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インターネットは宝くじ
「夢の日記がおもしろい」
わたしの日記を読んでくれた人からそんなことばをいただいた。年末から「ありふれた、しあわせの日常」と題して毎日日記を書いている。内容はタイトル通り、とるにたらない、ありふれた日常について。「おもしろい話を書こう」とか「有益な情報を発信しよう」とか、そういった呪縛からは解放された文章。その日に起きたこと、思ったこと、感じたことを淡々と書く。暮らしの中で、自分の感受性に耳を傾ける。その時間そのものを愛でるやわらかな儀式。
そんな自分のためだけの文章でも、有難いことにそれを日々の楽しみにして読んでくれる人がいる。冒頭のことばは、先日書いた夢についての日記を読んでくれた方から届いた感想。感想をいただけることはうれしいものだし、それが空を飛ぶ夢の話というのは意外だった。他人が見る夢の話ほど退屈なものはない。そんなやりとりをしている中で、ふと昨年の初夢を思い出した。
昨年の元旦。初夢で宝くじが当たった。金額は2000万円。妻と一緒にわいわい喜んでいたところで目が覚めた。正月からなんとも景気のいい夢だ。と、その足で妻と一緒に宝くじを買いに行った。結局、それは正夢とはならずにくじはただの紙となった。ただ、「もしかすると当たるんじゃないか」と胸を高鳴らせて小さな黄色い売店に並んだのは楽しい体験だった。
夢もまた、人生の一部。毎晩、楽しい夢を見ることができたとしたら、どれだけ豊かだろう。
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今日は原稿を書いて、それから動画を編集した。わたしが編集するYouTubeチャンネルは3つある。一つは『ダイアログ・ジャーニー』。わたしのライフワークの対話型インタビューのコンテンツ。二つ目は心理カウンセラーの先生との対談型のコンテンツ。三つ目は武術家の先生のコンテンツ。先生は、太極拳の世界チャンピオン。ある縁がきっかけで仲良くなり、YouTubeのプロデュースを関わらせてもらっている。思い返せば、もう十年の付き合いになる。彼女は講師として大忙しだし、わたしも仕事に追われているのでそこまで力を注げていなかったのだが、毎週のように企業からの案件を含めて問い合わせが届く。登録者も日に日に増えてゆく。内容が良ければ、自然と増えてゆくものなのだ。先生のチャンネルがより多くの人に届いてくれるとうれしい。
インターネットにコンテンツを置いておくことは大事だとあらためて感じる。このnoteもそうだけれど、何かのきっかけでしばらく前に投稿した記事や動画が突然見られはじめることがある。もしかすると、インターネットの海に放流するコンテンツこそ宝くじなのかもしれない。
夜は、茶道の先生を迎えて焼肉をした。年末に買った鉄板が活躍する。弱火でじっくりと肉を焼く。じゅわっと祝祭的な音色がリビングに弾ける。エリンギ、ピーマン、玉葱、獅子唐。焼き目がつくと、どうして野菜たちは色っぽくなるのだろう。うっとりする姿になった間に器へ移す。食べ頃になるまでお世話するのがわたしの仕事。これがとても楽しいのだ。
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