。
また、ギャラを交渉した時に相手が使うフレーズとしても用いられる事がある。
[は]
ぱーてぃ
【パーティー】
《各界において行われるお楽しみ会》
若手ジャズミュージシャンにとっては様々な人と出会う恰好の場所となる。もちろん異性との出会いではなく、古代を生き抜いた先輩たちや、この世の理不尽を詰め込んだような出来事を潜り抜けてきたプロ達に出会い、同じような経験をさせていただく事である。
「ぱーてぃー」においては「しょけんで」や「あたまどこ」「うたもどりびー」「いんとろおねがいします」などたくさんの事案が頻発するため、ジャズの現場を体感するには恰好の催し物である。
若手のジャズミュージシャンは日頃からこの「ぱーてぃー」で様々な理不尽を経験する事でプロになっていく。
繁忙期になるとごく稀に「いまどちらですか」が発動することがある。特に都市部では同系列の外資系ホテルが複数あるため注意が必要。
関連語:
あたまどこ
いまどちらですか
いんとろおねがいします
うたもどりびー
しょけんで
ばっぷをやれ
【バップをやれ】
《ビバップをきちんと練習しないといけないと言うアドバイス》
ジャズにおいてアドリブの基本をマスターするためにはビバップをきちんと演奏できなければならないという「暗黙のルール」が存在する。
ビバップ時代(1945年ごろから1955年頃)のジャズミュージシャンたちがコードやスケールの知識を拡張し、いかに複雑に演奏するかと言うことを突き詰めた結果、現代におけるジャズのアドリブテクニックの礎となった。
なお、とりあえずこの言葉を使うことで若者にマウントを取れるため、「ばっぷをやれ」を多用する特定の人種も一定数存在する。
はねけいで
【跳ね系で】
《8分音符や16分音符が跳ねたフィールを指定する時に使う》
「跳ねる」とはジャズにおいてはスウィング、ポップスやロックなどではシャッフルという方が伝わることが多い。
黒人特有のリズム感で、この跳ねる割合を指定するには「まえ」「うしろ」で表現する。
なお、日本にも跳ねたリズムが存在するが、それは「あわおどり」というもので全くの別物である。ジャズ初心者がスウィングを演奏した場合はこちらになることが多い。
日本人がスウィングを習得するには30年以上かかるとも言われるが、近年YouTubeなどで誰でも簡単にスウィングできると言うデマが拡散されているので注意が必要。
関連語:
ふぃーるは
類義語:
すうぃんぐ
[ひ]
ぴっち
【ピッチ】
《ピッチがおかしい時に発する警告》
音程のコントロールが必要な楽器(管楽器やフレットレスの弦楽器、ボーカルなど)で他の楽器とのバランスが著しく悪い時に「ぴっち」と言う事で当該の演奏者へ注意喚起ができる。
なお、決して「ぴっちがわるい」とは言わず「ぴっち」と早口で言わなければならないがあまり強く言い過ぎると別の侮辱用語に聞こえるため、唇と息のスピードのバランスを保たなければならない。
古語を使う世代の人はやや怒り気味で無表情に言う事が多いが、ゆとり・さとり世代以降には「うぉーみんぐあっぷした?」と優しく聞く方が良い。
類義語:
うぉーみんぐあっぷした
びりーずばうんす
【ビリーズ・バウンス】
《「ぶるーすでもしよう」の後に続く言葉》
初心者が最初に取り組むことが多いブルースで、チャーリー・パーカーの曲であるためピアニストやギタリストにとってはテーマの難易度がやや高い。
びーふらっとください
【B♭ください】
《管楽器の人がチューニングのためにピアニストに伝える言葉》
チューニング時のフレーズではあるが、in B♭の譜面をくださいと言う意味にもなる。
関連語:
えーください
[ふ]
ふぃーるは
【フィールは?】
《楽曲をどのように演奏するかどうか》
4ビート、バラード、スロースウィング、ミディアムスウィング、ストレート8など、テンポやジャンルなども加味される。
ロックではない8ビートのようなジャズはECM系と言えば9割伝わる。
