アダコテックでの2年の軌跡
製造業向けに検品AIを提供するアダコテック代表の河邑(かわむら)です。2021年7月を持ちましてアダコテックに参画してから2年が経ちましたので、この機会にこの2年を振り返ってみたいと思います!技術系スタートアップの最初のステージをリアルにお伝えすることを通じて、スタートアップのカオスにご興味がある方に少しでも参考になれば幸いです。
事業 - 製造業へグッと刺さり込むまでの試行錯誤
日本が誇る製造業のお客様への営業は、とても厳しく、幾度となく現場に足を運び、試行錯誤を続けた2年間でした。
難しいポイント
・製造業特有の考え方・プロセスをシッカリと抑える必要がある。
・技術はもちろん、徹底的に”具体事例”で語らないと信用されない。
・社内プロセスが重層的でステークホルダーも多く時間がかかる。
入社してしばらくはこの厚い壁に何度も跳ね返されましたが、ブレークスルーをもたらしてくれたのは現場経験でした。
お客様のご好意で1週間工場の泊まり込みで検査させて頂きました(↑)。ユーザーのペインについての解像度がグッと高くなり、結果として提案内容が磨かれていきました。今ではこの「ユーザーのリアルに向き合い続ける」というスタンスはアダコテックの大事なValueとなっています(アダコテックに入社する社員は、職種限らず、必ず工場に行きます!)。下の写真は、納品したばかりの検査機との一枚(お客様がAdacotech Tシャツを着てくださりました)
セールスオペレーションについても地道な改善を続けました。営業資料やセールストークは数十回Reviseしましたし、アポ取りも多種多様な手段を使い分けてアプローチしています。展示会・オンラインセミナー・ものづくり系YouTube出演など、製造業ならではのマーケティングにも着手。お陰様で感染症の影響がある中でも順調に取引が増えており、リード件数は2年で10倍以上になりました(対応にてんやわんやしております)。様々な業界から新規の問い合わせも頂いており、検査はどこの業界でも深いペインだということを痛感する日々です。
超大手製造業さんとの案件に取り組みながら、新規の取り組みも複数走らせており、BizDevがとても盛り上がっているので、ゼロイチでのBizDev経験を積みたい方、以下の暑苦しいメッセージもご覧下さい!
プロダクト - 画像解析プロダクトの立ち上げ
この2年で最もリソースを投資したのがプロダクト開発でした。産総研から生まれたアダコテックは、創業の2006年から約14年、いわゆる受託開発を続けながら研究を続けてきました。しかし、ビジネスとしてスケールするためには、社内のエンジニアのリソースに依存しない、SaaSへの事業転換がマストと判断し、資金調達をきっかけにプロダクト開発を開始しました。
しかし当初は社内にWebエンジニアがおらず苦労しました。副業エンジニアに頼ってプロダクトを作っていましたが、マネジメントとコミュニケーションの難易度が高く、思ったように開発が進まない期間もありました。また、ビジネスとの連携も手探りで行っており、正直、手戻りも多かったです。
そこから取締役の伊藤とテックリードの柿崎を中心に体制を整え、フルタイムの業務委託エンジニアも3人加入したこともあり、開発組織が日を追うごとに変わっていきました。開発組織として様々なツールを駆使して生産性・UXを高めたり、非属人化・組織強化にも地道に取り組みました。(詳細は以下の記事でご紹介しています。)
そして、本日(7/15)、SaaSの正式版をリリースしました!アダコテックの技術を、画像解析のプロでない方でも簡単に使いこなして頂けることを目指したサービスです(アダコテックの営業の社員もこれを使って画像解析しています)。すでに有料ユーザの申し込みも多数頂いていて、加えたい機能や改善もたくさんあり、これからの開発が更に楽しみです。
組織 - チームビルディングと仲間集め
社員は10名(+Product Manager内定 1名)の組織になりました。一言でいうと、真面目なナイスガイが集結した組織だと思っています。各々がプロフェッショナルとして自律して動けるので、大きいイシュー単位でそれぞれが責任を持って動いています。
チームビルディングについては、3ヶ月に1度のペースでオフサイトMTGを開催してきました。それぞれの価値観や強みについて話したり、互いに忌憚ないフィードバックを与えたり、Thank You Letterを書いたりと、「お互いを知る」ことに主眼を置いています。社員からの評判もとても良く、特に新しいメンバーのオンボーディングが一気に加速する感触を持っています(詳細はまた別の機会に詳しくご紹介しようと思います!)。直近ではオフサイトの中でカルチャーを言語化するワークショップを実施したのですが、2年経ってようやくシックリ来る言葉を選ぶことができました。
仲間集めについては、この2年でもっとも時間を投資しました。採用はとにかく時間的なコミットが求められます。カジュアル面談しまくる、スカウトを打ちまくる、地方在住の候補者に会いに行く・・・とにかく”数”がものをいう世界だと実感しています。事業もたくさんやることがありますし、ついサボりたくなるのですが、経験上、サボると採用も止まりました。最重要経営テーマとして強いコミットで日々色んな方にお会いさせて頂いています。
採用の裏側では、とても地道な広報活動も継続して来ました。知名度が全くない、検索しても何もHitしないような状況でしたので、広報のプロにも相談しながら早期から取り組んできました。
・プレスリリース月2本以上出す
・全社員でNote発信する(本記事で57本目!)
・ピッチコンテストに参加する(ICC、IVSでの優勝はインパクトありました)
・Twitterアカウント育成する(フォロワー80人→7,000人超に) ・・・等々
成果に繋がるまでかなり時間がかかりますが、広報は単発の効果というよりは、資産が積み上がっていくイメージで、これも継続は力なりでした。
今後は組織拡大に伴う成長痛もあるかと想定していますが、先手で対策しながら更に組織を育てていきたいと思います。
最後に
2年の中で幾度となく事業が大きく進むタイミングがありましたが、その度に、目の前の道がその何倍も大きく拓けるような感覚になっています。それほどに、製造業の検査という領域は負が大きく、可能性に溢れています。これからはグローバルに事業を展開しながら、更に大きな勝負を仕掛けていくタイミングを迎えます。ぜひこの最もエクサイティングなステージで一緒に働きませんか?ぜひカジュアルにお話させてください!
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