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48時間
映画「48時間」
1982年のアメリカ映画です。
監督はウォルター・ヒル。
男を描き続ける監督ですね。
アメリカ、サンフランシスコが舞台です。
ふたりの殺人犯が刑務所を脱獄します。
ふたりはかつての強盗仲間であるレジーが隠し持ってる金を取り戻すために脱獄したんですね。
ふたりを追う刑事がいます。刑事は脱獄犯を追いつめるんだけど、仲間を人質にとられ、取り逃がしてしまうんですね。そのときに仲間も殺されてしまう。
この刑事を演じるのがニック・ノルティです。
映画「ロレンツォのオイル」では不治の病にかかった息子を助けるために奔走する父親を、映画「ケープ・フィアー」ではロバート・デ・ニーロに執拗に狙われる弁護士を演じてました。男くさくて、ガッチリした、様々な役をこなす役者ですよね。
刑事は、犯人の金を隠し持っているレジーに会うため、彼が収容されている刑務所を訪ねます。
刑事が刑務所内の廊下を歩いていると、ブラックミュージックを歌う甲高い男の声が響いてきます。
ある牢屋の前に立ち止まる刑事。
ヘッドホン姿で熱唱している男。声の主こそがレジーです。
演じるはエディ・マーフィ。
この展開が見事ですね。
このシーンの前に緊張感あふれる追跡劇が繰り広げられています。そのあとにエディ・マーフィがくることで、余計にこのシーンの面白さがいきてきます。観客はこの映画はただの刑事ものではないことに気づきます。
ふたりは犯人を追うことになるんですが、エディ・マーフィに許されている自由な時間は48時間なんですね。
追跡劇、アクション映画はストーリーがシンプルでないといけませんね。シンプルであればあるほど、画面に集中できますね。
エディ・マーフィが登場するまでの緊張と緩和の見事さ、また、ニック・ノルティとエディ・マーフィの異なる男の対比も見事です。
静と動ですね。
この映画はエディ・マーフィのデビュー作です。鮮烈にスクリーンに登場しました。
白人と黒人によるバディ映画のはしりです。
スティーブ・マックイーンの刑事もの映画「ブリット」も舞台がサンフランシスコでしたね。サンフランシスコは刑事ものが似合う街ですね。
映画48時間、続編もつくられました。
80年代を、コンビ映画を代表する作品ですね。