特定のジャンルに明るい共演者がいる場合は「どのラテンでやるの?」と聞かれるので「ラテン」の使用には注意が必要。この場合は「アフロキューバン」と言えば良い。
「ボサ」の場合、安易に「ブラジリアン」という言葉を発動させると墓穴を掘るので要注意。更に「ボサ」と「ラテン」の混同には厳しく言及される可能性がある。
関連語:
いーぶんえいすで
えいとびーとで
さんばで
じゅうろくびーとで
ぼさで
らてんで
ふぃーるらいく
【フィールライク】
《ロバータ・フラックの名曲、フィール・ライク・メイキング・ラブ》
ジャズ界隈の大きな謎の一つにこの曲の存在がある。決してジャズの曲ではないにも関わらず「くろほん」や「りあるぶっく」に載っていることと、コード進行のオシャレさやシンプルさから、初心者のジャムセッションなどでは複数回演奏されたりする。
12小節目でしつこく半音下降をしたがる人が多いが、原曲はもっとサラッとしたコード進行である。そして最後の半音上行で走る。
ふぇいくぶっく
【フェイクブック】
《違法にたくさん収録されたジャズの曲集》
「りあるぶっく」の項を参照
「ふぇいすぶっく」ではない。
類義語:
りあるぶっく
類似語:
ふぇいすぶっく
ふぇいすぶっく
【フェイスブック】
《ジャズに関わるために必要なコミュニケーションツール》
現役のジャズ演奏家は30代以上が多いため、Facebookアカウントを持っている事が多い。
しかし、ジャズを志す10代が「ジャズをやるならFacebookをやらないといけない」と言っている実話もあることから特定の年代だけがやっているとは限らない。
このツールは個人の価値観をパブリックなスペースでいとも簡単に共有する事ができるため、様々な主義主張がここで繰り広げられている。特にコロナ禍以降この主義主張が顕著になった。
なお、ほとんどの使用例は以下の通りである。
「本日のライブ案内」
「○○で演奏してきました」
「○○さんのライブに行ってきました」
「飲み会イェー」
関連語:
めっせんじゃー
ふめんください
【譜面ください】
《セッションで時々使われる用語》
ごめんくださいではない。
主にドラマーが使う事が多い。
なぜかドラマーには譜面が不要と考えている人が一定の割合で存在するが、全くもってそれは非常識な事である。
あまり知られていない曲を演奏する時にも事前に譜面が欲しいという意味で使う。
関連語:
どらむのふめんありません
類義語:
おんげんください
ふめんどおりってことですね
【譜面通りって事ですね】
《ボーカリスト自らが用意した譜面の説明を、一通り受けた後に発せられる言葉》
「譜面通りです」なら1秒で済むのに30秒説明を聞いてしまった後の虚無感から発せられる言葉。
「イントロ、4小節をリピートして8小節です。AのあとBで、Cまで行ったらAに戻ります。戻ったAはソロお願いします。ボーカルBから戻ります。Cまで行ったらコーダに飛んでください。コーダの最後はritして終わりです。」
「それって———。」
関連語:
ふめんどおりです
対義語:
ふめんどおりだったんですね
ふめんどおりだったんですね
【譜面通りだったんですね】
《「ふめんどおりです」に答えられなかった時の咄嗟の一言》
演奏後、譜面通りにできなかった場合はこのフレーズを使うことによりその場は丸く収まる。
なお、このフレーズが使えるのは一公演につき一回までと決まっている。
ただし、事前のリハーサル時に「れんしゅうしてきます」を使っていた場合、この一言は一度たりとも使えない。
関連語:
ふめんどおりです
れんしゅうしてきます
類義語:
ふめんみえない
ふめんどおりです
【譜面通りです】
《譜面に書かれた通りの進行で進むこと》
楽曲内に特に複雑なキメなどがなく、「でたとこしょうぶ」の演奏でも問題ない場合、この言葉で「りは」の演奏をスキップできる。
19:00スタートのライブで18:00過ぎ入りの時、大して「りは」ができない時にもよく使う言葉。
古語においては年長者が若手を鼓舞する意味で、難解かつ複雑な曲の演奏時に使うこともあった。
