本屋のない街はバカばっか
久しぶりに地元へ帰ると、本屋の品ぞろえが悪い。本屋とは名ばかりの文房具屋さんになっている。教養本とは名ばかりの自己啓発本が並び、エッセイとは名ばかりのアイドルの写真集が並べられている。それを手に取ろうとすると、ちゃんと梱包されていた。してやられた。
最近、20代にやるべき何個かのこと的な本が散見される。30代、40代とそういう本も増えてきた。もういい大人なのだから自分の人生ぐらい自分で決めてくれよ。やるべきことは自分で決めるし、それは人それぞれだ。本を読む人もいれば、ネットニュースを見る人だっている。それでいいじゃないか。そういう本は本ではありません。便所の落書きと一緒です。安易に信じて得体の知れない電話番号にあなたはかけないでしょう。そんな本屋さんもない街はもっと不健全だ。物事の良し悪しは全て本から教えてもらう。漫画だって立派な本である。弱い者いじめはだめで、仲間は大切だと友情冒険活劇から教えてもらったし、強いヤツは絶対で、秘孔を突き合ったのは世紀末面白噺から教えてもらった。
最近はカフェが併設された本屋があるがあれはどうも好まない。餅は餅屋で本を探している最中にコーヒーの香りがしてきたらたまったものじゃない。印刷物のあの匂いが好きだ。
地元へ帰るとやることがない。この未曽有の事態で町が死んでいる。役所へ就職する皆々様、あなた方で変えてください。今日、ITが発達しているというのに、あんなにも受付に人はいりません。あんなにも人がいるくせになぜあんなにも待たされるのか。誰に話を通して、誰かに相談して、白髪眼鏡の男性に許可をもらって。2021年ですよ。マイナンバーカードを貰いに行くだけでなぜ1時間もかかる。役所へ就職することは安定でもなんでもありません。30代で小さい一軒家を買って、ハイブリット車を買うための仕事ではありません。その町を変えてみなさいよ。私は役所に就職もできないですが。
役所志望でも面白い女性がいる。その女性は高校の同級生で、いわゆる学年のマドンナだった。女帝であるが嫌味がなく、敵をつくらず、本当に信じるべき人間の見極めができ、学年一位ほどの学力を持ち、よく笑う女性だ。私は常々、良い女だなと本人に言ってきたが、結局付き合えず、私の親友と付き合っていた。完璧に見せて少し隙もある所が彼女の魅力である。浮気をしたのだ。私は浪人時代、なかなか娯楽がなかったが、唯一大爆笑した。やはりいい女だなと感じた瞬間だ。そんなマドンナも役所志望だ。その役所は宝の持ち腐れをせず、魅力を大いに発揮させてあげてほしい。究極の人たらし。私より田舎出身。1から10にする能力。あなたは本当に大事にするべきことを知っている。
この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
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