闘病記②~東大病院への紹介~国指定難病CRMOはつらいよ
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専門機関でのMRIの検査結果…疲労骨折!?
さて、必ず訪れるお尻の激痛に苦しまされる毎日が続くこと、4か月。
2件目に訪れた近所の整形外科で、専門機関によるMRI検査を勧めてもらいました。
職場近くにあった、ある検査専門クリニックでの検査の結果は、なんと、疲労骨折。腸骨という、腰に左右の手をエッヘンと当てると触れるごつっとした部分の骨があります。その左側のほうに、「骨融解」(骨の一部が失われていること)があるというのです。
それまで、お尻の痛みは、在宅勤務の、あまり良いとは言えないデスクワーク環境の中で起こった、筋肉系、あるいは神経系の原因と思っていました。ですから、まさか骨が一部破損しているとは、驚きでした。
何かもっと大きな病気が隠れているのか
しかも、「疲労骨折を疑う」という所見にはどうも違和感がありました。
疲労骨折と言えば、スポーツや肉体労働で身体のある部分に長期的に負荷がかかった結果、なるものというイメージがありました。
入社以来10か月デスクワークオンリー、コロナ下の影響もあってろくに運動もしていない僕が、しかも身体の中では比較的頑丈な部類の腸骨に疲労骨折をするのだろうか。
何か、大きな病気が隠されているのではないか。例えば、骨髄にがんが発症したとか。。不安になった僕は、近所の整形外科の先生に相談をしました。その結果、母校である東大の附属病院に紹介してもらえることになりました。
東大病院への紹介
東大病院では、整形外科クリニックからの紹介だったこともあり、整形外科での診察となりました。
東大病院でも造影剤MRIやCTなどの検査をしましたが、やはり激痛の原因は不明。
ただ、主治医の先生に言われたのは、「悪性腫瘍の可能性も否定できない」と。
自分がまさかがんになるとは。でも確かに、骨に出来るがんの症状を調べてみると、「夜間痛」「病的骨折」など、心当たりのあるものばかり。
不安に押しつぶされる日々でした。
結局、悪性腫瘍かどうかの鑑別の為に、東大病院では、左腸骨の検体を採取する検査手術をすることになります。検査と言っても、全身麻酔で身体にメスを入れ、3泊4日の入院を伴う、本格的なものになるようです。
開成同期の医学部生が励ましてくれた言葉(謎理論)
入院の前、高校時代の友人とご飯を食べに行ったとき、「もしかしたら悪性腫瘍かもしれなくて、今度検査をするんだ」と言いました。
その時、医学部に通っていたW君が言ってくれた言葉に、妙に励まされたことを覚えています。
「開成東大行って新卒でヘッジファンドに入るだけでも超低確率なのに、その上24歳で悪性腫瘍なんて、そんなのさすがにあり得ないよ。」
本来、自分の経歴と病気なんて全く無関係ですし、謎理論なのですが、確かに悪性腫瘍になる確率自体がとても低いのは事実ですから、その言葉で自分の気持ちが楽になったのでした。
入院と手術
2021年7月初頭、東大病院への入院をしました。
手術が予定されていたのは、入院翌日。手術前日、僕は不安で不安でしょうがなくて、思わず入院中の主治医の先生に聞いてしまいました。
「悪性腫瘍である可能性は、どのくらいでしょうか。」
聞いたところでなんの助けにもならないことはわかっていたのですが。。
先生の返答を聞いた僕は、その質問をしたことを一層後悔することになります。
「フィフティーフィフティーだと思います。」
W君、「開成東大ヘッジファンド」の僕が悪性腫瘍な確率、50%だってよ!
(続く)