関連語:
りは
ふめんみえない
【譜面見えない】
《譜面が見えない時に使う咄嗟の一言》
一般的にはステージが暗転した時に譜面ライトを準備していないと発する言葉。
また、一定の年齢を越えると明るい場所でもこの言葉を発する事が多くなる。なお、見えているのにも関わらず「ふめんみえない」と言う事案も過去に起こっていることが報告されている。
類義語:
ふめんどおりだったんですね
ぶるーすでもしようか
【ブルースでもしようか】
《ブルースを演奏する時に使う言葉》
「いんすとなにする」の答えが出ない時にこの言葉を発すると大抵の場合は何とかなる。
時々「ぶるーすか〜」を使う人がいるが、それを言うならその人に決めてもらうべきである。
なぜ、ぶるーす「でも」と言うのかは謎である。
関連語:
いんすとなにする
類義語:
びりーずばうんす
ぶれいくで
【ブレイクで】
《全員休符にする時に使う》
リハーサル時に「ぶれいくで」を聞き漏らすと「あっ」が発動することになる。
一定の割合で「ぶれいくで」を聞いていても「あっ」が出ることがあり、この辺りは共演者の力量と集中力の問題である。
関連語:
あっ
対義語:
きめで
ぷろですから
【プロですから】
《プロが自分がプロだと伝える場合に使われるフレーズ》
聴衆に「上手いね」と言われた場合、さまざまな返し方があり、大概の場合は「ありがとうございます」が有効ではあるが、プライドの高い人は「ぷろですから」を使う方が良い。
使用例)
客「○○さん、さすがやわ〜、やっぱうまいね〜」
演奏者「そりゃプロですから」
客「……」
ぷろとあま
【プロとアマ】
《𝄆永遠に終わることのない一見有意義だが、実はそれほどでもないであろう論議かもしれないという事にしておくつもりの極端でくだらなくもない建設的かつ破壊的な中身を伴わなくないかもしれない実の詰まったよしなしごとをそこはかとなくかきつくればあやしうこそものぐるほしければじゅげむじゅげむごこうのすりきれで𝄇 (X time)》
音楽演奏においてプロであるかアマチュアであるかは本人の自覚次第であり、これらの議論をSNSで発言すると十中八九炎上する。
人は線引きをすることで相手との差別化をしたがる生き物であり、自分の意見を相手に認めさせることで優越感を得る。
このような論議を延々と行うことを楽しむ人もいれば、どうでも良いと言う人もおり、結局のところ答えなんてないのである。
関連語:
なげせん
[へ]
へんびょうし
【変拍子】
《ジャズのスタイルを二分する厄介な存在》
「へんびょうし」を演奏できるか否かが現代のジャズを演奏するスキルチェックの一つとなる。
モダンジャズまでは「へんびょうし」で演奏することなどなかったため、そのような演奏家は「へんびょうし」に対して敵意を持っていることが多い。
コンテンポラリージャズ以降は「へんびょうし」の演奏を難なくやるため、この辺りの演奏家はモダンジャズに対して上から目線で接することが多い。
したがって「へんびょうし」はジャズを二分していると言える。
なお、この二つの殺伐とした世界の架け橋となっている曲が「ていくふぁいぶ」である。
関連語:
ていくふぁいぶ
[ほ]
ほーるとーん
【ホールトーン】
《不思議な響きがするもの》
このスケールを使うと不思議な響きがする。
「えーとれいん」の3、4小節目で使われることが多いが、フレーズ化することが難しいため、本来は上級者のみが使うべきスケールである。
関連語:
おるたーど
こんでぃみ
ぼさで
【ボサで】
《「ふぃーるは」に対する答えの一つ》
ジャズにおいて頻繁に演奏されるボサノバのフィールを指定する時はこの言葉を使う。間違っても「らてんで」と言ってはならない。
なお、ボサノバはブラジル音楽を源流とするため、こちらの音楽に詳しい共演者がいる場合、「ぱるちど?」が発令される可能性がある。
なお「ぱるちど」についてはIMIJAZZ Brazilianを参照
(2024年以降発刊予定。予定は未定)
関連語:
ふぃーるは
