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「推敲クラブ」発足
「書く」から「磨く」へ
文章は、一度書き終えたところが「はじまり」だと思っています。そこから文章を磨き上げる工程に入るのですが、それを「推敲」と呼びます。自分の書いた文章に対して、吟味と工夫を重ね、洗練させていく。「書く」から「磨く」へのシフトです。
この工程を、手を抜かずにできる人が、最も色っぽい人だと思っています(あくまで個人の感想です)。だって、つらいのだもの。夜中に書いたラブレターを翌日読み返すことに似ています。冷徹に「ダメな自分」と向き合う。書いている時は、ある種フロー状態と言いますか、気持ちがいいんです。頭の中に浮かんだこと、こころに湧き起こったものを、逃さずにつらまえ、ことばに置き換えてゆく。
それを、あとから冷静な目で見つめ直してみると、ファンダンゴしているんです。フェリーニの『甘い生活』です。情熱的で、退廃的で、冗長的で、取っ散らかっている。興奮して浮ついた自分の姿を見るのは、虚しいものです。みっともない。『枕草子』をサンプリングするならば「火桶の火も、白き灰がちになりてわろし」の感覚です。それを削り、整え、磨いていく行為が「推敲」です。
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磨く人
「ダメな自分」と向き合い、吟味と工夫を繰り返す。大人の色気は、己の行為に対するシリアスな姿勢から醸されるのではないでしょうか。「そこまでやるの?」という人は、やっぱりかっこいい。「磨く」は、セクシーなのだと思います。
文章を洗練させていく中で、「書く」という技術を育む。推敲は大変だけれど、文章がより良くなっていくのを実感できるのは楽しいものです。そして、推敲をするほど「書く」は上達します。フィードバックを繰り返すのだから、質は高まります。
「教養のエチュード」とは、人生を豊かにする姿勢です。「ここで十分」からの、プラス三度の推敲です。先日、「ことばは、人である」という内容の文章を書きました。文章を磨くことは、人間を磨くこと。人間を磨けば、扱うことばも磨かれる。その逆も然りで、ことばを磨けば、人間も磨かれてゆく。つまり、推敲によって文章を磨くことで、自分の内面をリッチにする。瑞々しく、色鮮やかに、育んでゆく。
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推敲クラブ
趣味で文章を書いている人には必要のない工程かもしれません。
文章を書くことに、決まりごとはありません。「こうすべき」みたいなことを語るつもりはさらさらなく。誰もが自由に、好きなことを、好きな時に、書けばいいと思っています。
ただ、「今よりも良くなるためには」と考えている人と共に、推敲について考えていけたらと思います。推敲の考え方をシェアし、時に議論して理解を深め、推敲をライフワークにする。それぞれの課題を、発表し合うのもいいかもしれません。実践的な推敲を推奨。
よって、ここに「推敲クラブ」を発足します。
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ゆるくはじめます。
このクラブを大きくしたいとは思っていないので、マガジン・サークルメンバーの有志と活動したいと思います。オンラインCafeBarDonnaやシルキーラジオを定期的に開くので、そこで意見交換できるとうれしいです。共に、推敲して文章を磨きましょう。
まずは、4月29日にライターのサトウカエデさんに推敲についてお話をお伺いします。NZタイムに調整しているので、日本では昼時間ですが遊びに来れる人はぜひ。
〈オンラインCafeBarDonna vol.52〉
推敲クラブ#1
話し手:サトウカエデさん
4月29日(木)
10:30~12:00
参加ご希望の方はTwitterのDM、あるいはメールアドレスまでご連絡ください。
▶ donna.the.primal@gmail.com
※こちらのイベントはサークル&マガジンメンバー対象です(メンバーはどなたでも参加いただけます)。
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【サークル&マガジン】
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