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すべての営みは日記となってゆく

今日は早朝から、建築家の谷尻誠さんとお話をした。

誠さんとは定期的に対話する機会がある。とても不思議な人で、お話をすると毎回朗らかな気分になる。表情とことばの選び方に清々しくて気持ちいい。以前、誠さんの誕生日にお祝いのメッセージを送ったことがある。どうやらスノーボードのために雪山を訪れていたようで、感謝のことばと共に、雪化粧した山肌に陽が差し込み、きらめきが彼方まで広がった美しい写真が届いた。誠さんは、そういう人だ。

今日は原稿を書いて、動画を編集した。

武術家、ドクター、教員、心理カウンセラー。別々の空間、その時々で生まれたことばがわたしの脳内で手をつなぎ、シナプスが活性化する。対話することは、人間を知ることなのだと思う。同時に、自分を知ることでもある。

義父の入院も手伝ってだろうか、ここのところ医療従事者やセラピストの話を聴く機会に恵まれている。わたしの無意識が「健康」を求めているのかもしれない。誰の話を聴いても、ストレスとの向き合い方が一つの大きなテーマとなっている。あらゆる病は、ストレスによって引き起こされるのだ。ストレスとして受け止めずに受け流したり、あるいは身体を動かしてエネルギーを発散させたり、はたまた解釈を切り替えて新たに意味を再構築したり……心構えと在り方でずいぶんストレスは軽減できる。これらは技術であって、意識して訓練すれば習得できる。休息上手が、健やかに生きる知恵なのだ。

夕刻、Mo(l)istenをひらく。

BGMは((( o )))というアーティストの一枚目のアルバム。細胞を美しく揺らすような音色が好きで、彼女の声をよく聴いている。今日はAI談義から「ポンコツ論」と「あらゆる表現は日記となる」という話をした。世の中のポンコツを愛でる感性がひらいてゆくと同時に、自らでもポンコツの領域を今の内から耕しておかねばならない。日記はそのための道具となる。“日記”はメタファーであり、すべての営みは日記的なものとなってゆく。

恥じている暇はなく、呼吸するように日記を綴ることが大事なのだ。と、雑談の中でわたしはそう言った。




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嶋津 / Dialogue designer
「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。