ほんじつのらいぶあんない
【本日のライブ案内】
《最後の悪あがき》
ずっとライブの宣伝をしていたのにも関わらず集客が見込まれなかった場合はこの「ほんじつのらいぶあんない」に最後の望みを託すしかない。意外なお客が顔を出すことがある。
普段から宣伝にあまり興味を持たない一部の人たちは、今日がライブだと言う事もあまり意識がなく、会場に向かう電車の中でこれを発信する人もいる。
[め]
めっせんじゃー
【メッセンジャー】
《ライブの打ち合わせや譜面、音源のやり取りをするためのアプリ》
ジャズの演奏家は概して30代以上が多いため、コミュニケーションツールとしてはもっぱらFacebookが使用される。
Facebook上でメッセージのやり取りをするためにはこの「めっせんじゃー」が使われる。
時々譜面が表示されないことや音源が聞けない事があるが、理由は謎である。
また、お気に入りの女性演奏家と知り合った時の一方的なコミュニケーションツールとしても重宝するが、ごく稀にも奇跡は起こらない。
[ゆ]
ゆーちゅーぶ
【ユーチューブ】
《あらゆるジャンルのコメディが見られる動画共有サイト》
「おんげんきかせて」と言われた場合、「ゆーちゅーぶ」で検索すれば大抵はすぐに出てくるが、動画を再生した瞬間「らくてんかーどまん」などの大音量が鳴り響くのでこの時必死にスキップボタンを押すが、中々終わらず耐え難い時間が流れる。
最近はやたらと大きな原色縁取りフォントで大袈裟なタイトルをつけたサムネイルをつけた動画が氾濫し、ゲシュタルト崩壊を起こしやすい。
ジャズ初心者はおすすめ動画に翻弄されて1日が過ぎる傾向が強いため「ゆーちゅーぶ」の閲覧は控えた方が良いとされる。
関連語:
おんげんきかせて
ゆーびーそー
【ユービーソー】
《ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥの省略形》
ボーカルがよく歌う曲。
「トゥー」がどこに何回入るのかがわからなくなるため、「ゆーびーそー」と省略し、「ど」は無かったことにされている。
この曲の9割はマイナー・キーであるが最後だけメジャー・キーに解決しているため、ボーカルにキーを聴く時は注意が必要である。
なお、邦題は「帰ってくれたら嬉しいわ」であるが、「あなたが家に帰ってきてくれたら私は嬉しいわ」の意味であるのに、「あなたがとっとと家へ帰ってくれたら嬉しいわ」という意味で捉えている人が一定数いる。
[よ]
よやくありますか
【予約ありますか?】
《お店の人が使う挨拶》
ライブ当日にお店の人が演奏者に対して使う挨拶の言葉で、この言葉をかけられた人は「〜〜さん、○名で予約されてます」と返さなければならない。
お客をたくさん呼んでいる場合は「よやくありますか」と聞かれる前に得意げに発表するのが好ましい。
万が一、誰からの予約もなかった場合は申し訳なさそうに様々な言い訳をする必要がある。
類義語:
しゅうきゃく
[ら]
らいぶはいしん🆕
【ライブ配信】
《ライブを撮影し、インターネットで配信して閲覧できるようにする事》
2020年のコロナ禍においてライブハウスから感染者がたくさん広まったことにより、ライブ会場はスケープゴートとなった。
これによりミュージシャンやライブ会場の経営者は大打撃を被り廃業する人たちもたくさんいたが、生き残りをかけて行ったのがこのライブ配信である。
複数の4Kカメラで音声もクリアに聞こえるハイクォリティな動画配信から、携帯を壁に立てかけ、音が途切れたり謎の声が入る特徴的なものまで、黎明期には多種多様なライブ配信が存在した。
当初はライブの代替案として行われていったものの、今となっては別の表現手段として、有料で行う事も確立されるようになってきたため、ライブとライブ配信は全くの別物である。
また、著作権管理局の「じゃすらっく」の覆面調査による著作権徴収時の証拠としてもライブ配信による動画が有利に働く事が多い。
関連語:
じゃすらっく
らてんで
【ラテンで】
《「ふぃーるは」に対する答えの一つ》
