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互いの扉を開いてゆく

目覚める。

顔を洗い、口をゆすぎ、白湯を飲み、朝さんぽからの床磨き。完璧な朝のリレー。ここのところAuto Cooking Potが大活躍。中に材料を入れれば自動調理してくれる魔法のポット。それを使って、妻がパスタソースやドライカレーをつくってくれる。今朝はバナナと小松菜のスムージーを。もともとバーテンダーをしていたこともあり、リキッド系には几帳面なわたし。いただくと口当たりまろやか、テクスチャーふわふわまったり、後味スッキリ。最高の朝がかがやいた。来月に誕生日を迎える娘に、同じものを贈るらしい。それもまた愛おしい。

本日は、フラメンコダンサーのSirocoさんをインタビューした動画を編集する。彼は、映画で観たフラメンコに魅了され、フラメンコダンサーになるため20歳で単身スペインへと渡る。不自由だらけ。言語も思うままに扱えない中、情熱と根気で世界一のフラメンコダンサーの元へ辿り着き、そこで鍛錬を積む。そして、スペインロンダ県で開催されている国際コンクールで日本人男性舞踊手として初の優勝という快挙を果たす。燃え上がる情熱で人生を切り拓いてきた人だ。とにかくおもしろい。

インタビューの終盤で話した「目を見れば、相手のやさしさがわかる」ということばが印象的だった。命を削りながら舞い踊ってきた彼だからこそのことばだ。すべては瞳に宿る。ことばは要らない。肉体の対話であり、魂の対話だ。

夜はMo(l)istenを開いた。

劇作家で演出家のたみおさんと写真家の千陽さんが遊びに来てくれた。たみおさんはタイムランに置かれたわたしの日記を読んで、ご自身も日記をはじめたらしい。うれしいものだ。誰に頼まれたわけでもないが「いい文章を書かなければ」と、書きはじめる前からどうしても構成を考えてしまうのだという。とてもよくわかる。「いいものを書きたい」「読んでくれる人に、何か納得してもらいたい」という欲を手放すのは難しい。大事なのは、自分を楽しませること。

日記を書くのはかんたん。今日、あったこと、思ったこと、感じたことをただ書くだけでいい。すばらしいことを書いたり、誰かを楽しませたりする必要もない。ただ“自分”だけは楽しませてあげたいよね。

#無理をしない日記術

わたしの“ありふれた、しあわせの日常”が、誰かにとっての何かしらのきっかけになっているのはとてもうれしい。わたしの日記は、深呼吸であり、感性をひらくエチュードであり、自分がかがやくためのセラピーである。さんぽと同じように、こころを軽やかかつしなやかにするためのダイアリーカルチャーが広がれば、これほどうれしいことはない。

千陽さんとは写真の話を。被写体のニュートラルな魅力をいかに引き出し、写し出すか。写真なのだけれど、武術や舞踏のような話だった。ついでに、対話の神髄にも触れるような話。いつまでも語ってしまえる。千陽さんは、奥深くにあるとろりとした溶岩の中へダイブするみたいに、熱くてやわらかい哲学の沼へと突き進んでいる。野生を解き放て。千陽さんが進化してゆく姿がこれからも楽しみだ。

Mo(l)isten【3】のアーカイブはこちら。

対話した相手が、新しい“わたし”の扉を開いてくれる。その気持ちで相手と向き合うと学ぶことが多い。互いにリスペクトを贈り合って、互いの扉を開いてゆく。そんな対話の場を育ててゆきたい。



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嶋津 / Dialogue designer
「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。