π
映画「π」読み方は「パイ」ですね。
1998年のアメリカ映画です。
白黒映画です。
ひとりの男がいるんです。この男は外の社会を遮断し、ひとり、モニターがいっぱいある部屋でパソコンにむかって株の動きを予想してるんです。毎日、毎時間、毎分、数字を見つめている男なんですね。
そんな男のパソコンがあるとき故障するんです。画面に216桁の数字を表示したまま故障するんです。
ここから男の運命が動きだすんです。
男はこの数字の意味を探りだすんですね。男のまわりには数少ない知り合いがいるんです。男の能力を評価している証券会社と、バーで知り合った数学者なんですね。
男はこの216桁の数字は、神の言葉を数字で表してるんだと確信するんですね。
この数字を巡って、証券会社、数学者が男に迫ってくるんです。
数字と数式に覆われた映画ですよ。
題名の「π」は円周率ですね。
この世界はすべて数字で出来てるでしょ。
すべて数字で解説、解明できる。ぼくら生きてて数字を見ない、数字にふれない日なんてないよね。
その数字に目をつけたこの脚本、アイデアおもしろいですね。
短いカットをつなげ、また、白黒画面が観客を常に不安にさせます。
1977年のデビッド・リンチ監督の
長編デビュー作「イレイザーヘッド」の世界ですね。
この映画も白黒で、常に観客を不安にさせる電子音が使われてました。大好きな作品です。
この作品「π」は、不安定ななかを浮遊しているかのような感覚、感触の映画ですよ。
監督はアメリカのダーレン・アロノフスキー。
これがデビュー作です。1969年生まれの若い監督です。この作品撮ったときは29歳です。
またアメリカからおもしろい監督誕生しました。