ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
2007年のアメリカ映画です。
監督は40代と若いポール・トーマス・アンダーソンです。
題名にBlood=血がはいってます。
20世紀初頭のアメリカが舞台です。石油を掘り当て一攫千金を夢見る男が主人公です。
オープニング、一切台詞はなくカメラは採掘作業に精を出す主人公の男の姿を追っていきます。
男は血の繋がっていない息子を連れてるんですね。
ある牧場から採掘権を買い取り石油を掘り当てます。石油の黒さ、土の黒さが怖いくらいによく描かれています。
掘り当てたときに爆音で息子は耳が聞こえなくなってしまいます。そして、男は息子を捨てるんですね。
男の一部であった息子を捨てることで、徐々に男の描いていたアメリカン・ドリームが崩れていくんです。
主人公の男を演じているのが、イギリスの俳優ダニエル・デイ=ルイスです。
映画「マイ・レフトフット」では小児麻痺の主人公を演じるために撮影中は車イスで過ごし、スタッフがかかえて移動させていたようです。
また突然、靴職人を目指し映画界から距離をおいたりと、おもしろい俳優ですよね。
その役作りから、怖がられることもあるみたいです。監督のポール・トーマス・アンダーソンとはうまがあうみたいですね。
2017年にダニエル・デイ=ルイスは引退宣言をし、最後の作品を監督したのもポール・トーマス・アンダーソンです。
ゼア・ウィル・ビー・ブラッドはダニエル・デイ=ルイスで引っぱり続ける映画です。
牧場一家の兄を演じているポール・ダノも見事です。最近では監督もしていますね。若い役者ですが、こわい俳優ダニエル・デイ=ルイスと堂々とやりあっています。
若くしてこの映画を撮りあげたポール・トーマス・アンダーソン監督、こわい監督ですね。
久しぶりに映画の風格をもった映画でした。