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僕が音楽マネージャーになるまで – ⑧世界の終わり

「人と音楽を繋ぐこと」

業界未経験の新人として、僕がプレゼン出来ることは、なぜこの仕事をしたいのか、その熱意を伝えることしかなかった。

面接の日、一世一代の思いを胸にラストラムの事務所へ向かった。

通された会議室で緊張していた所に、社長の村田さんが現れた。

「どうも〜」とニコニコしながら入ってきて、いきなり両足を机の上に乗せた。
しかも、手には謎の瓶を持っている。
絶対に濃い目のアルコールが入っていそうな瓶を片手に、両足を机にあげた社長の面接が始まった。

正直、この時の記憶はほとんど残っていない。
ただ、素直に人生紆余曲折あったけれど、人生をかけて行いたい答え、「人と音楽を繋ぐこと」がしたい、そのチャンスを頂きたいという想いを伝えた。

数日後、電話がかかってきた。

「面接の結果ですが、3ヶ月の試用期間でまずはやってみませんか?」と言って頂き、何も出来ない、ただの熱意しかない僕にチャンスを与えてくれた。

村田さんは、元々矢沢永吉のマネージャーで、その後ブルーハーツの事務所「ジャグラー」を立ち上げ、その後はワーナーの副社長になるなど、業界のレジェンドみたいなキャリアを持つ方だ。
今は、Official髭男dismがラストラム所属だったり、スーパーヒットメイカーで僕にとっては永遠の師匠だ。

最初に入社出来た会社がラストラムで、相談出来る上司に村田さんがいたことは、僕にとって何よりの幸運だった。

ちなみに、面接時の謎の瓶の中身はただの健康に良いお茶だったと、入社後に知り安心する(アル中かと本気で疑っていて、最初は聞くに聞けなかった笑)。

入社し、村田さんからの初指令。
「お前は何にも実績ないし、まだ何も出来ないんだから、必死に新人を探してきなさい。」というありがたい指示を頂いた。
「人と音楽を繋ぐ」ための最初のきっかけとなる新人探し。
早速、狂った様に新人探しを始めた。

この頃、ライブハウスのスケジュールを見ては、気になった名前のバンドやグループをMySpaceで聴く(今で言うYouTubeとかSoundcloudみたいなツール)というのを繰り返し、少しでも気になったり良いなと思ったら、実際にライブハウスに足を運ぶというのを繰り返していた。

東京だけでも結構な数のライブハウスがあり、音源を聴いていくのにも、かなりの時間がかかる。
この頃、毎日夜中の3時くらいまで、この作業を繰り返していた。
この時、自宅がかなり会社から遠かったのだが、新人の僕は一番最初に出社して掃除をするというのが大事な仕事の一つだったので、当時の睡眠時間は毎日3、4時間程度だった。
でも、全然、辛くなかった。
最高の才能と出会って、一日も早く世の中に届けたかった。

新人探しを始めて2ヶ月くらい経ったある日、とても気になるバンドを見つけた。

「世界の終わり」

という名前のグループだった。

https://twitter.com/Ryota_Shishido ラストラム→TOKYO FANTASY→RED 主に音楽関係のマネージャー 新しい才能との出会いを求めています。 音源やプロフィールはツイッターのDMかinfo@red.jp.netまでお気軽にお送りください!