マガジンのカバー画像

副業にあたって役立つ裁判例

10
運営しているクリエイター

2020年4月の記事一覧

副業にあたって役立つ裁判例④ 平仙レース事件(浦和地裁S40.12.16判決)

副業にあたって役立つ裁判例④ 平仙レース事件(浦和地裁S40.12.16判決)

4番目に紹介するのは平仙レース事件です。

こちらは③の事件とことなり、懲戒解雇が無効とされました。
大きな違いは、副業にかけていた労力と目的でしょう。

副業にあたって役立つ裁判例① 小川建設事件(東京地裁S57.11.19判決)

副業にあたって役立つ裁判例① 小川建設事件(東京地裁S57.11.19判決)

このコロナの中、副業を始める方も多いのではないでしょうか。

僕個人としては、副業には大賛成。しかし、副業には落し穴も。

その落し穴にはまることのないよう、裁判例を紹介していきたいと思います。

最初に紹介するのは、小川建設事件。

こちらから教訓にすべきこととして、①副業が許可制の場合、無断で副業をするのは裁判上不利になること②副業で長時間の労働をすると、そのことを重視して、解雇されるおそれが

もっとみる
副業にあたって役立つ裁判例② 都タクシー事件(広島地裁S59.12.18判決)

副業にあたって役立つ裁判例② 都タクシー事件(広島地裁S59.12.18判決)

副業するにあたって労働時間の管理は頭の痛い問題です。

頭が痛いだけではなく、それが理由で解雇が認められる可能性があるのは、先に紹介した裁判例①小川建設事件のとおりです。

こちらも限界事例と思ったほうがよいでしょうが、具体的な指導注意がなかったことを重視され、懲戒事由該当性までは認められたものの、解雇は無効とされた裁判例です。

具体的な注意がなされるまでは解雇されないと考えるのは危険です。

もっとみる
副業にあたって役立つ裁判例③ ジャムコ立川工場事件(東京地裁八王子支部H17.3.16判決)

副業にあたって役立つ裁判例③ ジャムコ立川工場事件(東京地裁八王子支部H17.3.16判決)

3つ目はジャムコ立川工場事件(東京地裁八王子支部H17.3.16判決)。

こちらは①、②と異なり「懲戒」解雇が争われています。

懲戒解雇の場合、懲戒解雇事由の該当性と懲戒解雇の相当性の2段階で判断されますが、図ではそこは簡略化しています。

本業と全く両立できない形で副業をしてしまうと、解雇を有効とする方向に強く傾きますね。