「自分で自分を褒める」という生き方
僕は毎日、自分で自分を褒めている。
アプリ開発をしたら「良くがんばった、えらいぞ!」と褒める。
保険などの面倒な手続きをした時も徹底的に褒めまくる。
なぜか。
自分にとって一番身近な存在が、自分だからだ。
僕は、僕という存在を喜ばせたい。
「楽しい」という気持ちになってもらいたい。
励ましてあげたい。
「行動しよう」と思えるように、生き生きとしてもらいたい。
そう考えた時に、自分を褒めた方が良いか、けなした方が良いか、何も投げかけないのが良いか。
僕は褒める。
1996年アトランタ五輪の女子マラソン、銅メダルを取った有森裕子さんは、「初めて自分で自分をほめたいと思います」と語った。
有森さんはすごくストイックな方なんだと思う。
「初めて自分で自分をほめたい」という事は、それまで褒めて来なかったという事なのかもしれない。
僕にはそんな生き方はできない。
自分で自分に厳しくして、ハードルを上げていくような生き方は、到底できない。
「アメとムチ」に関する、こんな実験がある。マウスを使った実験で、マウスが道順を覚える際の学習効率の良さを調べるための実験だ。
ひとつめの道(A)は、道を進んでいくと分岐点があり、右に曲がると電気ショック。左に曲がるとエサがある。(アメとムチ)
ふたつめの道(B)は、右に曲がると電気ショック。左に曲がると何もない。(ムチのみ)
みっつめの道(C)は、右に曲がると行き止まり。左に曲がるとエサがある。(アメのみ)
これは「シロクマのことだけは考えるな!」(植木理恵著)という書籍の中で紹介されている実験だが、A~Cでマウスが一番効率良く道を覚えたのはどれだろうか。普通は、アメとムチを使い分けるAが正解だと思うだろう。
しかし、正解はC。アメのみの場合が一番効率良く道を覚えるばかりか、AとBの場合は電気ショックを受けた為、マウスが萎縮し、歩く事をやめてしまう。
「電気ショックが強すぎたんじゃないか」など、この実験には疑問の余地がある。ただ、自分の今までの教育の仕方について考えるいいきっかけにはなるだろう。今まで、誰かを褒めてきただろうか。
そして、この話は「自分に対しても同じ事が言える」と、僕は考えている。
自分にムチ打つストイックな人生は、とても過酷な道だ。よほどの精神力が無い限り、歩む事すらツラくなってしまうだろう。
僕にも、自分にムチを打つ時期はあった。それは大学時代の事だ。ふとしたキッカケで誰も信じられなくなり、ひたすら自分自身をけなす日々を過ごしていた。
マウスの例で言うと、Bの道、つまり電気ショックのみという事を自分自身に対してやっていたのだ。
この時の僕は、何事にも無気力になり、傷付きやすくなり、何の行動も起こさなかった。いや、起こせなかった。
だから、僕は実感をもってBのマウスのツラさが分かる。
無気力のツラさは、自分自身でそこから抜け出す気力が湧いてこないというところにある。
もうあの日々には帰りたくない。
僕は毎日、自分で自分を褒めている。
そうする事で初めて、自分自身にとっての「楽しさ」を追求する事ができている。
≪今日のまとめ≫
・自分を褒めると、自分自身を喜ばせる事ができる。
・重要なのは、アメとムチではなく、アメだ。
・毎日、自分で自分を褒めて初めて、自分自身にとっての「楽しさ」を追求する事ができる。
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