エル・トポ
映画「エル・トポ」
1970年のメキシコの映画です。
「エル・トポ」というのは「モグラ」という意味があるみたいですね。
監督はチリ出身の鬼才アレハンドロ・ホドロフスキーです。
この映画、時代設定も、どこの国の物語かも語られません。ホドロフスキーが描くひとつの寓話なんです。
砂漠化した大地を馬に乗り、息子と旅する男がいます。この男の名前がエル・トポというんですね。
黒い帽子に黒のマント、全身真っ黒な男なんです。息子は素っ裸に帽子だけかぶってる。
異様でしょ。
エル・トポは族に支配されている修道院を助けるんですね。
その修道院にいた女から「私への愛の証に4人のガンマンを殺しなさい」と言われるんです。
ここから4人のガンマンに会いにいく旅が始まります。
この映画、異様な光景が終始続きます。
腕のない男、木にささったヤギの頭、次から次へとショッキングな光景がでてきます。
ただ単にショッキングな画を並べてるんじゃないんですね。ストーリーがあり、全て繋がっている。意味があるんですね。
監督が作り出した寓話の世界で、生と死、子供から大人への成長を描いてるんですね。
これは映像でしか表現できません。
自分のイマジネーションを映像化できる監督に感激します。その監督に応えたスタッフもすごいですよね。
アンディ・ウォーホル、
ジョン・レノン、
ミック・ジャガーらアーティスト達がこの映画みて感激したんですね。
彼らが熱狂した理由がわかります。
この映画のあと、模倣したような作品もでましたが、「エル・トポ」の領域には達してませんね。
ホドロフスキー、現在も現役の監督です。
映画の可能性、映像の可能性を教えてくれます。