ジャズにおいてはラテンというとアフロキューバンを指すことが多い。このニュアンスで混同しやすいのがボサノバである。
ラテン界隈の共演者がいる場合、「どのらてん?」が発動されるため、この会話についてはLatino IMIJAZZの購入をお勧めします。
関連語:
ふぃーるは
ぼさで
[り]
りあるぶっく
【リアルブック】
《ジャズの曲がたくさん収録されたリードシート集》
ジャズミュージシャンのエゴからうまれた違法なリードシートを一冊の本にしたもの。
演奏者個人の思い込みや価値観が存在するため、正しいリードシートは存在しないのになぜかリアルブックは正しいと信じ込ませる人が後をたたない。
正しい譜面が存在しないジャズの世界において、ジャムセッションなどで共通認識を作るため簡潔にまとめたものではあるが、譜面通りに演奏してしまうと非常に眠たい演奏になる。
しかし、メロディを簡潔に覚えるためにはなくてはならないものでもある。
りは
【リハ】
《リハーサルの略》
「とうじつりは」と「じぜんりは」がある。
「じぜんりは」はキメごとが多く難易度が高い曲をやる時などに行われる。普段から意識の高い演奏家たちは「じぜんりは」を欠かすことはない。
「とうじつりは」は普段忙しい演奏家が19:00スタートのライブで18:00過ぎ入りの時に行うものであるが「とうじつりは」で行う内容の7割はほぼ意味がない。
りばーぶもうちょいふかく
【リバーブもうちょい深く】
《フロント奏者がよく使うフレーズ》
フロント奏者が自分に酔いしれたいタイプの場合は頻繁にこのフレーズを使うので、その場合は「はーーい」と答えると良い。
なお、リバーブは実際にそれほどかけなくても「どうですか〜」と言えば相手は満足する。
関連語:
そんなきがする(ぷらしーぼこうか)
[る]
るばーと
【ルバート】
《テンポを指定せず自由なタイミングで演奏すること》
まるで時間が自分だけのルールに従っているかのように、バンドメンバーとは無関係にマイペースに進んでいく音楽用語。もはやテンポの支配者となり、他のメンバーはただそれに従うのみである。
関連語:
いんとろるばーとで
[れ]
れんしゅうしてきます
【練習してきます】
《リハーサルでうまくいかなかった時の咄嗟の一言》
「たまたま」「忙し」くて「練習でき」ず、リハーサルでうまく弾けない時に使う。
リハーサルにおいてこの言葉が発動された場合、共演者は本番までの猶予を与えなければならない。
なお、本番でうまくいかなかった場合は「あっ」が発動し、プロを名乗る事ができなくなる。
関連語:
ふめんどおりだったんですね
れんしゅうぶそくですみません
【練習不足ですみません】
《練習があまりできていない時に使う用語》
「たまたま」「忙し」くて「練習する」時間があまり取れなかった場合はこの言葉で防御線を張る事ができる。
しかし、プロはなぜかこの言葉を使ってもきちんと演奏できる。
また、「きのうねてない」との合わせ技としても使え、相手の同情を誘う事ができる便利な言葉でもある。
関連語:
きのうねてない
[ん]
ん?
【ん?】
《様々な状況で使う効果音》
共演者が演奏ミスをした時は「自分はあなたのミスに気づいていますよ」と言うことを伝えられ、自分が演奏ミスをした時は「譜面が間違ってるんじゃないか?」と主張することができる。
自分のギャラがなぜか少ない時もこの効果音を使うことでピンハネした本人を威嚇することができる。
リハーサル中でも演奏中でも演奏後でも使え、この項を読みながらも「ん?」と発音する人も多く、誰でも一度は声に出したくなる魅惑の効果音である。
⚠️IMIJAZZは個人の経験に基づく用語集です。ジャズの日常で「あ~、あるある」のクスッとくる共感ができれば幸いです。特定の個人やグループを揶揄するものではないので、皆さんでこの感覚を共有してよりよいジャズライフを😛
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