3. インドの医学生との交流(チェンナイ)
概要
インドトリップではインドの医学生と交流をする機会を設けていただきました。年齢も近く、同じ学問を学んでいる仲間として、あっという間の時間でした。彼ら・彼女らはPanimalar Medical College Hospital & Research Instituteに所属していました。
タイムスケジュール
①自己紹介
日本からは医学生をはじめReach Out Projectに参加するアクセラレーターが10名ほど、インドの医学生も10名もほど参加してくれました。
②プロジェクト紹介
Reach Out Projectに参加しているメンバーの中から代表して3名が計画中のプロジェクトについてプレゼンテーションをしました。
③ディスカッション
その後、プロジェクトについてやお互いの国の医学教育、将来の展望などに自由に話し合い交流を深めました。InstagramやLineなどの連絡先を交換して、今後も繋がりを持っていく事を約束しました。
④夛賀 政幸さん(チェンナイ総領事)のお話
在チェンナイ日本国総領事館から、夛賀総領事にお越しいただきインドと日本の医学生の交流に際して励ましの言葉をいただきました。さらに、チームごとにお話しする時間をいただき、今後の活動について応援しているとのメッセージをいただきました。
印象に残ったディスカッション
1時間以上色々な話をしましたが、印象に残った事をいくつか紹介します。
1. 一番大きな医療課題について
インドの医学生が考える最も大きな医療課題は何か尋ねました。すると、多くの人が薬剤耐性菌であるとの回答がありました。医師や医学生はこの問題について、非常に深刻であると認識して改善を目指していると話していました。薬局などで簡単に買えてしまうシステムなどが具体的な課題であると話していました。
2. 狂犬病について
NTDs(顧みられない熱帯病)の中でも、私が最も関心を持っている狂犬病について聞きました。WHOによると、年間で1.8-2.0万人が犠牲になっているとの試算があります。そのため、大きな問題であると考えていましたが、彼らにとっては人口と比べるとあまり多くはないと話していました。ただ、医学生の彼らも数回患者さんに出会ったことがあるそうです。野犬の数があまりにも多く、野犬にワクチン接種を行うことが難しく狂犬病のコントロールは非常に困難であると話していました。
3. 卒業後の進路について
私は臨床留学に興味があり、米国内科学会(ACP)日本支部の学生委員会に所属しています。今年から日本支部とインド支部の交流が始まっているのですが、来てくれたメンバーの中にもACPインド支部の一員がいました。
卒業後は、イギリスやアメリカなど海外でトレーニングを受けることも一般的であるし、それを目指す人は多いとのことでした。感覚的に、約15%ほどの学生が海外で職を得ることを目指してインドから出ていくそうです。
感想
インドトリップの中でも、一番楽しいあっという間の時間でした。医学生であることで、共通の話題や悩みなどを共有することができました。また、日本とインドで異なる部分も多い医学教育や医療システムについて、議論を深めることができたことも有意義でした。この繋がりを大切にして、今後もどこかでまた会える日があることを楽しみにしています。