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ジェネくらない

「ジェネリック医薬品」というものがある。

特許の切れた医薬品を他社がつくった薬。有効成分は同じ。このジェネリックという概念は昔から存在し、それによって人類は進化してきた。最近では、コンビニがメーカーの商品をどんどんジェネリック化している。

消費者はジェネリック商品の方が安いからうれしいだろう。別にノウハウを発見したり、広めたり、それを利用することが悪いと言っているわけじゃない。むしろ、それは社会全体のためには大きな価値がある。

でも、それは大量のジェネリックを生み出しているだけなのではないだろうか。全体の能力は上がる。でも、誰かと同じ方法で得た力は、誰かと同じ結果しか生まない。

好きな人について思いを巡らせている中で、ふと気付いた。わたしは「最適化と効率化と合理化を追求した人」を好きになったことがない。わたしが惹かれるのは、右の道の方が絶対得するのに、自分の生理的な「何か」を信じて左を選んでしまうような人。ジェネリック商品をつくる時に、出てきたら1秒もかからずはじかれるような人。

最短距離で目的地に向かわない。みんなバカみたいに寄り途をしている。でも、「行為」に対してはどこまでもマジメ。冗談も言う。自分のことを「怠け者」だとも言う。でも、信念に対する「行為」は神聖さを感じるほどの姿勢を見せる。ジェネくらない。

それが誰かの笑顔に繋がるならば、これほどすばらしいことはない。


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嶋津 / Dialogue designer
「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。