バウンド
映画「バウンド」
1996年のアメリカ映画です。
ふたりの女が男たちをだます見事なサスペンス映画ですよ。
監督はウォシャウスキー兄弟です。
この映画の三年後に「マトリックス」を撮るんですね。
この映画「バウンド」は、ふたりの女が主人公です。ひとりは刑務所帰りで、彼女はレズビアンなんですね。そしてアパートの一室を改装する仕事にありつくんです。その部屋の隣りにマフィアが住んでるんですね。
そのマフィアには黒髪の愛人がいるんです。この女がもうひとりの主人公なんです。
このふたりが惹かれあうんですね。関係をもつんです。もう離れられない。
女性同士のラブシーンは綺麗ですね。
白トカゲと黒トカゲが混じり合います。
愛人の女は、もうマフィアとの生活を終わらせたいんですね。どうせ終わらせるならタダで終わらない。ふたりの女はマフィアの金200万ドルをかっさらう計画をたてます。
刑務所帰りの女を演じるのがジーナ・ガーションです。
アヒル口が特徴的な女優さんですよね。どこかボーイッシュな魅力もある女優さんです。
愛人の女を演じるのがジェニファー・ティリーです。
ウィスパーボイスが特徴的な女優さんですね。1994年のウディ・アレン監督作品「ブロードウェイと銃弾」にも出ている個性的な役者ですね。
いまのアメリカ映画にはない香りをもった作品ですよ。ゆっくりと進行していく流れはヨーロッパ映画の香りを思わせますよ。
日本にも、男を殺す計画をたてる女たちを描いた1961年の市川 崑監督作品
「黒い十人の女」がありますが、
女性は男と違って、腕力に頼らず知恵を使うでしょ。映画的ですよね。また女性同士は絵になりますね。
この作品「バウンド」ですが、物語はほぼアパートのなかで展開されていくんです。
ふたりの女が知恵を使って男を蹴散らしていきます。
どう知恵をつかうか。
それがこの作品の醍醐味ですね。
カメラよく動きます。上から見下ろすショットが多いですね。上からだと小さく見える。強がっていても、どこか心細い女ふたりの心理を描いてるんですね。
黒い床に散らばる白の液体や、赤茶色の壁のまえに黒髪の女など、色のコントラストもおもしろいですね。
ウォシャウスキー兄弟。兄弟で製作、脚本、監督してます。
脚本デビュー作「暗殺者」は、ハリウッドで映画化の際、監督させてもらえず、完成した作品自体も満足できる内容じゃなかったんですね。
この作品「バウンド」で見事にハリウッドに見せつけましたね。