「調」える
「調」ということばが好きです。
「調える」、「調べる」、「調べ」、と扱い方は多様です。支度を調えたり、生態を調べたり、音の調べを味わったり。調律、調和、調理、協調、調整、新調……と「良い塩梅にととのえる」という意味があります。「調べる」には「確かめる」という意味もありますが、「良い状態」は何かを一つひとつ確認して整えている様子が伺えます。
本来の“あるべき状態”とは何かを知り、調整すること。複合的な要素を編み上げて、ハーモニー(調和)を生むこと。料理であれば“調理”となり、楽器であれば“調律”となり、人と人であれば“協調”となる。
わたしは、「対話」を通して、異なる価値観を共有し、空間の“調和”を心がけています。それは、器の中に材料を入れて、シェークすることで風味を一体化させる「カクテル」に似ています。互いが長所を引き出し、短所を補うことで、高め合い支え合う関係性。それぞれの個性を掛け合わせて、一つの空間をつくり上げる。
チームプレイ。それは、演劇であり、料理であり、アンサンブルである。調和がもたらす新しい世界を見てみたいのです。そこには、一つひとつの要素だけでは為し得ない豊かな実りがあります。
じっくりと、育てて、ととのえる。
わたしはそういう人間でありたい。
ひとえにそう思うのです。
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