見出し画像

【現場発】スタートアップの撤退理由から学ぶ、マーケ立ち上げ期の7つのポイント

『スタートアップマーケティング現場のリアルを届けたい』
僕らが今まで、実際にお手伝いをした企業を元にスタートアップのマーケティングのリアルの内容をお話ししたいと思います。
ちなみに、スタートアップではPMF(プロダクトマーケットフィット)も実証されていない中、マーケティング戦略を間違えると死を意味するくらいとても怖いことです。

今回は、スタートアップで無駄な投資をなくして、少しでもチャレンジし続けることができるようにこの記事を書きました。私もスタートアップをもっと研究していき、マーケター、経営者の意思決定を豊かにすることが僕のやりたいことなので、こちらの記事も見てもらえると嬉しいです。

まず記事をご覧になっていただくにあたって、前提の整理だけ簡単にさせていただくと、スタートアップが失敗する理由の1番上の理由が、マーケットにニーズがないこと。2つ目がキャッシュフローです。

その上位2つでやはりインパクトとして大きいのが経営者や創業者がマーケティングの知見をどれだけ持っているのかになってきますが、今回はマーケティング(プロダクト開発もマーケに含まれると考えて)にテーマを絞って、プロダクトを研ぎ澄まし、無駄なコストを抑え、レバレッジの効いたマーケティングの設計ができるかがスタートアップで成功するかどうかの大きな分かれ道になってきます。

スタートアップの撤退理由.001

拡大したい気持ちとロイヤルカスタマーと向き合うバランス

突然ですが、最初の段階で、各KPIを追っていきながら、施策を考えていってしまっていたりしませんか?

ファネル別の施策を掲載させていただきますが、かなりたくさんの施策があります。TV広告や駅中広告なども含めてブランディグ戦略を行っていくと非常にコストがかかってきます。

ファネル.001


その中で、まず真っ先に取り組むべきポイントは、メチャクチャ当たり前なのですが、一気に拡大していく前に、ロイヤルカスタマーと向き合い続けることができるか。またそこから成長させていくためには、既存顧客と向き合う時間と、新規獲得に割いていくリソース配分のバランス感覚が必要です。ただ色々な要因があってそこに注力できずに拡大してしまう。その落とし穴を知っておくことが事業を継続させるキーになりますのでそこを後ほど紹介します。

ちなみに、ロイヤルカスタマーの分析やLTVが高いユーザーをいかに獲得するのか。そのユーザーはどんな要素や、ニーズを持っているのか。
ここを徹底的に突き止めることが最初は無駄なコストをかけずにすむポイントになってきます。

そこができてはじめてアクセルを踏むタイミングで、一気に展開して行く前に、このLTVの高いユーザーがどのくらいいるのか。どのくらい口コミがあがっているのかをNPS(ネットプロモータースコア)を分析しながら進めることが重要になってきます。PMFに関してとてもわかりやすいnoteの記事があります。

実際にマーケティングで失敗した7つのポイント

一気にアクセルを踏む前に再度見直したい項目としては下記の点になります。どの分野のスタートアップの企業でも汎用性がありますので参考にしていただけるとありがたいです。

❶赤字計画~しゃがめる期間が不明確なままだった~
❷企業名だけでマーケターを採用した結果...
❸データ統合が重すぎて誰もボールを持てない
❹ROAS、優良顧客ベースで測れないと終わる
二兎を追う者は一兎をも得ず~ポジショニングが不明確~
❻既存顧客が割引しないと購入してくれない最悪なサイクル
❼ユーザーの声と向き合うのが怖かった

赤字計画~しゃがめる期間が不明確なままだった~
1つ目は、自社のキャッシュフローが読めておらず、一気に拠点展開しすぎていた。拠点展開して、赤字でマーケコストを投下していきアクセルを踏んでいたのだが、自社の現状が分析できておらずどこまでしゃがめるのか。分岐点が見えていないため、跳ねる前に終わってしまった。

❷企業名だけでマーケターを採用した結果...
採用で企業が決まると言われているくらい重要なポイントだったが、事業の成長エンジンであるマーケターの採用を経歴だけで決めてしまった。ブランドのある企業だったため、経歴だけをみてしまい採用することで、その人と一緒に仕事がしたくないメンバーが出てしまい、社内のマーケターがほとんど辞めてしまった。上からおりてきた採用計画を達成するためだけに採用数ばかりを追ってしまうと、社内のカルチャーや、生産性に影響が出てしまいマーケ部署が崩壊してしまった。

データ統合が重すぎて誰もボールを持てない
データ分析ツールとして、Lookerや複数のツールを活用していたが、データの繋ぎこみや分析するノウハウが自社になかったため、プロモーションのデータと顧客データの繋ぎこみができずだった。ここの専門家を採用するのはかなり難易度が高かったり、広告代理店でできないことも多い。そうすると結局自社の現状がわからない状況に陥ってしまう。データ分析できる人を必ずアサインしたいところです。(データ統合に関しても今後セミナーで公開予定です)

名称未設定3.001


❹ROAS(広告経由で発生した売上を広告費用で割った数値)、優良顧客ベースで測れないと終わる
ROASベースで分析することができていないため、どのクリエイティブやアドグループに配信をよせるべきかわかっていなかった。CPAは圧倒的に低いが、購入頻度や、購入単価が高いユーザーを獲得しているクリエイティブに寄せることができていなかった。

❺二兎を追う者は一兎をも得ず~ポジショニングが不明確~
2つのサービスを1つのWEBサービスで展開しているため、キーメッセージが作りづらかった。
そのため、UIUXでも使いづらい導線設計になってしまい、回遊しづらいHPの設計になっていた。ユーザーがあらゆる点で離脱してしまっていて、新規獲得にばかり目がいってしまっていたことからUIUXの方まで手が回っていない状況だった。

❻既存顧客が割引しないと購入してくれないという最悪なサイクル
EC領域でもよくあることですが、WEBから獲得したユーザーをアプリに移行できていなかった。また、アプリへダイレクトな流入ができておらず継続的に活用してくれるユーザーを担保することができていなかった。

シグナル.001

※あらゆるデータを統合することによって、マーケティングにも活用することができるようにしていくのでその辺りを施策に組み込んでいけていなかった。
❼ユーザーの声と向き合うのが怖かった
上記とかぶってくる部分もありますが、Twitterで口コミの調査や、ユーザーヒアリングの時間を設けて、実際の声を聞かせていただくこと。マクロミルでの調査なども含めてリアルな声をどれだけサービスにフィードバックできるかが肝になってきます。Twitterにある口コミや既存顧客がアラートを出しているログと向き合わなかったのが既存顧客のLTVを最大化できなかった要素の1つになります。新規の獲得の優先順位が高くなってしまい、既存顧客の声を集める優先順位が下がってしまっていた。圧倒的に優先すべき既存顧客の声を見て見ぬふりをしてしまった。

上記は我々が入る前に起こっていたリアルな状況でマーケで失敗しがちな7つのポイントですが、少しでも失敗のパターンを事例から学ぶことによって失敗の可能性に気付けるかと思いますので、頭の片隅にでも入れてもらえると幸いです。

もっと知りたい方は6月11日の12時~13時でオンラインイベントを開催しますのでこちらもご覧になってください。

さらに詳細な事例の資料を見たい方はこちらも添付しておきますのでダウンロードください。


いいなと思ったら応援しよう!